「燃費の良い車は財布にやさしい」は本当か？ 気をつけたい落とし穴とは

原油高に対応するため、世界各国が様々な施策を講じていると報道されています。特にその影響でガソリン価格が高騰していることは、車を日常的に使う方や休日にレジャーで車に乗る方にとって、非常に痛い問題かと思います。

だったら燃費の良い車に乗り換えようと思うかもしれませんが、車を購入する前に本当にその選択は正しいのか、一度考えてみませんか。低燃費車を購入することによってガソリン代を抑えられるかもしれませんが、長期的に見るとお財布に打撃を与えるかもしれません。

そこで本記事では、燃費の良い車にある「落とし穴」について見ていきたいと思います。

ハイブリッドカーは燃費が良いが…

リッター当たり30㎞以上という驚異的な燃費をたたき出すハイブリッドカー。国内で販売されている車の多くがハイブリッドカーになっているので、すでに乗っているよという方もいらっしゃることでしょう。

ハイブリッドカーは目先の燃費は非常にいいのですが、車の使い方や長期的な面で見ていくと、意外とその恩恵を受けないという可能性があります。

ここで注目したいのが「車両価格」と「高速走行時の燃費」です。

ハイブリッドカーは、基本的にエンジンの動力とバッテリーの電力を用いて走行することで燃費を向上させます。ただし、搭載されているバッテリーが非常に高価なため、その分車両価格が高くなるということは覚えておいたほうがいいでしょう。

また、ハイブリッドカーはその性質上、市街地走行ではいかんなく性能を発揮できますが、高速道路で時速100㎞を超える速度で走行をすると、バッテリーに貯めておいた電力を消費しきってエンジンが超時間稼働してしまいます。

そのため、カタログに記載されている燃費を大きく下回った数値が出て、思ったほど恩恵を受けられないということもあるのです。

アイドリングストップ車に潜む落とし穴

ハイブリッドカーでなくても、燃費を向上させるために信号待ちなどでエンジンをストップさせてガソリンの消費を抑えるアイドリングストップ機構を備えた車もあります。

アイドリングストップをすることで多少なりとも燃費の向上に寄与するのですが、実はアイドリングストップ車に搭載されているバッテリーを交換する際の費用が高額になってしまうという弊害があります。それは、アイドリングストップ車は専用の高性能バッテリーを積んでいるのが理由です。

たとえば、通常のアイドリングストップが付いていないコンパクトカーであればバッテリー交換の費用は1万5000円程度で済みますが、アイドリングストップストップ車の場合、それ専用のバッテリーに交換する必要があるので費用が3万円～4万円になってしまうのです。

また、ごく一部の車種（ガソリン車）では、通常使用するバッテリーとアイドリングストップ用のバッテリーを搭載し、交換時は2つ同時に交換するものもあり、その場合8万円程度の費用が掛かってしまうこともあります。

アイドリングストップ車は環境にはやさしいかもしれませんが、お財布にはあまりやさしくない可能性があるのです。

車を買うときに気をつけたいポイント

次に、車の購入や買い替えを検討する際に気をつけておきたいポイントを3つご紹介します。車選びの際の参考にしてください。

ガソリングレードかハイブリッドかで悩んだら

車種によっては従来のガソリングレードとハイブリッドグレードの2パターンを揃えている場合があります。その際に、どちらを買うか悩むかもしれません。

そうした場合に気を付けたいのが「価格差」と「燃費差」です。ハイブリッドのほうが価格も燃費も高いと思いますが、頻繁に車に乗らない場合は購入にかかった費用をペイできない可能性があります。車をどれくらい使用するのか計算してみるといいでしょう。

その車に“何年乗りたいか”を考える

最近は残クレで5年間だけ乗るという方も増えてきました。その場合はあまり気にしなくてもいいですが、ハイブリッド車の場合は将来的にハイブリッド用のバッテリーを交換する必要が出てきます。

その寿命は使い方によって異なりますが、7年程度とも言われていますので、7年以上同じ車に乗り続けたいという場合は購入時と同等の燃費性能ではないということも念頭に入れておきましょう。

将来かかるコストを“見える化”する

上記の“何年乗るか”ということと連動しますが、将来車のメンテナンスをはじめとした維持にどれくらいの費用が掛かるのか把握しておくことをお勧めします。5年以上乗るのであればハイブリッド用のバッテリー交換にかかる費用の算出、それ以外の消耗品交換に必要な費用を見積もるなどしておくといいでしょう。

車は意外と購入後の維持費がかかります。ハイブリッド車だけの問題ではありませんが、ガソリン代や整備費用、タイヤの交換費用などなどトータルで考えたうえで車選びをすることが肝要です。

おわりに

「燃費が良い車＝ハイブリッドを買う」というのは正しい選択かと思いますが、長期的に見ると意外な盲点もあるものです。ハイブリッドにしかない魅力もありますので、これらを天秤にかけて検討してみるといいかもしれません。