国民年金と厚生年金の違いは?ひと月の受給額・分布図も確認
LIMO / 2021年10月28日 6時0分
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国民年金と厚生年金の違いは?ひと月の受給額・分布図も確認
老後資金に漠然とした不安を抱えつつも、年金について明確に把握していないという方もいるでしょう。年金のみでは生活できないといわれる老後ですが、まずは生活の柱となる公的年金の額を把握しておくことが大切です。
今回は国民年金と厚生年金について、その制度や今のシニア世代の受給額の違いをながめていきます。自分はどちらの年金を受給するのか、今のシニア世代はひと月どのくらい受給しているのか、老後について考えていきましょう。
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年金制度の基本を確認!
日本の年金は2階建てと言われており、その1階部分が「国民年金」、2階部分が「厚生年金」になります。
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「国民年金」は、原則20歳以上60歳未満方が加入するもの。将来国民年金を受給する方は、自営業やフリーランス、扶養内で働くパート、専業主婦の方などです。
一方の上乗せ部分である「厚生年金」は、加入月数や収入に応じて将来受け取る金額に差があります。会社員や公務員、パートでも一定条件を満たした方が加入します。
今のシニア世代の「国民年金」の受給額は?
それではさっそく、厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」をもとに、今のシニア世代のひと月の国民年金受給者の分布を見てみましょう。
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国民年金 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
〈男子〉平均年金月額:5万8866円
~1万円未満:1万2693人・1万円~2万円未満:6万803人・2万円~3万円未満:22万1983人・3万円~4万円未満:70万6206人・4万円~5万円未満:134万5582人・5万円~6万円未満:312万4529人・6万円~7万円未満:849万4551人・7万円以上:38万1323人
〈女子〉平均年金月額:5万3699円
~1万円未満:6万6247人・1万円~2万円未満:24万4695人・2万円~3万円未満:74万63人・3万円~4万円未満:226万4161人・4万円~5万円未満:336万406人・5万円~6万円未満:454万1337人・6万円~7万円未満:598万7227人・7万円以上:144万306人
国民年金の満額(月額)は6万5075円です。
平均額を見ると、およそ1万円少ないとわかります。ただ分布を見ると、6~7万円台が多い結果となりました。
今のシニア世代の「厚生年金」の受給額は?
それでは同調査をもとに、今のシニア世代の厚生年金の受給額をながめましょう。
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厚生年金保険(第1号)男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
〈男子〉平均年金月額:16万4770円
~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人・10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人・20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人・30万円以上:1万7626人
〈女子〉平均年金月額:10万3159円
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人・10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人・20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人・30万円以上:379人
厚生年金の受給額の平均は約14万円。男女で見ると、約6万円の差があります。これは女性は育児や介護により、離職する方が多い傾向にあるのが一因でしょう。
1万円未満から30万円以上まで、個人差に開きがあるのも特徴です。自分の場合はいくらくらいだろう、と悩ましいところですね。
今回ご紹介した分布は今のシニア世代のため、現役時代が受給するころには、少子高齢化の影響もあり今より年金額が少なくなる可能性があります。
まずは毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」をみてみましょう。50歳未満の方には「今までの加入実績に応じた年金額」が、50歳以上の方には「老齢年金の種類と見込額」が記載されています。
現役時代の働き方別、年金の平均額は?
他にも一つの目安として、日本年金機構が老齢年金の受給者5万5000人に調査した「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計)」から、今の65歳以上の現役時代の働き方別の年金額を見てみましょう。
【現役時代の経歴類型別】老齢年金受給者の公的年金の平均月額
正社員中心:16万6000円
常勤パート中心:9万円
アルバイト中心:8万1000円
自営業中心:8万2000円
収入を伴う仕事をしていない期間中心:9万1000円
中間的な経歴:9万2000円
※「正社員中心」…20~60歳の間のうち、20年を超えて正社員だった方(他も同様)。
※「中間的な経歴」…いずれの職歴も20年以下だった方。
働き方により差があり、最も多いのは正社員中心で働かれた方です。その他の経歴では、月10万円以下だとわかります。正社員以外の方は、早いうちから老後資金の準備を始めておくと安心でしょう。
年金額が少ない!どうする?
想像していたより年金が少ないかも……という方は、不足する金額を補ったり、貯蓄を増やしたりするようにしましょう。
たとえば60歳までに老齢基礎年金の受給資格である10年を満たしていない方や、老齢基礎年金の受給予定額が満額に達していない方は、「任意加入制度」を利用して60歳以降も国民年金に加入することで、65歳以降の年金額を満額に近づけることができます(ただし60歳以降も厚生年金に加入していると利用できません)。
また、国民年金の第一号者と任意加入被保険者は、月額400円の「付加保険料」を納付することで、「200円×付加保険料納付月数」の付加年金が老齢基礎年金に上乗せされます。納付した保険料は2年ほどで取り戻せる制度なので、利用を検討されても良いでしょう。
自分で運用して年金を作る、iDeco(個人型確定拠出年金)という制度もあります。iDecoは通常20.315%かかる運用益が非課税になる制度。元本割れのリスクがあり、受給できるのは運用成績次第になりますが、長期間かけてコツコツと積立てを行うことでお金を増やす可能性を上げられます。
他にも国民年金のみの方は国民年金基金で上乗せをしたり、働き方を変えて厚生年金に加入したりする方法があります。どの方法が自分に合っているか、ライフプランとあわせて考えてみてくださいね。
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参考資料
厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)
厚生労働省年金局数理課「公的年金受給者に関する分析-配偶者の状況と現役時代の経歴(就労状況)からみた年金受給状況-」(https://www.mhlw.go.jp/content/koutekinenkin_jukyusha_202106.pdf)
日本年金機構「任意加入制度」(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html)
日本年金機構「付加年金保険料の納付のご案内」(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150331-03.html)
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