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70代から先の貯蓄額、平均・中央値を検証。「雪だるま式」で延ばす資産の寿命とは

LIMO / 2021年12月10日 5時55分

70代から先の貯蓄額、平均・中央値を検証。「雪だるま式」で延ばす資産の寿命とは

70代から先の貯蓄額、平均・中央値を検証。「雪だるま式」で延ばす資産の寿命とは

いま70~71歳の方が生まれた「1950年(昭和25年)」って、どんな年だったかイメージが湧きますか?

先日まで熱戦が繰り広げられていたプロ野球の「日本選手権(日本シリーズ)」の第1回が開催され、森永ミルクキャラメルやトリスウイスキーなどが人々の心をとらえた、そんな年だったようです。

また、同年のベストセラー小説には「細雪(谷崎潤一郎)」や「風と共に去りぬ(M・ミッチェル)」がランクインしています。

そして、筆者が目をとめたのが「日本人女性の平均寿命が初めて60歳を超えた」というできごと。

2020年時点での女性の平均寿命は87.74歳(ちなみに男性は81.64歳)。この70年間ほどで、平均寿命は20年以上延びているのです。

長くなる老後の生活に欠かせないものは、やはり「お金」ですね。そこで今回は、70代以上の資産状況を確認し、お金の寿命である資産寿命を延ばすコツについても触れていきます。特に、定年も近くなり、子育てなどの手も離れた50代の方にはぜひ参考にしていただければと思います(※編集部注)。

【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法(https://limo.media/articles/-/24980)

70代以上世帯の貯蓄事情「平均・中央値」はいくら?

さっそく70代以上世帯「全体」の資産状況をみてみましょう。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」を参考にします。

70歳以上世帯の「金融資産保有額」

(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均:1786万円

中央値:1000万円

※平均は超富裕層の金融資産の影響を受けて引き上げられる傾向があります。ここでは実態に近い中央値が参考になりやすいでしょう。

(/mwimgs/0/f/-/img_0fc354aacfebad26d3fdbba42882fbf6262724.jpg)

拡大する(/mwimgs/0/f/-/img_0fc354aacfebad26d3fdbba42882fbf6262724.jpg)

かつて、「夫婦の老後生活には、公的年金以外に2000万円が必要となる」という試算が公表されました。「老後2000万円問題」と呼ばれて注目を集めたことが、まだ記憶に新しい方も多いでしょう。

70歳代以上世帯のうち、この「2000万円」以上の金融資産を保有しているのは約3割。一方、金融資産非保有世帯(貯蓄ゼロ世帯)は全体の約2割に上ります。世帯ごとの資産の格差が大きいですね。

人生100年時代とすると、お金はどのくらい必要になりそうか

「人生100年時代」の足音が聞こえつつあるいま。この先続くであろう長い人生には、一体どのくらいお金が必要となりそうか、イメージできそうでしょうか。家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)などを参考に見ていきましょう。

70歳以降・無職世帯の「公的年金給付額」

70~74歳:20万5935円

75~79歳:20万7107円

80~84歳:19万4818円

85歳~:19万5343円

70歳以降・無職世帯の「消費支出(生活費)」

70~74歳:24万2579円

75~79歳:22万4855円

80~84歳:20万6655円

85歳~:19万4102円

老後の年金額・生活費は世帯差が生じるところですが、年金収入から生活費を差し引くと、おおよその収支が把握できますね。足りない金額はどのくらいになりそうでしょうか。

なお、消費支出中の「住居費」は持家世帯を前提として、いずれの年齢層でも1万円台で計算されています。よって、老後も賃貸住宅に住まう予定の方は、家賃分も考慮して上乗せ貯蓄をしていく必要がありそうです。

加えて、老後の生活費以外に心づもりが必要となるのが「介護費用」。公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、平均的な介護期間は4年7カ月です。

LIFULL介護のデータなどをもとに「4年7カ月」入居した場合の一人当たりの介護総費用を計算した場合、有料老人ホームであれば約1900万円、サービス付き高齢者向け住宅であれば約940万円という結果に。この費用が人数分、上乗せで必要となってくるわけです。

老後に必要となるお金は世帯構成さらには健康状態などに大きく左右されます。とはいえ、老後資金の準備は全く必要ない、という世帯は少ないでしょう。

年を重ねることで、体力面での心配ごとも増えてきます。老後を見据えたお金の準備は、先手先手で取り組んでいきたいものですね。

そこでぜひ視野にいれていただきいたのが、「資産運用」でお金を育てていく発想です。そのポイントを、次でお話ししていきます。

資産寿命を延ばすコツは「雪だるま式」の複利効果

資産運用でお金を育てていくときにポイントとなるのが「複利」です。「利息に対して利息がつくこと」と考えてください。

「雪だるま式」「利子が利子を生む」などとも呼ばれます。「雪だるま」を転がせば転がすほど、つまり年数を掛ければ掛けるほど資産の増え方が大きくなる、というロジックです。

資産を増やす、そして、資産の寿命を延ばすために、「長期間にわたる複利効果」を活用していきたいものです。

成長が見込める先に投資している資産、例えば世界株式などに、長期的な視点で積立投資をしていく手法などもよいでしょう。

まずは、いつまでに・どのくらいの金額を準備したいのか、毎月無理なく積み立てを継続できる金額はいくらかを把握しましょう。

資産運用は預貯金とは異なり元本保証がありません。利益が出ることもあれば、損をすることもあります。

保有資産や家族構成、ご自身の性格などにより、「どの程度のマイナスであれば、受け入れることができそうか」が変わります。これをリスクの許容度といい、金融商品を選ぶ際にとても大切な基準となります。

資産運用初心者の方であれば、まずはじっくりと情報収集からスタートされることをお勧めします。ご自身に合う「資産の増やし方」そして「資産寿命の延ばし方」を見つける大切な準備となるでしょう。

参考資料

厚生労働省「令和2年(2020年)簡易生命表」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life20/index.html)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/)

総務省統計局「家計調査(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330006&result_back=1&cycle_facet=tclass1%3Atclass2%3Atclass3%3Acycle&tclass4val=0) 

日本著者販促センター「1950年 ベストセラー10(昭和25年)」

公益財団法人生命保険文化センター「介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?」

LIFULL介護「老人ホームの費用相場」

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