子どもを教育で潰さないために「夫婦の役割分担」が必要な理由
LIMO / 2021年10月26日 19時15分
子どもを教育で潰さないために「夫婦の役割分担」が必要な理由
小学生以上の子どもがいる親にとって、常に頭を離れないのが教育に関する問題ではないでしょうか。学校での勉強、習い事先での様子や塾のクラス分けなど、学年が上がれば上がるほど「うちの子はどうなのだろうか」と気になるものです。
一般的には母親の方がアレコレと勉強面の心配をするイメージがありますが、最近は教育熱心なお父さんも珍しくありません。塾の説明会に夫婦で参加することも、ごく普通の光景になっています。
子どもの進路に親が関心を抱くのは自然なことですが、夫婦そろって同じように教育に情熱を注ぐのは必ずしもプラスに働きません。中には、家庭という密室で親から追い詰められて心を壊す子どもいます。そうならないために、ある程度夫婦間で役割を決めておくと、行き過ぎた言動に歯止めをかけるブレーキになります。
子どもの逃げ場をつくる
毎日親から勉強についてガミガミ叱られて嬉しい子はいません。自分でもこのままではいけないと思っているのに怒られてヘコむ。やる気が出ないところに嫌味をいわれてさらにやる気を失う…。しかも両親から口々に「もっと勉強しなさい!」「遊ぶ暇があれば勉強しろ!」と言われると、子どもは負のスパイラルに陥りやすくなります。
親には、勉強しないと進路や進学の選択肢が狭まってしまうという危機感があります。つい口すっぱく小言をいうのは子どもを思ってのことですが、子どもが親の顔色をうかがうようになってしまうと、勉強に身が入りにくくなるものです。
さらに、常に両親の監視下に置かれていると、家庭での居場所がなくなり孤独感にさいなまれ、心を閉ざしてしまっても不思議ではありません。結果的に勉強への意欲が低下するような状況にならないためにも、夫婦が同じ熱量をかけるのではなく、話し合いをして「熱い」「ぬるい」など、それぞれの温度設定しておきましょう。
親の片方が勉強に口うるさくなければ、子どもは逃げ場を確保できます。また、日頃から教育について話し合いをしていると、夫婦間で問題点や接し方の改善を考える機会にもなります。ただ、どちらが逃げ場担当になっても、単に子どもを甘やかすのではなく、「リフレッシュさせて自分と向き合えるようにする」のを意識することが大切でしょう。
客観的に意見を言える人が必要
親子が進学や進路でケンカすることは珍しくありませんが、夫婦ともに教育熱が高いと自分たちの考えや理想を押し付けてしまうことがあります。もしくは子どもそっちのけで、子どもの成績が上がらないのは母親のせい、父親のせいと非難合戦になる夫婦もいます。
夫婦でいがみ合いになれば当然、家庭の雰囲気が悪くなり、子どもに悪影響を及ぼします。教育に関しては責任を押しつけ合うのではなく、チームプレーを意識することが大切です。その点、関与の仕方を夫婦間で決めておくと、「熱く意見をいう」大人と「冷静に進学や進路をアドバイスする」大人が家庭にいることになります。
人生を左右する場面では、冷静に判断できる人間がいると子どもにとって大きな精神的支えになります。一方、両親ともにヒートアップしていると、子どもは「父親も母親も自分のことを分かってくれない」と本音を打ち明けられず、親子関係が気まずくなるなど、ほとんどメリットはありません。
もちろん、進学や進路に意見するには、日頃から子どもの教育に相応の関心を持っている必要があります。役割を分担すると言っても、「教育に一切口出しをしない」とか「関心を持たない」スタンスでは、子どもから「今さら何を言ってくるの?」と冷たくあしらわれてしまいます。
テストの結果や成績の推移、または希望する進路をある程度把握していなければ、何を言っても子どもの心に響きません。一方、普段は口うるさく言わないけれど、ここぞという時は意見をして子どもに考えさせる、というのは効果的でしょう。
大切な我が子だからこそ
子どもの教育に関して夫婦間で考え方があまりにも違うと、衝突が増えて家庭不和になりがちです。一方、2人して子どもを追いつめてしまうと、近年問題視されている教育虐待につながりかねません。
また、勉強は子ども任せという家庭でも、受験学年が近づくと手のひら返しで「勉強してるの!?」と態度が豹変する親も少なくありません。こうした親の態度は子どもを混乱させ、反発を招いてしまいます。
常日頃から子どもの成績や勉強の様子を把握しつつ、夫婦のどちらかがよく声をかけて一方は控えめに関わるようにしていくことが、家庭内で波風を立てず、子どもを潰さない方法なのではないでしょうか。
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