【老後の資金が足りない?!】65歳以上・無職世帯の貯蓄平均は2000万円以上か以下か?
LIMO / 2021年12月12日 5時55分
【老後の資金が足りない?!】65歳以上・無職世帯の貯蓄平均は2000万円以上か以下か?
緑寿(ろくじゅ)という言葉を耳にされたことはありますか。数え歳66歳のお祝いです。
2002年に日本百貨店協会の提唱で始まったこの賀寿。多くの方が退職を迎える満65歳にあたり、最近では人生の節目として祝われるようになってきたそうです。
セカンドライフの入り口ともいえる65歳ですが、老後生活の柱となってくるのが「年金」と「貯蓄」ですね。
年金額は物価上昇などによって多少調整されるものの、大幅な増加は見込めません。年金だけで生活費が足りないという場合、頼りになるのは「貯蓄」になってきます。
2019年金融庁のレポートから話題になった「老後2000万円問題」をきっかけに、老後までの貯蓄目標額を2000万円に据えている現役世代もいらっしゃるのではないでしょうか。
今日は、今まさにセカンドライフを送っている65歳以上・無職世帯の貯蓄事情について眺め、貯蓄平均が2000万円以上なのか以下なのかもみていきます。また今ある資産の「資産寿命」を伸ばす方法(※編集部注)についても考えていきたいと思います。
【※参考記事】つみたてNISAは米国株式インデック投信か全世界株式インデックス投信、どっちががおすすめ? (https://limo.media/articles/-/26202)
65歳以上世帯「みんなの貯蓄は、いくら?」
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、シニア世帯の貯蓄事情をみていきます。
「世帯主が65歳以上の世帯(二人以上の世帯)」の貯蓄額
中央値…1555万円、平均値…2324万円
世帯主が65歳以上世帯(二人以上の世帯)「貯蓄現在高階級別世帯分布」
100万円未満・・・7.9%
100万~200万円・・・4.0%
200万~300万円・・・3.5%
300万~400万円・・・3.7%
400万~500万円・・・3.3%
500万~600万円・・・3.8%
600万~700万円・・・3.4%
700万~800万円・・・3.2%
800万~900万円・・・2.9%
900万~1000万円・・・2.5%
1000万~1200万円・・・5.7%
1200万~1400万円・・・4.5%
1400万~1600万円・・・4.5%
1600万~1800万円・・・3.1%
1800万~2000万円・・・3.3%
2000万~2500万円・・・8.3%
2500万~3000万円・・・6.4%
3000万~4000万円・・・8.7%
4000万円以上・・・17.3%
65歳以上世帯の平均貯蓄額は2324万円、「貯蓄平均は2000万円以上」ということがわかりました。
また、貯蓄2000万円以上を達成している65歳以上世帯は約4割います。65歳以上世帯がまだ現役世代だった頃は「老後2000万円問題」はありませんでしたが、老後を見据えてしっかり貯蓄してきたことがわかりますね。
「65歳以上・無職世帯」の平均貯蓄の推移は?
先程のデータは「65歳以上世帯の全体」でしたので、ここからはその中でも「無職の世帯」にフォーカスしていきます。
65歳以上・無職世帯「現在貯蓄高」の推移
2015年・・・2416万円
2016年・・・2350万円
2017年・・・2337万円
2018年・・・2233万円
2019年・・・2218万円
2020年・・・2292万円
65歳以上・無職世帯に絞った場合も、「貯蓄平均は2000万円以上」あることがわかりました。2015年から2019年にかけて貯蓄残高はずっと減少していましたが、2020年には増加に転じていますね。
コロナ禍で消費が減ったことや、「特別定額給付金」が、貯蓄の増加につながっていると考えられます。
「65歳以降・無職世帯」の貯蓄の中身は?
貯蓄の内訳についても見ていきましょう。
「65歳以降・無職世帯」の貯蓄の種類別貯蓄現在高(二人以上の世帯)
金融機関…2284万円
通貨性預貯金・・・618万円(27.0%)
定期性預貯金・・・920万円(40.1%)
生命保険など・・・397万円(17.3%)
有価証券・・・348万円(15.2%)
金融機関外・・・9万円(0.4%)
銀行に預ける「通貨性預貯金」や「定期性預貯金」が67.1%を占めています。「生命保険」や「有価証券」など運用商品は32.5%となっています。
2003年に金融庁が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、「資産運用」という考え方も徐々に広まってきた感があります。ただ、65歳以上・無職世帯の貯蓄の内訳をみると、まだまだ銀行などへの預貯金がメインになっていますね。
「資産寿命を伸ばそう!」老後も資産運用を続けていくために
資産寿命とは、老後に資産が尽きるまでの期間のことをいいます。
運用を続けながら、必要な金額を切り崩していくことで、できるだけ資産寿命を伸ばすことができます。
運用方法の一例として、「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」の投資対象にもなっている「投資信託」を例に見てみましょう。
投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロが株式や債券などに投資・運用する商品です。そして、その運用対象によってリスクとリターンは大きく違ってきます。
これまでは老後は資産を守り抜くということに重心があったかと思います。ただ、高齢化も進む中では、リスクを考慮しながら、ライフステージの変化に応じて運用方法も見直しが必要です。
投資信託の仕組みが知りたいという方や、資産運用の基礎から学びたいという方は、ぜひ情報収集を始めてください。
インターネットやマネー誌などを活用して、年末年始にじっくり「お金の勉強」を楽しんでいただければと思います。
参考資料
三越・伊勢丹法人オンラインギフト「自らを祝う新しい賀寿」(https://kinogift.jp/shop/pages/article357.aspx)
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」「Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2020_gai4.pdf)
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」「用語の解説」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2020_gai9.pdf)
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