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育児で時短勤務のパパ・ママが「年金で損をしない方法」

LIMO / 2021年10月9日 11時35分

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育児で時短勤務のパパ・ママが「年金で損をしない方法」

キャリアと子育ての両立を目指す人は増えており、それを支える国の制度も充実してきていますね。

さて、育児と仕事を両立させるために時短勤務をしている方は、給料が減ることで、将来受け取れる年金額も減ってしまいます。しかし、子どもが3歳までの間なら、時短勤務によって給料が下がっても、年金額を減らさない制度があるのです。

この制度は申請しないと利用できないため、まずは制度について知っておくことが重要です。あなたの周りに、この制度を利用できそうな人がいたらおしえてあげるといいでしょう。

時短勤務者が知っておきたい二つの制度

子供が小さいうちは、保育園のお迎えなどがあるため、時短勤務にしたいという人は多いでしょう。育児休業から会社に復帰し、時短勤務で仕事を始めれば、当然給料は以前よりも下がります。しかし、社会保険料は、出産前の給料で計算されるため、時短勤務で少なくなった給料に見合わない保険料を払うことになります。

毎年9月の定時改定で社会保険料は見直されますが、それまでの期間、高い社会保険料を払い続けるのは大変です。そこで、改定まで待たずに保険料を軽減してくれる制度があります。この制度を利用するには『育児休業等終了時報酬月額変更届』を提出します。

1.育児休業等終了時報酬月額変更届

3歳未満の子どもを養育している厚生年金の被保険者が、育児休業が終了したあとに、給料の変動があった場合、被保険者の申し出によって事業主を経由して届け出ることで、給料に応じた社会保険料が差し引かれるようになります。

育児休業が終了したあとの3ヵ月間の給料の平均額に基づいた標準報酬月額が4カ月目から適用されます。(例:4月に時短勤務で会社復帰した場合は7月から適用)

利用するには以下の条件を満たす必要があります。

(1)従前の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額に1等級以上の差が生じるとき

(2)育児休業等終了日の翌日の属する月以後3カ月のうち、少なくとも1月における「報酬の支払の基礎となる日数」が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上であること

(1)の標準報酬月額とは、社会保険料を計算しやすくするために、報酬額に区分を設けたもので、この区分を「等級」といいます。たとえば23万円以上25万円未満までは16等級、25万円以上27万円未満までは17等級というように分けられています。以前の給料と時短勤務後の給料に1等級以上差がないと利用できません。

(2)の補足として、パートなどの短時間労働者の日数については、3ヵ月のうちいずれも17日未満の場合は、そのうち15日以上17日未満の月の報酬月額の平均によって算定します。

時短勤務が決定した時点で、会社が書類を用意してくれる場合も多いようですが、事前に制度を知っておけば、気づかずに保険料を多く払い続けるという事態を回避できます。

この制度は保険料の負担を軽減できるという意味では大変有意義ですが、一方で、支払った保険料が少ないと将来受け取る年金額も少なくなってしまうという懸念があります。

それも含めて、時短勤務の間の年金額の減少を救済する制度が、『養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置』です。この制度を利用すれば、保険料は下がっても以前の給料に基づいた年金額を受け取ることができます。

2.養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置

子どもが3歳までの間、時短勤務などによって、給料が低下した場合、子どもが生まれる前の給料に基づいた年金額を受け取ることができる制度です。

時短勤務などによって標準報酬月額が低下した場合に、養育開始月(子どもが生まれた月)の前月の標準報酬月額をその低下した期間の標準報酬月額とみなして年金額を計算します。

養育開始月の前月に厚生年金の被保険者でない場合には、その月前1年以内の直近の被保険者であった月の標準報酬月額になります。その月前1年以内に被保険者期間がない場合は、みなし措置は受けられません。

3歳未満の子を養育する厚生年金の被保険者(または被保険者であったもの)が事業主を経由して申請する必要があります。なお、申請日よりも前の期間については、申請日の前月までの2年間については遡って適用することができます。

対象となる期間は、養育開始日から子どもが3歳に到達する日の翌日の月の前月まで等です。

■手続きの方法■

被保険者からの申出を受けた事業主が「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を日本年金機構へ提出します。

<添付書類>

    戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書

    住民票 ※提出日から遡って90日以内に発行されたもの

出産・育児に係る制度を大いに利用しよう

厚生年金の被保険者は、産前産後休業・育児休業の期間中、社会保険料が免除されます。その期間は保険料を納めた期間として扱われ、年金額が減ることはありません。

そして時短勤務などを利用して会社に復帰したあとも、優遇措置があります。時短勤務で給料が下がった分、保険料も下がりますが、納める保険料はその下がった保険料額であるのに、受け取れる年金額は、給料が下がる前の保険料で計算した金額となります。これは利用しないのはもったいないといえる制度ではないでしょうか。

ここで紹介した制度はどれも会社を通して申請する必要があるものです。忘れずに申請しましょう。

出産・育児によって、キャリアを中断することがないように、さらにいえば、出産・育児を、仕事を理由に諦めることがないように、国によって設けられた制度です。利用できるものはトコトン利用して、仕事も家庭もどちらも満喫してほしいと思います。

参考資料

日本年金機構「育児休業等終了後に受け取る報酬に変動があったとき」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/menjo/20140626-01.html)

日本年金機構「保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険) 」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/20200825.html)

日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/20150120.html)

日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置をうけようとするとき」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/menjo/20141203.html)

一般財団法人 年金住宅福祉協会 (くらしすと-暮らしをアシストする情報サイト)育児のために時短就労するなどで給料が下がった場合、標準報酬月額はどのように改定されるのですか? (https://kurassist.jp/nenkin_atoz/koumoku/shusan/shusan03.html)

一般財団法人 年金住宅福祉協会 (くらしすと-暮らしをアシストする情報サイト)産前産後休業期間中や育児休業期間中に給料を受けていた場合は保険料免除にならないのですか?(https://kurassist.jp/nenkin_atoz/koumoku/shusan/shusan01.html)

日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が産前産後休業を取得したときの手続き」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/sankyu-menjo/20140509-02.html)

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