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「年収400万円世帯」イマドキ標準家庭の貯蓄額はどのくらい?

LIMO / 2021年12月11日 5時55分

「年収400万円世帯」イマドキ標準家庭の貯蓄額はどのくらい?

「年収400万円世帯」イマドキ標準家庭の貯蓄額はどのくらい?

「年収400万円世帯」と聞いて、みなさんはどういうイメージを持たれるでしょうか。

厚生労働省の「2019年 国民生活基盤調査」によると、日本人の1世帯あたりの平均所得金額は552万円、中央値は437万円。

一般的に「平均値」は、極端に大きな数値に引きあげられます。より実態に近い「中央値」に着目すると「年収400万円台世帯」はごく標準的な家庭であるといえそうです。

そこで、今回は年収400万円台世帯の貯蓄事情を深掘りしていきます!

年末年始は家計やiDeCoやつみたてNISAといった資産形成方法など(※編集部注)の見直しをする絶好の機会。新年に向けたマネープラン作成の際に、ぜひ参考にしてください。

【※参考記事】【iDeCo】10年で資産残高1000万円を超えた人はどんな運用をしている?(https://limo.media/articles/-/26048)

年収400万円台世帯の貯蓄の中身は?

ここでは、年収400万円台世帯の貯蓄額とその中身を見ていきます。

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)第8-2表」から、「年収400万円台世帯の貯蓄事情」を整理していきます。

「年収400万円~450万円世帯」貯蓄の内訳

(平均年収…423万円)

貯蓄合計:911万円

通貨性預貯金:290万円

定期性預貯金:286万円

生命保険など:228万円

有価証券:88万円

金融機関外:18万円

「年収450万円~500万円世帯」貯蓄の内訳

(平均年収…474万円)

貯蓄合計:813万円

通貨性預貯金:264万円

定期性預貯金:252万円

生命保険など:212万円

有価証券:77万円

金融機関外:8万円

年収400万円世帯の貯蓄額は、1000万円のラインにあと少しで手が届くといったところでしょうか。

引き出しやすい「通貨性預貯金(普通預金や当座預金)」と、預け入れ期間が決められている「定期性預貯金」の割合はほぼ同程度ですね。

ちなみに、一般的に、貯蓄が進んでいるご家庭は、定期性預貯金の割合が多い、もしくは生命保険や有価証券に資産を振り分けて保有しているケースが多いとされます。

普通預金などは、お金が必要なときすぐに引き出せるメリットがあります。その反面、つい使いすぎてしまう可能性も。将来のためにしっかりとっておきたい資金は、定期性預貯金などで切り分けて保有したほうがよいかもしれませんね。

「年収400万円台世帯」の負債はいくら?

貯蓄額に触れたあとは、負債額についても見ていきます。年収400万円台世帯が、貯蓄を進めていくうえで「負荷」となっている項目とは……?

詳しく見ていきましょう。

年収400万円~450万円世帯の負債

平均負債額:555万円

うち「住宅・土地のための負債」:508万円

年収450万円~500万円世帯の負債

平均負債額:601万円

うち「住宅・土地のための負債」:560万円

負債額の大部分が「住宅・土地のための負債」。すなわち、主に住宅ローンですね。

では、さきほどの「貯蓄額」から「負債額」を差し引いて、「純貯蓄額」を見ていきたいと思います。

年収400万円台世帯の「純粋な貯蓄額」は?

年収400万円台世帯の、平均額でみた「純粋な貯蓄額」はいくらくらいなのでしょうか。貯蓄額から負債額を差し引いてみます。

年収400万円~450万円世帯の純貯蓄額

911万円(貯蓄)-555万円(負債)=356万円

年収450万円~500万円世帯の純貯蓄額

813万円(貯蓄)-601万円(負債)=212万円

純貯蓄額が200万円から300万円台というのは、「老後2000万円問題」がささやかれるいま、やはり「ちょっと不安」といえる金額かもしれません。

「年収400万円台世帯」家族のすがた

では最後に年収400万円台世帯の「家族の状況」についても見ていきましょう。

「年収400万円~450万円世帯」家族の状況

世帯主の平均年齢:50.6歳

世帯人数の平均:3.23人

うち18歳未満の世帯人員:0.87人

世帯主の配偶者のうち女性の有業率:39.4%

「年収450万円~500万円世帯」家族の状況

世帯主の平均年齢:50.1歳

世帯人数の平均:3.05人

うち18歳未満の世帯人員:0.81人

世帯主の配偶者のうち女性の有業率:49.5%

年収が450万円~500万円では、配偶者(女性)の有業率はほぼ5割ですね。

住宅ローンや教育費で貯金が思うようにできない部分もあると思いますが、早い段階から自分たちの老後を見据えて、しっかり準備をしておく必要がありそうです。

「しっかり・無理なく」老後に備えるためには?

今回は「年収400万円台世帯」の貯蓄事情について詳しく見てきました。

年収400万円台世帯の平均貯蓄額は約1000万円。一見「それなりに貯めている」印象を受けます。

しかし、貯蓄から負債を差し引いた純貯蓄額でみると、その額は200万円から300万円。リタイヤまであと少し、という年齢層であれば、その後の年金生活を意識した「老後のお金」について貯蓄ペースを見直す必要があるかもしれません。

また、住宅ローンやお子さんの教育費などが家計を圧迫し、なかなか老後の貯蓄にまで手が回らない、という世帯も多いでしょう。こうした「目前の出費」をやりくりしながら、自分たちの老後に備えるためには、どうしたらよいのでしょうか。

有効な方法のひとつは、「お金に働いてもらう」資産運用の検討です。超低金利が続くいま、銀行などの預貯金につく利息はほんのわずか。お金を増やすことには残念ながら繋がりません。こんな今こそ資産運用でお金を育てる視点を持つ好機であると筆者は考えます。

資産運用・投資といった言葉に、「損をすることもあるでしょ?」「お金を増やすなんてちょっと怖い」といったイメージをお持ちの方も多いでしょう。

確かに、資産運用にリスクはつきものです。しかし10年、20年といったスパンの「長期運用」を行うことで、運用成績が安定し、元本割れをおこすリスクを抑えることも可能です。

一括で大きなお金を資産運用につぎ込んでしまうことはお勧めできません。価格が下落したときに資産が大幅に目減りする可能性もあります。

積立投資であれば「価格が高いときには少なく、安いときには多く」購入しますので、購入単価が平準化され(ならされ)、価格の変動リスクを低減する効果も期待できます。

ワンコインから始められる金融機関もあります。「投資が不安……」と感じている人は、少額からスタートしてみるのもひとつの手でしょう。

先行き見えないコロナ禍。「おうち時間」が増える年末年始は、ぜひ将来に向けたマネープランについて情報収集をしててみてくださいね。不安のない明るい老後を迎えるための、最初の一歩となるでしょう。

参考資料

厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」Ⅱ 各種世帯の所得等の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)

総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)詳細結果表(2020年(令和2年)第8-2表)」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032087774&result_back=1&tclass4val=0)

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