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「老後資金の取り崩し」2位は70歳から、1位は?老後の年金・貯蓄のリアル

LIMO / 2021年12月12日 11時15分

「老後資金の取り崩し」2位は70歳から、1位は?老後の年金・貯蓄のリアル

「老後資金の取り崩し」2位は70歳から、1位は?老後の年金・貯蓄のリアル

もうすぐ年末年始ですが、食料品の値上げが相次いでいます。2021年12月1日には、日本ハムが2022年2月1日から家庭用ハム・ソーセージや加工食品、業務用商品などの納品価格を5~12%引き上げると公表しました。今年の冬のお財布事情は厳しそうですね。

人生100年時代といわれる現代。年金の受給開始は基本的に65歳からですが、65歳から老後スタートと考えると約35年間です。年金生活に入ると「できるだけ貯蓄に手を付けたくない」と考える方も多いでしょう。

公益財団法人 生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(令和元年度)によると、シニアの方が老後資金を使い始める年齢で2番目に多いのは70歳から。では、最も取り崩し始める方が多い年齢は何歳でしょうか。老後のリアルな貯蓄や年金事情を確認していきましょう。

老後資金の取り崩し、1位は何歳から?

同調査によると、老後資金を使い始めるのが最も多い年齢は「65歳」でした。年齢ごとに何歳から使い始めているのか、その割合を確認しましょう。

老後資金の使用開始年齢

59歳以下:1.2%

60歳:14.4%

61~64歳:1.5%

65歳:39.7%

66~69歳:1.9%

70歳:20.9%

71歳以上:4.9%

わからない:15.4%

年金の受給開始とともに、「65歳」から使い始める方が約4割と多くを占めました。次に「70歳」で20.9%、60歳で14.4%ですね。

他の年齢の少なさをみると、「60歳・65歳・70歳」の5歳区切りの中で、自分たちは何歳から使い始めようかと計画されている方が多いのでしょう。

では、実際に今の60代はどれくらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)」より分布をみていきます。

60代、二人以上世帯の貯蓄額は?

60代の2人以上世帯の貯蓄額の分布図をみてみましょう。

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60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額。中央値は875万円。「老後2000万円」をクリアしているのは32.9%。

平均は一部の大きな金額に引っ張られやすいため、より実態に近いのは中央値です。平均は1745万円ですが、中央値は875万円ですね。

2019年には、年金以外に老後2000万円が必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。貯蓄2000万円をクリアしているのは32.9%です。一方で金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロ世帯は18.3%。老後のリアル貯蓄額としては心もとない結果となりました。

年金について、今のシニア世代は月いくらくらい受給しているのでしょうか。

今のシニア世代、ひと月いくら年金を受給しているか

厚生労働省年金局「令和元年度(2019年) 厚生年金・国民年金事業年報」より、国民年金と厚生年金それぞれのひと月の平均受給額を確認します。

【国民年金】全体平均年金月額:5万5946円

男子平均月額:5万8866円

女子平均月額:5万3699円

【厚生年金】全体平均月額:14万4268円

男子平均月額:16万4770円

女子平均月額:10万3159円

国民年金はひと月5万円台。厚生年金は男女差があり、男性で16万円台・女性で10万円台です。

ちなみに、原則20歳以上60歳未満が加入する国民年金とは違い、厚生年金は加入月数や収入に応じて受給額が決まります。そのため男女差・個人差が出やすいのですが、今のシニア世代はどれくらい受給しているのか、その分布を見てみましょう。

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【男女別】厚生年金、年金月額階級別受給権者数。男性のボリュームゾーンは17万円台、女性は9万円台と差が見られる。

ご自身が老後年金をいくら受給できそうかは、毎月誕生月に届く「ねんきん定期便」を参考にしましょう。

年金暮らし、毎月いくら赤字になりそう?

年金の平均受給額をご紹介しましたが、夫婦であればひと月20万円以上受給する方もいます。年金暮らしになった際の毎月の赤字金額を明確にするためにも、まずはご自身の1カ月の生活費を計算しておくといいでしょう。

参考までに、話題となった「老後2000万円問題」ですがくわしくは以下のように計算されています。

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拡大する(/mwimgs/b/5/-/img_b567c27639f1e8ec6f2cb257d156751a129493.jpg)

老後2000万円問題の詳細。月の赤字が約5万5000千円で、老後30年間で約2000万円の計算となる。

「夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯」で、実収入が約21万円、実支出が約26万円。月々の赤字が約5万5000千円で、老後30年間で約2000万円の赤字となる計算ですね。

上記の試算は家賃が1万円台で計算されていたり、介護費用が入っていなかったりするなどの問題があります。それぞれのご家庭の事情に合わせて貯蓄を準備する必要があるでしょう。

資産寿命を伸ばす工夫を

老後は約35年間。老後資金を65歳から使い始めると、いかに貯蓄の取り崩しを減らすか、資産寿命を伸ばすかといった工夫が必要になるでしょう。

今では老後も仕事を続ける人は多いですが、「いつまで元気に働けるか」という不安は誰もが抱えるものです。

生活水準を振り返る、固定費を見直す、節約をする、ポイ活に挑戦してみる、資産運用で自分だけでなくお金に働いてもらうなどの方法で、ご自身でできる資産寿命を伸ばす工夫を考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

日本ハム「商品規格変更及び価格改定のお知らせ」(https://www.nipponham.co.jp/news/2021/20211201/)

公益財団法人生命保険文化センター「『老後』とはいつから?」(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1168.html)

厚生労働省年金局 「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/)

金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190412/02.pdf)

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