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住宅ローン控除が受けられない?必ず知っておきたい5つの落とし穴

LIMO / 2021年10月19日 19時45分

住宅ローン控除が受けられない?必ず知っておきたい5つの落とし穴

住宅ローン控除が受けられない?必ず知っておきたい5つの落とし穴

住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは、住宅ローンを組んでマイホームの新築・取得・増改築をした場合、原則的に10年間にわたって年末の住宅ローン残高の最大1%が控除される制度です。

しかし「住宅ローンを組んでマイホームを購入すれば控除が受けられる」というのは大きな間違い。また「最大控除額」が控除されるとも限りません。

本記事では、意外と知られていない住宅ローン控除の5つの落とし穴を解説します。

住宅ローン控除が受けられない2つのケース

住宅ローン控除には「自己居住用物件」「所得3000万円以下」など細かな適用要件があります。

これらの要件は満たしている方が多いのですが、次の2つの適用要件は意外と知られておらず、不動産会社の担当者であっても「細かなところまでは知らない」ということも少なくないのです。

1.床面積50㎡未満の住宅

住宅ローン控除には、面積要件があります。

原則的に、対象となるのは床面積が「50㎡以上」の住宅です。ただし、以下の期間内に契約し2022年内に入居した場合は、面積要件が「40㎡以上」に緩和されます。

注文住宅の新築:~2021年9月30日(期間満了)

分譲住宅の取得:~2021年11月30日

40㎡以上50㎡未満の住宅は、合計所得金額が1000万円以下のみの適用です。

ここで気を付けていただきたいのが、床面積の測り方。戸建て住宅は、壁の中心線を想定して計測する「壁芯面積」が床面積となりますが、マンションは壁の内側の線を基準として計測する「内法面積」が床面積となります。

(/mwimgs/0/a/-/img_0a8384b0d298dd9ff6a80630029f06a854409.png)

拡大する(/mwimgs/0/a/-/img_0a8384b0d298dd9ff6a80630029f06a854409.png)

内法面積のほうが面積が小さくなるわけですが、マンションであっても販売図面上の表記は壁芯で計測されている数値であることが多い傾向にあります。つまり、広告上では「50㎡」であっても、内法面積では50㎡に満たず、住宅ローン控除の適用外となる物件もあるのです。

2.耐震性を満たしていない住宅

住宅ローン控除には、住宅の築年数の要件もあります。

築年数の要件が定められている理由は、一定の耐震性能を満たした物件の流通促進を目指してのこと。具体的には、木造などの耐火建築物以外の住宅は「築20年以内」、鉄筋コンクリート造など耐火建築物の住宅は「築25年以内」が住宅ローン控除の適用要件です。

ただし、上記以上の築年数であっても、耐震基準に適合していることが確認された住宅であれば住宅ローン控除の対象となります。

耐震基準に適合しているとみなされるのは、以下3つのうちいずれかの要件を満たしている場合です。

1.耐震基準適合証明書の交付を受けている
2.既存住宅性能評価書で耐震等級1以上の認定を受けている
3.既存住宅売買瑕疵保険に加入している

不動産会社の担当者であっても、住宅ローン控除における耐震性能を満たしている物件かどうかを把握していないケースは少なくありません。

住宅ローン控除が適用になるか否かは、物件選びにも大きく関わる問題。築年数要件を満たしていない物件は、購入前に、耐震基準に適合しているかどうか必ず確認してもらうようにしましょう。

最大控除額が受けられない3つのケース

住宅ローン控除は、原則的に年間最大40万円(長期優良住宅等は50万円)が控除される制度。10年間の控除額は、最大400万円(長期優良住宅等は500万円)と高額です。

2021年度税制改正により、一定の要件を満たした場合は控除期間が「10年」から「13年」に延長されていますので、最大控除額は480万円(長期優良住宅等は600万円)にまで上がっています。

しかし、必ずしも最大控除額が控除されるとは限りません。住宅ローン控除の適用要件を満たしている場合であっても最大控除額が受けられないのは、次の3つのケースです。

1.物件価格が安い

住宅ローン控除の最大控除額は、年間40万円。しかし、この金額とともに「年末住宅ローン残高の1%」という上限も定められています。

つまり、年末の住宅ローン残高が4000万円未満であれば、40万円は控除されません。また、住宅ローン残高は返済していくにつれて減っていきますので、残高が4000万円以下になれば控除額もまた徐々に減っていくことになります。

2.住民税・所得税額が低い

住宅ローン控除によって控除されるのは、所得税と住民税です。

住宅ローン残高が4000万円以上あって、最大控除額である40万円が控除される要件を満たしているとしても、控除する所得税・住民税が40万円以下であればそれ以上は控除されません。

厳密にいえば、住宅ローン控除で優先的に控除されるのは所得税。所得税だけでは控除しきれない分が住民税から控除されますが、住民税の最大控除額は13万6500円と定められています。

よって、住宅ローン控除を受ける人の収入次第では最大控除額が控除できるだけの所得税・住民税を納めておらず、実際に控除されるのは最大控除額とならない可能性があります。

3.消費税非課税の物件

住宅ローン控除は、住宅取得者の金利負担軽減を図るための制度です。これまで最大控除額の変更や控除期間の延長など、さまざまな改正がされてきました。

控除額の増額や期間延長の背景には、段階的に消費税が引き上げられたことがあります。つまり、控除額の増額や控除期間の延長は、住宅取得者の消費税負担を軽減する目的があるということです。

購入時に消費税が課税されない住宅については、年間最大控除額が20万円となり、さらに控除期間延長の対象とはなりません。

新築住宅および不動産会社による再販物件などを除く中古住宅は、消費税が課税されません。消費税が非課税の住宅における住宅ローン控除の最大控除額は、10年間で200万円となります。

住宅ローン控除をよく理解して購入時期や物件を検討するべき

住宅ローン控除は「最大控除額」や「控除期間」がよく取り沙汰されますが、そもそもそれだけの控除が受けられるのか、自分が選ぶ物件でも延長の恩恵を受けられるのかまで知らない方が多いように思います。

現在、住宅ローン控除の期間延長が間もなく終了する時期に差し掛かっており、2022年度からは住宅ローン控除の最大控除額が引き下げられる可能性もでてきています。

しかし、それがどれだけ自分に影響するのか。制度の片鱗だけを知るのではなく、住宅ローン控除制度の本質を見て、購入時期や物件を見定めることが大切です。

参考資料

国税庁「No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm)

国土交通省「住宅ローン減税制度の概要」(https://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/)

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