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「猫はお金がかからない」のは昔の話!猫を飼うための費用を獣医師が解説

LIMO / 2021年11月7日 18時35分

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「猫はお金がかからない」のは昔の話!猫を飼うための費用を獣医師が解説

“猫ブーム到来”とも言われるようにここ数年で猫の人気が一気に高まり、テレビやSNSでも猫を見ない日がないぐらいですね。これを機に新しく猫を飼い始めたというお家も少なくないのではないでしょうか。

新しく家族が増える楽しみがある一方で避けて通れないのがお金のこと。今回は猫を飼うと必要になる「お金」についてお話ししたいと思います。

猫を飼い始めると幸福度が上がる?

猫との暮らしについてのある調査によると、99.7%の人が猫を飼い始めて幸福度が高まったと回答し、猫と暮らし始めて健康になったという人も過半数という結果でした。

ここだけを見ると、猫と暮らすことは幸福になるだけでなく健康にもなり、良いこと尽くしのように見えますね。

しかし現実的なことにも少し目を向けてみましょう。猫に限らず命を飼うということは、その命に対する責任を持ち、それに伴いお金もかかるということです。すぐに思いつくだけでもフード代にケアグッズ、医療費など考え出したらキリがありませんね。

昔から猫はあまりお金がかからないペットと言われることもありますが、本当にそうなのでしょうか?猫との生活にかかるお金について実際の具体的な金額を見ていきましょう。

猫を飼う時にかかる年間支出とは?

「家庭どうぶつ白書」(アニコム損保)によると、猫にかける年間支出の合計は16万4835円、つまり約16万円となっています。

その中でもフード代やおやつ代などの食費が高い割合を占め約4万円、その次に占めるペット保険料として約3.5万円、ケガや病気の医療費として約3万円となりました。これはあくまで全年齢の猫を対象にしたものなので当然年齢によってかかってくるお金も変わってきます。

特に医療費に関しては高齢になり歳を重ねるにつれて必要になるものです。年間にかかる平均医療費を見てみると、0歳齢では約1万9000円ですが、1〜2歳齢では約1万3000円と少し落ち着きます。一方でそれ以降の年齢では歳を重ねるとともにかかる医療費も増加傾向にあり、12歳齢では約7万8000円です。

これはあくまで平均金額なので12歳でも健康で医療費がかからない猫もいれば、CTやMRIといった特殊な検査や大きな手術などで思わぬ高額な医療費がかかることもあります。

また、医療費は年々増加傾向にありますが、これには猫の平均寿命も関係していると言われています。平成の初期では平均寿命が10歳にも満たず、それだけかかるお金も少なかったのですが、現在では約16歳と飛躍的に延びています。獣医療や住環境の発展によりこれからも延びてくると予想されるので、かかるお金もさらに増えていきそうですね。

そのほかにも、猫も家族の大事な一員として考えられるようになり「より良い医療を受けさせてあげたい」という飼い主の気持ちの変化もあるようです。ワクチン接種が当たり前になり、調子が悪そうであれば動物病院に相談をする、そう考えると決して「かからない」ことはないですね。

「猫にお金がかからない」と言われた理由

ではなぜ猫にお金がかからないと言われていたのでしょう?それは昔ながらの猫の飼い方からきています。かつては飼い猫であっても外に出るのがまだ当たり前で、気ままに家に帰ってくる。こういった飼い主に依存しないスタイルで飼われることが多かったので、あまりお金もかからなかったようです。

そういった時代と比べると現代では、猫の食費や保険料、医療費などが格段にかかるようになってきました。ペットショップに行くと所狭しとたくさんの種類のキャットフードが並び、中には原材料にこだわったヒューマングレードのものさえあります。

ペットが保険に加入するようになり、充実した医療を受けさせるようになったのもここ最近の話で、こういった猫との生活を取り巻く環境が大きく変わるにつれてかかるお金も増えてきました。

飼い猫の病気やケガ……「もしも」の時に備えるには?

ここまでのお話しからからもう一度、「猫とお金」について考えてみましょう。平均では年間16万円となっていますが、あくまで平均です。命ある動物を飼う以上はどんなケガや病気がいつ何時起こるかわかりません。もしかすると一回の治療や検査で16万円以上必要になるかもしれません。

ちなみに筆者は過去に飼い猫の手術と入院で100万円近くかかったこともあります。しかしここで大切なのはお金のことばかり考えて悲観的になることではありません。では、もしもの場合に備えて何ができるでしょうか?

日常の生活の中で健康を維持するためにできることはたくさんありますが、お金の面から考えるとまずはペットのもしものための貯金やペット保険への加入などを検討してみましょう。また定期的に健康診断を受けることで病気を早期に発見できれば、治療費があまりかからずに済むかもしれません。

猫を飼うにはお金がかかるというネガティブなことばかりお話してきましたが、猫との生活は多くの幸せをもたらしてくれるとても良いものです。ただ安易な気持ちで飼い始め、かかるお金のことを考えていなかったとなると飼う主も猫も不幸になってしまいます。ぜひ、一度立ち止まって命を飼うということをよく考えてみてください。

参考資料

アニコム損保「家庭動物白書」(https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2020/news_0210323.html)

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