【日経平均】一時2万9000円台回復も伸びは続かず。円安傾向は一服か
LIMO / 2021年10月25日 8時15分
【日経平均】一時2万9000円台回復も伸びは続かず。円安傾向は一服か
【日経平均株価】テクニカル分析 2021年10月24日
中国恒大集団の懸念が後退し、小幅に反発
2021年10月22日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より96円27銭高の2万8804円85銭でした。
この日、午前中に中国恒大集団が米ドル債の利払いを行ったと伝わりました。23日に猶予期限が迫っていましたが、利息送金ができたことから市場には安心感が広がりました。
ただ、日経平均は当日、一時300円近く上げる場面があったものの、上値は重く、小幅な反発で終わっています。
今週の動きはどうなるでしょうか。米企業の2021年7~9月期の決算が本格化していますが、好業績の企業が増えています。米国では、新型コロナウイルスの感染者数が9月半ばから減少傾向に転じ、経済活動再開への期待も高まっています。
こうしたことから、投資家の資金もリスクオンの流れとなっています。実際、22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比73ドル94セント高の3万5677ドル02セントとなり、8月16日以来2カ月ぶりに過去最高値を更新しました。日本株も週初から連れ高になることが期待されます。
足元では米長期金利が上昇し、一時は約5カ月ぶりとなる1.7%台をつけていました。2022年の利上げを想定した動きと思われますが、すでに織り込み済みという見方もあります。
為替相場は一時、1ドル=114円台後半を付けましたが、週末には113円台となるなど急速な円安は一服感があります。ただし、原油価格高騰が続くなど資源・資材価格の上昇から、中長期的な円安基調は続きそうです。
国内では31日、衆院選の投開票が行われますが、ここにきて与党自民党が議席を減らすのではないかといった観測が広がっています。
与党が過半数(233議席)を割ることはないでしょうが、改選前に比べて大幅に減らすようであれば、失望売りにつながります。特に海外の投資家はそのあたりに敏感なので注意が必要です。
国内でもこれから7~9月期の決算企業決算が相次いで発表されます。決算の内容や衆院選の結果を見極めたいと、今週は様子見傾向になるかもしれません。
なお、28日には米国7〜9月期国内総生産(GDP)、29日には米国9月個人消費支出も発表されます。経済活動の回復を確認する上でも注目されそうです。
2万9000円付近で一進一退。75日線、200日線は回復
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は大きく上昇し、75日移動平均線、200日移動平均線を回復、さらに心理的節目となる2万9000円台も回復しました。
先週はこの2万9000円台を維持できるかどうかがポイントでしたが、実際には週初から続伸し、週半ばの20日には終値ベースで2万9255円55銭まで上昇しました。9月30日以来、約3週間ぶりの高値です。
ところがその後は伸びが続かず、逆に翌21日には大きな陰線となって下落。200日線も割り込んでしまいました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。10月6日の安値(2万7293円)を境に足元で急反発したことから、短期的には上昇一服といったところです。
ただ、週末には窓をあけて下落して寄り付いたものの、75日線付近で下げ止まると逆に陽線となって引けています。200日線も回復しました。今週以降、ここから再度反発する動きになるのではないかと期待されます。
上値メドとしては、心理的節目となる2万9000円、10月20日の高値(2万9489円)あたりになるでしょう。75日線、200日線で下値がサポートされていることが確認できれば、積極的に付いていきたいところです。
逆に、今週、75日線や200日線を再度割り込むようなことになると警戒が必要です。ただし、足元の押し安値である10月6日の安値(2万7293円)までは距離があるため、75日線や200日線を再度割り込んだとしても、つるべ落としのように下落するのは考えにくく、しばらくはもみ合いになると思われます。
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