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まだ遅くない?40歳からつみたてNISAで老後資金を作るには

LIMO / 2021年10月10日 20時35分

まだ遅くない?40歳からつみたてNISAで老後資金を作るには

まだ遅くない?40歳からつみたてNISAで老後資金を作るには

国税庁が2021年9月29日に公表した「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、平均給与は年間433万円。前年比で0.8%減少しました。先の見えないコロナ禍においては収入や雇用への不安もあり、支出をおさえて貯蓄に励む方も少なくないでしょう。

収入が下がれば、投資への意欲も下がると思われるかもしれません。しかし2021年6月15日に公表された金融庁の「NISA 口座の利用状況調査(2020年12月末時点)」によれば、つみたてNISA口座数は前年より約1.6倍増の302万2422口座、つみたてNISA口座の買付額は約2.6倍増の7614億2837万円です。

これまで投資には「一発当てて大儲け」といったイメージがありましたが、つみたてNISAは分散して長期間でコツコツと投資をすることで資産形成を目指すものです。特に20代など若い世代でつみたてNISAの口座数が増えており、将来の不安もあり早くから堅実な方法で投資をしたいという若者が増えているよう。中には「自分も早くから始めたほうがいいのかな?」と悩まれている方もいるでしょう。

今回はつみたてNISAのキホンと口座数の変化などをながめながら、40歳から老後資金を作る方法をみていきます。

つみたてNISAのキホン。どれくらいの人が利用してる?

2018年1月からスタートしたつみたてNISAは、金融庁が定めた投資信託の中から自分で商品を選び、毎月一定額を積み立てるものです。通常は配当金や分配金、譲渡による利益に20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAなら毎年40万円まで、最長20年間非課税で運用できます(非課税運用額は最大総額800万円)。

利益が出ても約2割を税金で引かれるとなると、「2割引かれて本当に利益が出せるの?」と投資をためらう方もいるでしょう。しかし運用益が非課税であれば、初心者の方でも利益へのハードルが下がります。少額から無理なく投資をはじめられるのも、嬉しいポイントですね。

一方で、投資なので元本保証はありません。売りたいときに相場が大きく下がって、売りたくても売れないなんて可能性もあります。ただ、長期間毎月コツコツと積み立てていくことで、ある程度リスクを抑えることができます。

2021年10月8日に公表された金融庁の「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査 (2021年6月末時点) 」によると、2021年3月末時点でのNISA(一般NISAとつみたてNISA)口座数は、次の通りです(一般NISAとは上場株式、株式投資信託、ETF などの利益が年間120万円まで非課税になる制度。非課税枠は最大600万円、期間は最長5年間、2023年まで)。

NISA(一般・つみたて)口座数(2021年6月末時点)

NISA(一般・つみたて): 1654万8428口座

一般NISA:1237万2998口座

つみたてNISA:417万5430口座 

中でも、年別につみたてNISA口座数の推移を見ていきみましょう。

つみたてNISA口座数の推移

2018年12月末時点:103万6603口座

2019年12月末時点:189万230口座 

2020年12月末時点 :302万2422 口座

2019年と2020年を比べると、つみたてNISA口座は約1.6倍増加しています。つみたてNISA口座の買付額も見てみましょう。

 つみたてNISA口座の買付額 

2018年12月末時点:931億502万円

2019年12月末時点:2975億5299万円

2020年12月末時点:7614億2837万円

2018年と2019年では約3.2倍、2019年と2020年では約2.6倍増加しています。

コロナ禍においても、つみたてNISAを始める方が増えているとわかります。

年代別の口座数は?

さらに詳しく、最新の調査から年代別のつみたてNISAの年代別口座数と、2021年3月末~6月末の増加率、年代別の比率もみていきましょう。

つみたてNISA年代別口座数(2020年3月末~2021年6月末時点の増加率 )/年代別比率

総数:417万5430口座 (15.5% ) 100.0% 

20歳代:80万9093口座  (21.9%)/19.4% 

30歳代:117万7990口座 (15.9%)/28.2% 

40歳代:103万5183口座 (14.4%)/24.8%

50歳代:69万5904口座  (13.6%)/16.7% 

60歳代:32万92口座  (11.0%)/7.7%

70歳代:11万8247口座 (6.2%)/2.8% 

80歳代以上:1万8921口座 (5.4%) /0.5% 

20代では20%以上増加しており、特に若い人の中ではじめる人が増えています。また、年代別比率をみると30代が最も多く、次いで40代、20代です。

2021年9月10日には田村憲久厚生労働相より、少子高齢化による国民年金の年金額削減を抑えるため、国民年金の財源を厚生年金から振り分けることを検討していると発表されました。2019年には老後2000万円問題も話題になりましたが、特に若い世代では「年金には頼れないから早くから資産形成を」という考えが強いのかもしれません。

40歳から老後資金を作るには

30代の次に、40代の方の年代別比率も多いつみたてNISA。40歳からつみたてNISAを始める場合、どのように老後資金を作っていけば良いでしょうか。

老後を60歳からとした場合、40歳から投資を始めると20年間あります。その期間、利回り3%の投資信託に毎月3万円積み立てた場合の金額を金融庁の資産運用シミュレーションで計算してみましょう。

毎月3万円・20年間・利回り3%の投資信託で投資した場合

984万9060円(元本は720万円)

投資信託で積み立てると約984万円ですが、元本は720万円。銀行で預金をした場合に比べると、投資信託では約1.4倍資産が増え、約1000万円近くになります。銀行預金なら20年で約1000万円貯めるには毎月約4万1666円必要なので、差額は約1万1666円です。

老後の2000万円を全額を投資で準備するのはリスクを感じる人も多いので、半分の1000万円は投資で、残り半分の1000万円は預金で準備するのも一つですね。

問題はどの投資信託に投資するかでしょう。先程20年間で計算をしましたが、つみたてNISAは基本的に長期間運用を行うことでリスクが減り、資産が増えていきます。

長期的な積み立てを考えると、20年経っても成長するだろうと予測できるものが良いですね。コロナ禍においてこれまで当たり前だった価値観が崩れたことなどを考えると、長期でみれば一国に集中して投資をするのはリスクを感じます。それよりも世界の株式など、長期的に上下はするものの成長するだろうと思えるものを選ぶといいでしょう。

直近の商品別買付額をみてみましょう。

つみたてNISA商品別買付額(2021年6月末時点)

総額1兆2056億909万円 

投資信託:1兆2053億8988万円 

(うちインデックス投信:9789億9698万円)
(うちアクティブ運用投信等:1522億6781万円)

ETF:2億1921万円 

※2018~2021年の利用枠で、買付があった金額の合計。 

つみたてNISA買付額のおよそ8割をインデックス投信が占めており、その人気がわかります。インデックス投信とは、たとえば日経平均株価やNYダウなどの指数に連動して運用されるもので、アクティブ運用投信はベンチマークを上回る成果を目指すものです。

つみたてNISAは40歳からはじめても遅いということはなく、20年かけて効率的に資産形成できることがわかりました。リスクもありますが、老後に向けての資産形成には効果的でしょう。

参考資料

国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」(2021年9月29日)(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf)

金融庁「つみたてNISAの概要」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)

金融庁「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査(2021年3月末時点) 」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20210716/01.pdf)

金融庁「NISA 口座の利用状況調査(平成 30 年 12 月末時点) 」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20190524/01.pdf)

金融庁「NISA 口座の利用状況調査(2019 年 12 月末時点) 」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20200630/01.pdf)

金融庁「NISA 口座の利用状況調査(2020 年 12 月末時点) 」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20210615/01.pdf)

金融庁「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査 (2021 年6月末時点) 」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20211008/01.pdf)

金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/datacollection/index.html)

金融庁「資産運用シミュレーション」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)

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