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子どもの学力差は家庭の乱れた生活が原因? 文部科学省のデータからみえる現実

LIMO / 2021年11月20日 18時45分

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子どもの学力差は家庭の乱れた生活が原因? 文部科学省のデータからみえる現実

文部科学省は、育児に対する不安を抱えている保護者への家庭教育支援を2013年度から本格的にスタート。その支援は年々広がりをみせています。

また、食育基本法が2007年に成立。農林水産省による食育の啓蒙活動も行われるなど、国による包括的な家庭支援が10年あまりにわたって続いています。

経済力による学力差が問題視されて久しいですが、国が率先して家庭教育や生活習慣に関する学校での指導に力を入れている背景には、子どもの生活リズムと学力に密接な関連があるとされているからです。

学校で朝食を食べようという指導が行われる時代

昭和から平成初期に小学生を過ごした方は、学校の先生から「早寝早起きをしよう」と言われることがあっても「朝食をしっかり食べてくるように」という指導を受けた記憶はあまりないと思います。まして学校から立派な冊子を渡されて、「ご両親に見せてね」と声をかけられることなどありませんでした。

家で朝ご飯を食べて学校に行くことは当たり前のことで、寝坊した子どもが食パンをくわえて慌てて家を飛び出すのは漫画やアニメの話。それでも、朝食を食べるという前提があればこそのシーンです。

しかし、現在では毎年のように「早寝早起き朝ごはん」の大切さを学校で教えています。文部科学省も家庭教育に特化したサイト「子供たちの未来をはぐくむ家庭教育」を設置するなど力を入れています。

「早寝早起き朝ごはん」と学力の関係

こうした当たり前のようなことを学校で指導しているのには理由があります。文部科学省が実施している「全国学力・学習状況調査※」の結果で、学力と生活リズムが関係していることが浮き彫りになっているからです。

※令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大により中止

「平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査」の小学6年生の結果をみてみると、就寝、起床、朝食摂取で規則正しい生活習慣をしている子どもと、全くしていない子どもの国語・算数の平均正答率は、以下のようにどれも15%ポイント以上の開きがあります。

<就寝リズムと平均正答率の関係:毎日、同じくらいの時刻に寝ているか>

国語の平均正答率:「している」66.2%、「全くしていない」47.4%

算数の平均正答率:「している」68.6%、「全くしていない」53.2%

<起床リズムと平均正答率の関係:毎日、同じくらいの時刻に起きているか>

国語の平均正答率:「している」65.5%、「全くしていない」43.1%

算数の平均正答率:「している」67.9%、「全くしていない」49.4%

<朝食摂取と平均正答率の関係:朝食を毎日食べているか>

国語の平均正答率:「毎日食べている」65.6%、「全く食べていない」45.3%

算数の平均正答率:「毎日食べている」68.1%、「全く食べていない」51.6%

たとえば国語の場合、「朝食を毎日食べていますか」に対して「毎日食べている」と回答した児童の平均正答率は65.6%、「全く食べていない」と答えた児童は45.3%と、その差は20ポイント強もあります。

家庭力向上は子ども時代からの意識改革が必要

生活リズムによる正答率の差は、平成31年度(令和元年度)だけではなく継続的にみられる傾向です。つまり、子どもの学力を向上するには生活リズムを整えることが不可欠といえるでしょう。

しかし、核家族化はもちろんのこと、職種によっては勤務時間が多様になっており「親に合わせていれば子どもも自然と生活リズムを作れる」とはいかない時代になりました。親が意識して子どもの生活リズムを整える必要があるわけですが、残念ながらそれを放棄してしまうケースも少なからずあります。

自分が育ってきた環境と同じように子育てを行い、それが世間一般とはズレていると認識しないままでいることもあります。子どもを虐待する親自身が非常に複雑な環境下で成長したことは珍しくなく、子どもの育て方が分からないという親もいます。

いずれにしても、大人になってから意識を変えるのは難しいことです。親になった後で食育や子どもが規則正しい生活を送ることの大切さを学んだとしても、即効性は期待できません。

文部科学省や農林水産省による啓蒙(けいもう)活動が児童生徒向けに行われているのも、長期的に学ぶことで次世代へ正しい生活習慣が定着することを期待しているからです。

学校教育の場では、生活習慣による正答率の違いを児童生徒向けの啓蒙に積極的に利用している節はありませんが、上記のような大きな差は衝撃的な数値であり、それを知れば子どもたちの心に残るはずです。

一見、劇薬のようにみえるかもしれませんが、全国規模の調査を活用して生活の乱れは学力に悪影響を及ぼすことを保護者や児童生徒に伝える取り組みをしていくことが、根本的に生活を見直すきっかけになるとも考えられます。

すぐに結果は出ないけれど

子どもの生活習慣は親の影響が大きく、他の家との違いや問題点に気がつかないまま成長してしまいがち。「朝食を食べよう!」といったキャンペーンや指導は、朝ご飯を毎日食べている子どもや親からすると当たり前でわざわざやる必要がないようにも感じます。

しかし、学校が積極的に児童生徒に啓蒙活動をしていくことで、リズムが乱れている子どもが問題点を意識する機会になるはずです。地道な活動ですが、長い目で見れば家庭力や学力のボトムアップにつながる重要な取り組みといえるのではないでしょうか。

参考資料

子供たちの未来をはぐくむ家庭教育(https://katei.mext.go.jp/index.html)(文部科学省)

見てみよう 教育「早寝(ね)早起き朝ごはん」って知ってるかな?(https://www.mext.go.jp/kids/find/kyoiku/mext_0020.html)(文部科学省)

食に関する子供の基本的な生活習慣の状況(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/r1/r1_h/book/part2/chap1/b2_c1_1_01.html)(農林水産省)

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