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猫に長生きしてもらうためのお金のかけ方とは?獣医師が解説!

LIMO / 2021年10月10日 12時15分

猫に長生きしてもらうためのお金のかけ方とは?獣医師が解説!

猫に長生きしてもらうためのお金のかけ方とは?獣医師が解説!

猫は健康で快適に暮らすことで長生きします。それにはストレスのない暮らし、つまり猫の環境エンリッチメント(動物の福祉と健康)やQOL(生活の質)を考慮することにあります。具体的には食事、健康、居場所などが確保されていること。しかし、必ずしも猫が喜ぶとはかぎらず、そこのところは飼い主も知っておく必要があります。猫にしてみれば人に忖度しない、自らの意思を通しているだけのことです。

高級な食事や豪華なトイレ、猫用のためにリフォームをしても猫が好まなかったりします。それでも飼い主はお金が無駄になったとは思わず、次はどうしたら猫が喜ぶかなと思うのもの。こうした積み重ねが、猫を長生きさせるのです。

そこで今回は、猫に長生きしてもらうためのお金のかけ方について解説していきます。

猫を飼うために必要な「最低限度」の費用とは?

東京都福祉保健局の「東京都における犬及び猫の飼育実態調査概要(2017年度)」の生涯飼育にかかる費用のデータがあります。猫の平均年齢を15.03歳とし、年間費用は最も多かった上位30%の飼い主の計算になっています。その結果は下記の通り。

食事代 年間費用(1~3万円)×平均年齢(15.03歳) =15.03万円~45.09万円

医療費 年間費用(1~3万円)×平均年齢(15.03歳) =15.03万円~45.09万円

諸経費 年間費用(1~3万円)×平均年齢(15.03歳) =15.03万円~45.09万円

これらを合計すると、生涯にかかる費用は「45.09万円~135.27万円」となります。

そして20歳まで長生きすれば、上記費用に5年分の「15万円~45万円」を加えることになります。しかし、ここに無駄遣いの過分な生活費は含まれていません。

猫の食事代・医療費はここまでバリエーションが違う

猫は粗食を好むこともあれば贅沢な食材を選ぶ猫もいます。キャットフードであれば10グラム3~30円、高額なほど猫の嗜好力が高まります。猫の中には直ぐに飽きてしまうなど気まぐれなものもいますので、数種類並べてバイキング方式で用意する飼い主もいます。

1972年に国内でキャットフードが登場するまでは、人の残り物に汁を懸けたものが主食でした。そこに風味の利いたキャットフードが登場したことで、たちまち猫からの市民権を得ました。高額なキャットフードは良質な食材から作られており、グレインフリー(穀物不使用)やヒューマングレード(人と同等の管理基準)などが好んで選ばれています。身体に悪い影響を及ぼすジャンクなフードを敬遠するのは良い兆候で、こうした良質な食事によって健康寿命が伸びています。

近年では猫の室内飼いによって、過食と運動不足を心配しています。高齢になれば腎不全などを発症する可能性が高くなり、急なケガや病気、定期的な通院や投薬が必要になれば医療費はかかります。病気になると食べる療法食は10グラム35円ほどになります。医療費のペット保険に加入していれば、年間2~10万円程度を加算されることになります。

したがってストレスのない快適な暮らしと居場所がとても大切になってきてくるのです。

猫の住まいにかかる費用も様々

猫を取り巻く環境は、この数年でとても変化しました。かつての行動範囲は屋外も自由でしたが、現在では完全室内飼いが奨励されているため、猫のグッズ類も多様になっています。トイレの形状から猫砂、採食に刺激を与えるために少量食べさせる工夫をした容器。お手入れ道具から猫用ベッドまで様々です。

本来の習性である狩りや隠れる行動が失われた代わりに、ストレスを溜めない工夫を凝らしたグッズ類が販売されています。

猫に最もお金をかけるのが諸経費の中でも家づくりやリフォームによる建築でしょう。猫にとって理想の環境となり、楽しく暮らせる居場所が確保されます。この空間によって環境エンリッチメントやQOLが向上します。費用は数百~数千万円ほど。設計から施工まで、猫専門の一級建築士にお願いすることも珍しくありません。

家屋の内装には猫が快適で喜んでもらうためのフロアや素材、垂直方向のスペースや隠れ場所を確保し、猫に寄り添った居場所が確保されます。また入って良い場所とダメな場所を区別する場合には猫ドアで境界を設けたり、腰壁を設けたり、収納を工夫したりします。快適なリビングにはキャットウォークや吹き抜けのキャットタワー・日光浴や寝床のために出窓を備えたり、さらに危険な場所を無くしたりすることで猫が喜ぶ間取りとなるので、決して無駄遣いではないと思います。

猫に長生きしてもらうためには、性格を見極めよう

さて、重要である猫が長生きするためのお金は、上記の45.09万円が最低限度ではあるものの、「上限はない」ということです。もし気に入らない態度をとったとしても、それは猫の習性。猫はしっかり飼い主の気持ちを汲み取り感謝しています。猫が長生きしたことでそれが無駄使いではないことが証明されるでしょう。

参考資料

東京都福祉保健局「東京都における犬及び猫の飼育実態調査概要(2017年度)」(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/aigo/horeishiryou/siryou.files/29shiikujittai.pdf)

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