iDeCoは年末調整しないといけない?やり方を解説
LIMO / 2021年11月27日 11時55分
iDeCoは年末調整しないといけない?やり方を解説
2021年も終りが近づき毎年恒例の年末調整の時期となりました。この年末調整ですが保険料控除の手続きが必要であることを知っている人は多いですが、iDeCoも手続きが必要であることはご存知でしょうか?iDeCoは運用が始まるとその後の手続は全て自分で対応しなければいけません。今回はiDeCoの年末調整について大手金融機関の勤務経験がある私がよく相談されるポイントについてお伝えします。
そもそもiDeCoとは?制度の概要
iDeCoとは個人型確定拠出年金のことを言います。自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する任意加入の私的年金制度になります。企業にお勤めで企業型確定拠出年金(DC)で運用をしている方もいるでしょう。
DCは掛金を企業が拠出するのに対して、iDeCoは個人が拠出する違いがあります。
なお、DCをしている方は勤務先の企業型年金規約にてiDeCoに同時加入できる旨を定めている場合のみiDeCoを始められますのでご注意ください。
iDeCoの加入資格は?
iDeCoの加入資格は20歳以上60歳未満の方となります。掛金、運用益、そして給付を受け取る時に税制上の優遇措置が得られます。
掛金は60歳になるまで拠出し60歳以降に老齢給付金として受け取ることができます。60歳になるまでは原則として資産を引き出すことはできませんので注意しましょう。
選択できる運用商品は定期預金、保険商品、投資信託になります。
商品ラインナップの詳細はiDeCoを始める金融機関ごとに異なります。
したがって金融機関選びも大切なポイントになります。
給付金の受け取り方3つを解説
給付金の受取方法は以下3つになります。
一時金として一括で受け取る
受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら70歳に到達するまでの間に一時金として一括で受け取ります。なお、受取時には退職所得控除が適用されます。
年金として受け取る
受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達したら5年以上20年以下の期間で運営管理機関が定める方法で受け取ります。なお、受取時には公的年金等控除が適用されます。
一時金と年金を併用して受け取る
運営管理機関によっては受給権が発生する年齢(原則60歳)に到達した時点で一部の年金資産を一時金で受け取り、残りの年金資産を年金で受け取る方法を取り扱っているところもあります。
iDeCoは年末調整しないといけない?
iDeCoの掛け金は所得控除の一種である「小規模企業共済等掛金控除」の対象です。
会社員、公務員の場合は年末調整または確定申告、自営業の場合は確定申告にてその年に支払った掛け金を申告する必要があります。
所得控除とは個々人の生活事情を考慮して税金の負担を軽くするために設けられた制度です。所得控除をすることで、所得税の税額を計算する基準となる課税所得が低くなるため、結果として所得税を抑えることができます。
この所得控除額にiDeCoの掛け金も上乗せされます。
「掛け金×(課税所得金額に応じた)税率」分の金額を節税できることになります。
なお、税率は課税所得が多いほど高くなるため掛金が多い人ほど節税効果も大きくなります。
iDeCoで年末調整する方法
ここからは、年末調整の進め方を具体的に解説します。
掛金の払込証明書を受け取る
1~9月に掛金の引き落としがある場合は毎年10月下旬頃に国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」と記載のある圧着はがきが送られてきます。
このはがきは「小規模企業共済等掛金控除証明書」と大きく印刷されていますが、一見するとiDeCoには関係ない書類にも見えます。DMと勘違いして誤って処分してしまわないように気を付けましょう。
なお、控除証明書を紛失した場合は金融機関に再発行の申請をすることで再発行ができます。
年末調整の方法
会社員や公務員等の場合は年末調整で所得控除を申請します。
年末調整の申請フォームにある「小規模企業共済等掛金控除」内の「個人型または企業型年金加入者掛金」欄に掛金合計金額を記載します。
iDeCoで運用しているエビデンスとして「小規模企業共済等掛金払込証明書」を所定の台紙に貼り付けして申請フォーム一式と共に提出します。
確定申告の場合
自営業者や掛金の引き落としが10月~12月のみの場合は確定申告で所得控除を申請します。確定申告書にある「小規模企業共済等掛金控除」欄に掛金合計金額を記載します。
iDeCoで運用している証拠として「小規模企業共済等掛金払込証明書」を所定の台紙に貼り付けして確定申告書類一式と共に提出します。
年末調整に間に合わなかったら
年末調整に間に合わない場合には確定申告で申請をすることで還付を受けられます。
所得税の確定申告は翌年2月16日~3月15日に申告して税金の還付を受けます。
源泉徴収によって納めすぎた税金を確定申告によって還付を受けることを「還付申告」といいますが、還付申告は対象になる年の翌年1月1日から5年間できます。もし、5年以内にiDeCoの申告漏れがあれば確定申告して還付を受けることができますので実施しましょう。
申請は忘れずに
iDeCoは年末調整や確定申告で所得控除が得られる制度であることをお伝えしました。
年末調整の所得控除は保険料控除等に目が行きがちですがiDeCoも忘れずに申告して税制上の優遇措置はしっかり享受していきましょう。
参考資料
iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/)
みずほ銀行かんたん所得控除申請ガイド(https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/ideco/merit/guide.html)
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