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離婚前の別居問題。専業主婦が「夫に内緒でもちたい・知っておきたい」お金の話

LIMO / 2021年10月25日 18時0分

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離婚前の別居問題。専業主婦が「夫に内緒でもちたい・知っておきたい」お金の話

少し前にコロナ離婚という言葉が流行しました。新型コロナウイルスは、それまで見えなかった夫婦の価値観の違いが浮き彫りになる一つのきっかけとなったことでしょう。

離婚を考える際、その第一歩となるのが別居です。ただ女性の場合、結婚時は正社員やフルタイムで働いていても、離婚前は専業主婦や扶養内パートという方もいますよね。厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、離婚前に就業している母は75.8%。そのうちパート・アルバイトが半分以上を占めます。

身動きをとりにくい専業主婦や扶養内パートの方は、簡単に別居へ踏み切れない場合もあるでしょう。今回は離婚前の別居に関わるお金についてみていきます。

別居できるお金はある? 離婚前の母親の就業状況とは

離婚前には、離婚事由となる問題がある中で話し合いをすることになります。ただ、同居しながらではうまく話し合いにならないケースもあります。時には弁護士が間に入ったり、調停や裁判となったりすることもあるでしょう。

その場合、離婚へ向けて第一歩となるのは別居ですが、理由があり実家に戻らない方もいます。離婚前は公営住宅には入居できない場合が多い(DV被害者は離婚手続前でも申し込める場合が多い)ため、基本的に賃貸に住むことになります。

賃貸で別居となると、引越し費用や敷金・礼金、家賃などが必要になるでしょう。荷物量や距離、家賃、地域などにより差がありますが、初期費用として50万円ほどは別居費用として用意しておきたいですね。

ただ、専業主婦であったり家計に余裕がなかったりすると、この金額が用意できない場合があります。先ほど離婚前に就業している母親は75.8%でしたが、詳しい就業状況をみてみましょう。

ひとり親世帯になる前の母親の就業状況 

就業している母親:75.8%

パート・アルバイト等: 54.7 %

正規の職員・従業員: 32.1 %

自営業:3.7%

派遣社員:2.9%など

働いている母親はパート・アルバイトが多いですね。働いていない母親も約24%いると考えられます。

同調査では、母子世帯になったときの母親の平均年齢は33.8歳で、末子の平均年齢は4.4歳。子どもが未就学児だと体調を崩しやすく手もかかるため、専業主婦や扶養内で働く方も多いですよね。

乳幼児を抱えた母親自身の収入はどれくらいでしょうか。

2021年10月19日に公表された、明治安田生命が0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女1100人(女性は550人。うち、共働き330人・専業主婦220人)に行った「子育てに関するアンケート調査」では、子育て中の女性の平均収入は163万円でした。

今は1人で育児を行うワンオペ育児のため、女性が仕事を辞めたりセーブしたりする家庭が多いでしょう。ブランクがあり、さらに小さな子の育児と仕事の両立となると、仕事面では厳しいのが現状です。

離婚後の母親の就業状況は?

お金もないし、働けないかもしれないから離婚を諦めるしかないかも…」と思われる方もいるかも知れません。実際に厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」より、離婚後の母親の就業状況を見てみましょう。

ひとり親の母親の就業状況と、ひとり親になる前に仕事に就いていなかった母親の離婚後の就業状態をみていきます。

ひとり親の母親の就業状況

正規の職員・従業員: 44.2 %

パート・アルバイト等: 43.8 %

派遣社員:4.6%

自営業:3.4%など

ひとり親の母親の就業状況は、正規の職員や従業員とパート・アルバイトが同程度です。

離婚前に働いていなかった母親の就業状況はどうでしょうか。

ひとり親世帯になる前に不就業だった母親の調査時点における就業状況

就業者:68.2%

パート・アルバイ ト等:49.4 %

正規の職員・従業員:40.9%

派遣社員:4.5%

自営業:1.8%など 

約7割が離婚後に就業しています。およそ半分がパート・アルバイトで、約4割が正規の職員・従業員になっていますね。ハローワークのマザーズコーナーなどでは、育児中でも両立しやすい仕事の紹介などの支援が行われています。

別居費用の50万円は、できれば離婚前の自分の貯金があるといいですね。用意できない場合は、固定費の見直しなどで節約をするのも一つ。離婚後に備えて、まずは一時保育や保育園に預けたり、在宅ワークやパートを始めたりするのもいいでしょう。

別居後の生活費は、婚姻費用も活用を

引越し費用が用意できても、別居後は毎月家賃がかかります。仕事探しや保育園探しを検討するのと同時に、夫から「婚姻費用」をもらうことも覚えておきましょう。法律上、夫婦は互いに生活を助け合う「扶養義務」があります。そのため、別居中でも「婚姻費用」として生活費を分担する必要があるのです。

裁判所の「婚姻費用算定表」により、婚姻費用の金額は決められています。2019年12月23日に公表された改定標準算定表(令和元年版)から、専業主婦とパートの方に分けて月々の婚姻費用の例を見てみましょう。

夫が会社員(年収500万円)・妻が専業主婦・子ども2人(2人とも0~14歳)の場合

月12~14万円

夫が会社員(年収500万円)・妻がパート(年収100万円)・子ども2人(2人とも0~14歳)の場合

月10~12万円

上記のお金と合わせると、生活しやすくなるでしょう。ただ同時並行で仕事探しをしたり、雇用の安定へ向けての努力をしたりしたいですね。

中には、婚姻費用を貰えない方もいます。その場合、「婚姻費用の分担請求調停」を申し立てるといいでしょう。申立費用は「収入印紙1200円分と連絡用の郵便切手」。話し合いがまとまらず調停が不成立になった場合は、裁判官が必要な審理をおこない審判によって結論が出ます。

婚姻費用はさかのぼって請求できますが、「婚姻費用の分担請求調停」を申し立てた月までしか遡れないケースも多いです。調停はおおごとだと思われることもありますが、離婚にはさまざまな手続きが必要ですし、生活の基盤となるお金のことです。今後ひとりで生きていくためにも、こういった手続きをふむことも検討してみましょう。

まずは第一歩となる50万の用意を

離婚を考える際、まず50万円が用意できると安心でしょう。できればこの金額は、婚姻中でも前もって「自分のお金」として持っておくと心強いですね。

専業主婦から50万円を用意するには、はじめは仕事面・育児面ともに不安になることや、体力的に大変なこともあります。ただそこで行った節約や保育園探し、在宅ワークやパートでの仕事は、だんだんと自分の自信や力となっていくことでしょう。

特に子育て中は、スローステップで十分ですから、一歩ずつ前に進む方法を考えてみてくださいね。

参考資料

厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188147.html)

明治安田生命「明治安田生命 子育てに関するアンケート調査を実施 」(https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2021/pdf/20211019_01.pdf)

厚生労働省「マザーズハローワーク事業」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21046.html)

裁判所「養育費・婚姻費用算定表」(https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html)

裁判所「婚姻費用の分担請求調停」(https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_03/index.html)

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