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認知症になる前に!40代~50代から始める「お金の終活」

LIMO / 2021年11月28日 18時15分

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認知症になる前に!40代~50代から始める「お金の終活」

アラフォー・アラフィフ世代が親の介護に直面し、苦労されている様子をしばしば耳にします。コロナ禍で外出自粛が続き、在宅介護をされている世帯であれば、さらに負担感は大きいでしょう。

とりわけ認知症の親御さんを介護する生活は、心が張り裂けそうになることも多いようです。

厚生労働省によると、2020年時点で65歳以上の認知症患者は約600万人。2025年には700万人に増え、実に高齢者の5人に1人が認知症になることが見込まれています。

認知症はもはや「誰でもかかる可能性がある病気」といってよいでしょう。

今回は「お金の終活」を軸に、FPに視点からお話ししてまいります。認知症になる前の元気なうちに、シニア世代自身、そして親を見守る子ども世代がやっておくべきことを考えていきましょう。

40代~50代の「お金の終活」まずは資料の整理から!

まずは認知症対策に的を絞らず、アラフォー・アラフィフ世代のみなさんにぜひ実践していただきたい「お金の終活」についてお話ししましょう。

お金に関係する資料を、3つのステップで、「手間をかけず・分かりやすく」整理していきます。

■ステップ1■資産管理用のクリアファイルを1冊用意する

冊子タイプのクリアファイルを準備します。20~30ポケットくらいがちょうどよいでしょう。100円均一ショップなどでも購入できますね!

■ステップ2■「預貯金・保険・投資」に書類を分ける

タンスや机の引き出し、カバンの中など色々なところに分散している「預貯金の通帳」「保険証券」「投資に関する資料(例:運用報告書や月報など)」を、まずは一か所に集めます。

 ■ステップ3■種類ごと・金融機関ごとに「ステップ1」で用意したクリアファイルに入れていく

1.預貯金

通帳があれば一番分かりやすいですね。とはいえ、ネットバンクを利用する人も多く、通帳が発行されない口座も増えています。

通帳がある人は通帳をクリアファイルに一つずつ入れておくだけで立派な整理作業になります。ネットバンクをお使いの人は、金融機関名と支店名・口座番号などの口座情報を記入したメモ用紙を入れておきましょう。

2.保険

生命保険などの「保険証書」も大切です。これがないと保険金の請求がスムーズにできない可能性があります。見当たらない場合は保険会社に連絡し、証書の再発行を依頼してください。

定期的に郵送されてくる「保険内容のお知らせ」などがあれば、保険証書とセットで保管しておきましょう。

3.投資

複数の証券会社に口座をお持ちの場合は、証券会社ごとに一つにまとめるのがもっとも分かりやすい方法です。ネット証券会社で口座を開設されている場合は、口座情報を書いたメモ用紙をクリアファイルに入れておきましょう。

また投資商品の種類ごと(例:投資信託・株式・債券・金など)に一つにまとめても分かりやすいですね。

4.その他

不動産に関する権利書やゴルフ会員権などについても、まとめて保管します。

大切なのは、すべての資産をわかりやすく「手間をかけず」資料を整理することです。

シニア世代の「お金の終活」~認知症になってしまう前に~

資料を整理できたら、次は「お金の整理」です。

これは、シニア世代(親の世代)が、「自分自身の認知症対策」としてやっておくべき大切なことです。

(1) 預貯金

整理をしていると、既に使っていない口座の通帳を見つけることもあるでしょう。こういった口座は必ず元気なうちに解約しておきましょう。

たとえ残高がほんの数百円だった場合も、それは立派な財産です。口座を残して亡くなった場合、遺された家族に相続手続きをしてもらう手間がかかります。あらかじめご自身で解約しておくことが大切です。

(2) 保険

保険については、資料を整理したタイミングで保障内容を再確認します。

老後の生活に無駄な保険料を支払う必要はありません。現在のご自身の資産能力や健康状態などを考慮したうえで、必要のない保険については解約もしくは見直しをしましょう。

(3) 投資

株式や投資信託などについては、家族に遺すのか、もしくはご自身の老後の生活のために使い切るのかを見極める必要がありますね。

老人ホームへの入居や、海外旅行など「ご自身のため」に使う予定があれば、できるだけ早く現金化しておくことも視野にいれるとよいでしょう。

認知症などを発症し判断能力が低下してしまうと、預貯金の解約、株式や投資信託の売却といった法律行為ができなくなるので、注意が必要です。

不動産については今回は触れませんが、まずは最低限、「預貯金」「保険」「投資」の3つについて、この程度の整理はしておきましょう。何よりも家族に迷惑をかけないためです。

「親が認知症になる前に」子どもの側がやっておくべきこと

ここからは、シニアを見守る「子どもの側」がやっておくべきことをお伝えしていきます。

まずは、親の資産状況を把握することが必要です。思ったより資産が少なかった場合、子どもたちで親の介護費用を負担する可能性も出てくるでしょう。

親子とはいえ、あらたまって相手の「お財布事情」を聞き出すことは簡単ではないかもしれません。とはいえ、知らないままで過ごし、のちのち困るのは子ども自身なのです。

「お金をいくら持っているの?」とダイレクトに訊ねるのは気が引ける……。そんな場合は、シニア世代の出費の「一般的な相場」が分かるように、会話の中に盛り込んで伝えてあげましょう。

「老後の毎月の生活費って夫婦2人で約26万円なんだって。お父さんとお母さんはどのくらいかかっている?」

「友人の親が介護施設に入ったんだけど、毎月約17万円必要みたい」

「同僚のお父さんが亡くなったんだけど、お葬式代が184万円だったそうだよ。結構お金がかかるものなんだね」

といった感じですね。

くれぐれも、いきなり切り出すのは避けましょう。会話の中に自然に盛り込むことから始めてみてください。親御さんを思う気持ちは、きっと伝わるはずです。

「お金の終活」は誰のため?

「お金の終活はいつ頃行うとよいのか」といったご相談を多く受けます。

筆者は、「アラフォー・アラフィフ世代であれば、必ずやっていただきたい」とお答えします。

その理由は、ライフイベントが大きな区切りを迎える時期だから。「子どもの教育費のメドが立った」「リタイヤ時期がある程度定まってきた」という方が増える世代といえるでしょう。

そんな、人生の転換期を迎える40代から50代のみなさんは、ぜひ資産の棚卸作業をしてみてください。その内容をご自身で再確認するという作業によって、足りないものが見えてくるでしょう。そこで資産構成の見直しや、保障の変更を行うのです。

より良い資産状態で、楽しいセカンドライフを迎えていただくための、大切なステップとお考えいただければと思います。

認知症に限らず、歳を重ねることで判断能力や認知機能が衰えることは避けられません。そう考えたとき「お金の終活」は自分自身と家族のための、非常に大切なアクションと位置付けることができるでしょう。

ぜひ、この年末年始を利用してチャレンジしてみてください。

参考資料

厚生労働省「みんなのメンタルヘルス 認知症」(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.html)

日本FP協会「主なライフイベントにかかる費用の目安」(http://www.jafp.or.jp/know/lifeplan/indication/)

生命保険文化センター「葬儀にかかる費用」(https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/836.html)

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