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40~50代「おひとりさま」お財布事情のリアル。いずれ訪れる老後にも迫る

LIMO / 2021年12月11日 19時0分

40~50代「おひとりさま」お財布事情のリアル。いずれ訪れる老後にも迫る

40~50代「おひとりさま」お財布事情のリアル。いずれ訪れる老後にも迫る

秋に続き、冬に入っても大手電力会社や食料品などの値上げが止まりません。2021年12月1日にはキューピーが2022年3月1日出荷分から業務用マヨネーズ、ドレッシング、ソース類、サラダ類等の値上げを公表しました。今年7月の業務用マヨネーズ等に次ぐ値上げです。

平均給与が上がらない中の値上げに、お財布事情が厳しい方も多いでしょう。特に未婚の方や離婚、死別などでおひとりさまとなったシングルの方は現在の貯蓄や老後に悩まれていませんか。

国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集 2021年版」によると、2015年当時の50歳時でおひとりさまの男性は約30%、女性は約26%。今回は特に40~50代のおひとりさまの貯蓄や老後の年金などお財布事情についてみていきます。

おひとりさまも環境はそれぞれ

一口におひとりさまといっても、独身でずっと仕事をしてきた方、就職氷河期世代で非正規雇用の方、離婚後にパートではたらくシングルマザーなどそれぞれ環境は異なります。先ほどの調査より、50歳時のおひとりさまの環境を確認しましょう。

50歳時のおひとりさまの割合(2015年)

男性

未婚:23.37%

離別:6.26%

死別:0.57%

女性

未婚:14.06%

離別:10.18%

死別:1.88%

男女ともに未婚の方が最も多く、ついで離別の方ですね。では、40~50代の単身世帯は平均でどれくらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。

40~50代、単身世帯の貯蓄割合は?

40~50代は老後をだんだんとリアルに感じる年代。一方でお子さんのいる方は教育費が最もかかる時期でしょう。単身世帯のリアルな貯蓄額を金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」からみていきましょう。

40歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均値:666万円・中央値:40万円

金融資産非保有:35.5%

200万円未満:21.1%

200~400万円未満:7.9%

400~700万円未満:8.2%

700~1000万円未満:4.3%

1000~1500万円未満:5.5%

1500~2000万円未満:3.6%

2000~3000万円未満:2.5%

3000万円以上:5.7%

無回答:5.7%

50歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均値:924万円 中央値:30万円

金融資産非保有:41.0%

200万円未満:15.2%

200~400万円未満:6.8%

400~700万円未満:8.1%

700~1000万円未満:5.6%

1000~1500万円未満:5.3%

1500~2000万円未満:3.0%

2000~3000万円未満:4.3%

3000万円以上:7.6%

無回答:3.0%

平均値は一部の極端に大きい値に影響されやすい傾向にあります。中央値のほうがより実態に近いと考えられます。

40代では56.6%、50代では56.2%と半数以上が貯蓄200万円未満でした。一方で貯蓄1000万円以上は40代で17.3%、50代で20.2%です。

やはり同じ40~50代でも単身世帯の貯蓄には差があります。特に非正規雇用ではたらく方や離別・死別された方は貯蓄が厳しい面もあるでしょう。今のままの貯蓄で老後を迎えるとなると、不安を感じますね。

老後の生活の柱となるのは、貯蓄にあわせて「年金」です。一つの参考として、今のシニア世代は月にどれくらいの年金を受給しているのでしょうか。

今のシニア世代、1カ月の年金受給額は?

年金は自営業の方などが加入する国民年金と、会社員や公務員、一定要件を満たしたパートの方が加入する厚生年金があります。

国民年金は20歳以上60歳未満の方が原則加入するものです。厚生労働省年金局の「令和元年度(2019年) 厚生年金・国民年金事業年報」によると、国民年金のひと月の平均受給額は5万5946円(男性平均5万8866円、女性平均5万3699円)。

一方で厚生年金は収入や加入月数に応じて受給額が異なるので、男女差や個人差が多いという特徴があります。今のシニア世代の受給額をみてみましょう。

(/mwimgs/c/8/-/img_c8f57bc107acd721a1f485c39581d4f7257967.jpg)

拡大する(/mwimgs/c/8/-/img_c8f57bc107acd721a1f485c39581d4f7257967.jpg)

【男女別】厚生年金の月額階級別受給権者数。国民年金とは違い、厚生年金は男女差・個人差が大きい。

※厚生年金保険(第1号)の年金月額は、基礎年金(国民年金)部分を含みます。

厚生年金の平均は全体で14万4268円。男女別に見ると男性16万4770円、女性10万3159円とおよそ6万円の差があります。

女性は育児や介護で離職したり扶養内で働いたりすること、男性に比べると収入が少ない傾向にあることなどが原因でしょう。老後に年金のみで生活するとなると厳しい印象です。

生活費を大きく左右するのは、住まいや車でしょう。ひとりで生きていくからこそ、老後の家や交通手段については早めに考えて動いておきたいですね。老後の生活を考えた上でおおよその生活費を算出し、毎月の赤字部分を他で準備する必要があります。

また、病気をしたり介護が必要になったりする可能性もあるでしょう。介護費用は一般的に1人あたり1000~2000万円ほど必要と言われています。この部分の貯蓄で準備しておくと安心です。

ただし今の40~50代の方が年金を受給する頃には、上記よりも受給額が下がる可能性はあります。ご自身の年金の目安については、毎年誕生月に届くねんきん定期便を確認してみましょう。

まずは「知る」ことからはじまる

貯蓄や年金を確認してきましたが、はじめに確認したように環境や事情は人それぞれ。ただ、大切なのはリアルなお金事情を知ることです。今やこれからを変えていくためには、まず「知る」ことが第一歩でしょう。

現状を知ったところで、すぐに収入や環境を変えるのは難しいもの。ただ、自分ならいま何ができるのか、情報収集したり工夫を考えたりすることはできます。

老後に向けて準備したいのは「年金」と「貯蓄」です。たとえば「年金」の場合、2022年10月にはパートの方の社会保険加入の適用が拡大されます。公的年金の受給額を増やすために、厚生年金に加入するのも一つでしょう。

国民年金のみの方は、付加年金、もしくは国民年金基金に加入する方法もあります。個人年金保険やiDeco(個人型確定拠出年金)といった私的年金で準備するのもいいでしょう。

貯蓄を増やすには節約やポイ活、先取り貯金、またつみたてNISAで運用を取り入れるなどの方法も考えられます。

塵も積もれば山となる。まずは少額からでも、自分でできることを始めてみましょう。

参考資料

キューピー株式会社「業務用マヨネーズ、ドレッシング、ソース類、サラダ類等の価格を改定します」(https://lp.kewpie.com/newsrelease/2021/2366/?_gl=1*p4dql*_ga*MTAyOTk3MzgyNS4xNjM5MDE4OTg1*_ga_ZB4DHZNEL3*MTYzOTAxODk4NC4xLjEuMTYzOTAxODk5MS41Mw..&_ga=2.141536818.1662364181.1639018985-1029973825.1639018985)

国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集 2021年版」(http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2021.asp?chap=0)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/20bunruit001.html)

厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金・国民年金事業年報」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)

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