ポール・マッカートニーも提唱の「ミートフリーマンデー」にみる「第4の肉」の大豆の世界と国内事情とは
LIMO / 2021年11月20日 19時15分
ポール・マッカートニーも提唱の「ミートフリーマンデー」にみる「第4の肉」の大豆の世界と国内事情とは
COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)もあり、気候変動に対する各国の施策などが注目されています。その中でも地球温暖化の取り組みは様々な観点から行うことができますが、私たちの食生活からも参加することができます。
ミートフリーマンデーとは何か
元ビートルズのポール・マッカートニー氏も提唱する「ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)」では、「私たち一人一人が、『週に一日だけ採食を実践する』ことで、地球温暖化を食い止め、かけがえのない資源を守り、多くの動物の命を助け、そして、より健康な身体を手に入れることができる」としています。
では、肉の消費量を減らすことで、本当に私たちは地球温暖化防止に貢献することができるのでしょうか。
環境白書でも肉類の消費による地球温暖化が指摘、第4の肉の活用法
環境省の「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」でも以下のように指摘されています。
肉類、穀類、乳製品の順でカーボンフットプリントが高く、特に肉類は少ない消費量に対して、全体の約1/4を占めるほどの高い温室効果ガス排出原単位となっています。肉類は飼料の生産・輸送に伴うCO2排出に加え、家畜の消化器からのメタン(CH4)発生等から、その他と比較して高い排出原単位となっています。
このように、今後、「第4の肉」とも呼ばれる大豆を活用して、私たちの食生活における肉類の比重を減らし、穀類を増やしていくことで温室効果ガス(GHG)を減らすという試みが増えてくるかもしれません。
果たしてそのようなことが可能なのか、ということになりますが、文部科学省「日本食品標準成分表2020年(八訂)」によれば、可食部100グラム当たりの主要成分割合において、大豆(国産、乾燥)は、たんぱく質の割合が3割を超えているのに対して、豚肉(ひき肉)は2割を下回っています。
当該グラムにおいての豚肉のほとんどは水分となっており、乾燥の大豆と生肉の豚肉の比較はフェアではないですが、いずれにせよ大豆のたんぱく質の割合はそれ以外の炭水化物や資質をも上回っています。
国内と世界の大豆需要動向
2021年11月に農林水産省から発表された「大豆をめぐる事情」によれば、国内の大豆の需要量は、中期的に増加傾向で推移しており、令和2年度は約350万トン。その中でも、食品用については、近年、増加傾向であり、令和2年度は約105万トンとなっています。
国内需要は「増加傾向」という中でも、大きく言えばほぼ横ばい。それに対して世界の大豆需要は、長期的に増加傾向です。
世界の大豆の消費量は、3.6億トンとなっており、そのうち中国の消費量の伸びが著しくなっています。中国の消費量は約1億トンと、世界の消費量の約3割を占めています。
世界の大豆消費のうち、約9割の3億トンは搾油用等の生産に、約1割が食用や飼料用などに充てられており、今後、肉類から穀類に消費がシフトする傾向が出てくれば、食用増に対する生産増も必要となります。
まとめにかえて
このように、気候変動を抑えるために地球温暖化防止策として様々な策が今後も講じられていくと思いますが、その中でも私たちにとって身近な食生活も今後は少しずつ変化していく可能性も高くなっています。
そうした動きの中で、農業のような第1次産業の構造も大きく変わっていく可能性もあります。
消費(需要)と供給という関係性は切り離せないことから、今後も「第4の肉」の大豆からは目が離せません。
参考資料
泉田良輔「2050年に日本はカーボンニュートラル・脱炭素を本当に実現ができるのか」(https://limo.media/articles/-/25788)
ミートフリーマンデーオールジャパン(https://www.meatfreemondayjapan.com/)
環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」(https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/pdf.html)
農林水産省「大豆をめぐる事情」(https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/daizu/attach/pdf/index-144.pdf)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
人口に比例する? 「バナナ」の生産量が多い国ランキング! 2位は「中国」、では1位は?
オールアバウト / 2024年5月1日 8時5分
-
5月からオリーブオイル大幅値上げ 健康志向の広がりで需要増も輸入頼り
RKB毎日放送 / 2024年4月30日 15時30分
-
「大豆」の生産量が多い国ランキング! 輸出量でも「アメリカ」を抜いた1位は?
オールアバウト / 2024年4月28日 8時35分
-
地球温暖化のウソ? ホント?(6)チョコレートやオリーブオイルの値上げはどうなる?
ウェザーニュース / 2024年4月28日 5時10分
-
【玉川高島屋S・C】―私たちの「食」の未来を考えよう。ー「EAT2033 BY TAKASHIMAYA」
PR TIMES / 2024年4月10日 10時15分
ランキング
-
1やよい軒で「わかってる」人が頼んでるメニュー。「神」「最強」の声も...。《編集部レビュー》
東京バーゲンマニア / 2024年5月6日 17時0分
-
2「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
3【疑問】「白内障」「緑内障」は何が違うの? 原因&治療法を眼科医に聞いてみた
オトナンサー / 2024年5月6日 20時10分
-
4枯れたミントを畑に捨てたら…3年後に「地獄絵図」、 繁殖力に地主も後悔「土の総入れ替えしかない」
まいどなニュース / 2024年5月3日 7時10分
-
5埃まみれの日産「マーチR」 なぜ660万円の値が付いた? 綺麗にしたら価値が下がる理由とは
くるまのニュース / 2024年5月6日 19時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください