NISAが2024年から変わる?重要ポイントを解説!
LIMO / 2021年10月20日 18時0分
NISAが2024年から変わる?重要ポイントを解説!
2024年からNISAの制度の中身が変更されることをご存じでしょうか?
既にNISAを活用して資産運用を始められている方、これから始めるにあたってNISAを検討している方も、新制度の把握は重要です。
本日は、10年以上大手金融機関で勤務した経験のある私から2024年から始まる新NISAのポイントを現行の制度と比較しながら解説させていただきます。
現行のNISA制度のポイント5つをおさらい
現行のNISA制度のポイントは以下の5点です。
売却益や配当金・分配金にかかる税金が非課税
通常の証券口座で買付した商品の売却益や配当金・分配金には20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座を通じて購入した場合は、これらの売却益・配当金・分配金が非課税になります。
非課税期間は最長5年間
NISAを通じて購入した商品から生じる配当金・分配金、売却益に関しては、最長5年の間は非課税です。
年間の非課税枠は120万円
120万円×5年で最大600万円の非課税枠が活用できます。
対象商品は株式・投資信託・ETF等
つみたてNISAに比べて対象商品は多くなっていて、投資信託も一部を除いてほとんどの商品が対象になっています。
投資可能期間は2023年まで
現行のNISA制度を活用できるのは、2023年までです。
NISA制度、2024年からどう変わる?
では、現行のNISA制度は2024年からどう変わるのでしょうか?2024年以降の制度変更後における口座開設可能期間は、2024年から2028年までの5年間になっています。
最も大きな変更点は、新NISA制度では以下のように非課税枠が2階建てに変更されることです。
1階部分:非課税枠は年間20万円。投資対象商品はつみたてNISA対象商品と同じ投資信託。
2階部分:非課税枠は年間102万円で投資対象商品は株式や一部のレバレッジ投信を除いた投資信託全般。
この2階建て構造において、一つ注意点があります。
それは1階建て部分の年間20万円のつみたて投資を行わないと、原則的に2階建て部分を活用して投資を行えないのです。
なお、それまで一般NISAを活用するなどして投資経験がある人は、届け出をすることで、2階建て部分から投資を行えますが、その場合、投資対象商品は株式に限られてしまうという制限があります。
投資経験者でも、2階部分で投資信託を購入したい場合は1階部分の積立投資を行わないといけない仕組みになっています。
この制度変更の背景には、国が長期分散投資での資産形成を国民に促したいという意向が反映されているといえるでしょう。
また、現行のNISA制度と同じで非課税期間は1階2階部分ともに5年間で、1階部分に関しては、非課税期間終了後につみたてNISAに移行可能です。
このように、新NISA制度は、2階建てに変更されたり、制約が追加されたりと、結構複雑で難しい制度内容になっていますよね。
新NISA制度で運用を始める場合は、今一度制度内容を確認することをお勧めします。
2024年からの新NISA制度で得する人は?
それでは、2024年から始まる新NISA制度において、活用することにメリットがある人はどういう人なのでしょうか?
私見ですが、新NISA制度でメリットがあるのは、大まかに下記の2通りの方です。
既に通常NISA口座で投資を行っている人
既に通常NISA口座で投資を行っている人は、2019年以降に購入しNISA口座で保有している株や投資信託を新NISA口座にロールオーバーできるため、最大で10年間、非課税期間を延長することができます。
新たに投資を始めるが株にも投資をしたい人
つみたてNISAだと株式は投資対象商品から外れますので、株式投資を行いたい方は新NISA口座を活用する必要があります。新NISA制度ではあわせて積立投資も行えますので新制度を活用するメリットは大きいでしょう。
逆に、投資を始めるにあたり積立投資を検討されている方は、新NISA制度を使わずに最初からつみたてNISAを活用することをお勧めします。
つみたてNISAは非課税期間が20年間あり、非課税枠も年間40万円あるのに対し、新NISAはつみたて投資の枠は年間20万円で、あとでつみたてNISAにロールオーバーできるとはいえ、原則非課税期間は5年間です。
はじめから長期積立投資を検討されている方かつ、現時点で投資未経験の方は、つみたてNISAから始めるのが得策だと思われます。
新NISA制度は、あくまで今まで短期投資しか考えていなかった人達にも幅広く長期積立投資を行ってもらうための啓蒙活動の一つとして捉えるのが妥当でしょう。
新NISA制度活用に関して不安がある場合は?
新NISA制度に関して、現行NISA制度との違いや、新NISA制度を活用するメリットがある方の特徴についてご説明しました。
とはいえ、説明を読んだだけでは実感がわかないという方も多いと思います。投資はまずは始めてみることが大事です。始めることで、色々なことが分かってくることがあるからです。
ただ、始めるにあたって二の足を踏んでしまうことも多いと思います。不安な方は、まず書籍などで情報収集から始めてみることをおすすめします。
参考資料
金融庁「NISAの概要」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html)
金融庁「令和2年度税制改正について」(https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/zeikaitaiko01.pdf)
金融庁「つみたてNISAの概要」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)
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