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【男性向けも】AI・IoT活用のパーソナライズスキンケア市場を狙う企業は?

LIMO / 2021年10月14日 18時45分

【男性向けも】AI・IoT活用のパーソナライズスキンケア市場を狙う企業は?

【男性向けも】AI・IoT活用のパーソナライズスキンケア市場を狙う企業は?

コロナ禍の影響を受けて店舗での対面カウンセリングが難しくなる中で、マスク常用によるトラブルなど肌に関する新たな悩みが増加しました。こうした状況に対応するため、AIやIoTデバイスを用いてユーザーの無料肌診断を行い、その人ごとにパーソナルなスキンケア商品を販売する手法が増えています。

ファンケルやオルビスなどの大手化粧品通販企業は、直営店で培ったカウンセリングノウハウを生かし、肌の分析結果をもとに個人ごとのスキンケア方法や最適な商品を提案。顧客に合わせたパーソナライズ商品を毎月届ける「定期購入」や、店舗への誘導にもつなげたい考えです。

さらに大手だけでなく、自ら企画・製造したオリジナル商品を自社サイトで直販する「D2C」企業もパーソナル化粧品を強化。中には、最近トレンドとなっている男性向けコスメも見られます。

IoTデバイスを使い定期購入を展開するオルビス

オルビスは今年4月から、自宅で肌測定ができる手のひらサイズのIoTデバイスを用いたパーソナライズスキンケアサービス「カクテルグラフィー」を導入しました。

デバイスには肌の水分量を測定するセンサーと、皮脂量・キメ・毛穴の状態を測定するカメラが搭載されていて、AIテクノロジーや同社独自の肌理論を用いて肌状態を分析します。測定結果は潤いやなめらかさ、ハリ・弾力など5項目で示され、現在の肌状態に必要なケア情報がデバイスと連携した専用アプリに届きます。

肌データに加え、専用アプリから取得した天候データや生活習慣データなども含めて総合的に分析し、数百通りの組み合わせから最適な商品をAIが選択。美容液2本と保湿液1本を毎月届ける仕組みで、日々変化する肌データに合わせて商品も毎月アップデートされます。

顧客が季節ごとに自分の肌変化を知ることも目的のため、1シーズン(3カ月)単位の契約が前提の定期購入形式となります。デバイスのレンタル料は、税込で3,300円が初月のみ必要です。

ファンケルは顔写真によるAI肌分析サービスを提供

ファンケルはコロナ感染拡大防止の観点から、直営店舗では肌に触れるカウンセリングを自粛しています。一方で、肌状態を見てほしいという顧客からの要望も多いため、今年9月には非接触型のカウンセリングサービス「AIパーソナル肌分析」を開始しました。

これは質問と顔写真を使ったAIによる肌分析を組み合わせた独自サービスで、全国の直営店舗だけでなく店舗用のアプリでも利用できるものです。

手順としてはまず16の質問に答えてもらい、その結果で肌のタイプを「保湿不足乾燥肌」や「エイジング乾燥肌」など7タイプに分類。さらにAI技術を用いて顔写真を分析し、シミやシワ、キメ、潤いなど6項目の肌状態を測定します。

これらの測定結果からそれぞれの肌指数「素肌美スコア」を算出し、利用者に合ったケア方法や最適なスキンケア製品を提案します。結果は3カ月間保存でき、肌の変化を自分で確認することが可能です。

なお、サービスを利用すると直営店舗でサンプルやクーポンなどの特典を受け取ることができます。アプリでAI肌診断を受けた後に店舗に誘導して最適なパーソナル商品を購入してもらうなど、オンラインと店舗をつなぐツールとして活用していく方針です。

D2Cでは男性向けパーソナライズ化粧品も

スキンケア商品を扱う中規模程度のD2C(消費者直接取引)企業でも、AIによる肌分析は活発です。たとえば、Sparty(スパーティー)の自社ブランド「HOTARU」は、オンライン上のカウンセリング・肌診断により、それぞれの個性や悩みに沿ったパーソナライズ商品を提案しています。

オンライン上で22の質問に回答して顔写真を撮影すると、100万人以上のデータから肌質や生活習慣などをもとにAIが肌の状態を分析・診断してカルテを作成。その人に合うようにパーソナライズされた化粧水と美容乳液を選び、名前入りのカウンセリングカードを付けて毎月届ける定期購入モデルを展開しています。

また、木村拓哉さんを起用したスキンケア商品のテレビCMで知名度が上がった男性用コスメのバルクオムも、ユーチューブ上でフローチャートを使った肌のチェックや診断を行い、肌質ごとのスキンケア方法を提案。さらに、自社サイトでは個人に合ったメイク化粧品を提案する無料サービスを実施しています。

ネット上での質問に回答し顔写真をアップすれば自分の肌色の特徴がわかるサービスで、その情報をもとにAIが肌の特徴を診断。コンシーラーやアイブロウなどメンズ用メイク商品の中から、各ユーザーに適したカラーを選んでくれます。

その人に合うように提案された商品セットは、そのままサイトで購入できます。店舗でメイク化粧品を選んだりスタッフに相談したりということに抵抗感がある男性の悩み解消につながることから、そうしたユーザーのニーズも見込んでいます。

まとめ

長引くコロナ禍のせいで化粧品の対面カウンセリング販売が縮小する中、AIなどのデジタル技術を活用し顧客へのアプローチを図る動きは今後も進みそうです。

パーソナライズ商品は化粧品だけでなく、シャンプーやサプリメント、健康食などでも注目を浴びており、多くのD2C企業が先行して攻勢をかけています。今後は大手企業においても、最先端技術を取り入れたパーソナルサービスが活発化するのではないでしょうか。

参考資料

パーソナライズスキンケアサービス『cocktail graphy(カクテルグラフィー)』(https://corp.orbis.co.jp//dcms_media/other/20210316.pdf)(オルビス株式会社)
肌に触れずにカウンセリング「AIパーソナル肌分析」サービスを開始(https://www.fancl.jp/news/pdf/20210913_AIporsonalhadasinndan.pdf)(株式会社ファンケル)
HOTARU公式サイト(https://hotaru-personalized.com/about/hotaru/)(株式会社Sparty)
バルクオム公式サイト(https://bulk.co.jp/)(株式会社バルクオム)

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