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厚生年金の平均額「男女差、年間72万円の事実!」増やす対策はある?

LIMO / 2021年12月13日 4時55分

厚生年金の平均額「男女差、年間72万円の事実!」増やす対策はある?

厚生年金の平均額「男女差、年間72万円の事実!」増やす対策はある?

『パプリカ』を口ずさんでいた子どもたちが、最近では『ツバメ』を歌うようになりました。 YOASOBIが10代の声を反映して作った、SDGsをテーマとする曲です。SDGsとは国連サミットで採択された17の目標で、その中の一つに「ジェンダー平等を実現しよう」があります。

先進国の日本でも、まだ解決できたとは言い切れないジェンダー格差。実は将来もらう年金にも、男女差がうまれているのです。

今回は、私たちが将来受け取れる年金の男女差にせまります。iDeCoなどもあわせて老後の対策(※編集部注)を考えるヒントとしていただければと思います。

【※参考記事】【iDeCo】10年で資産残高1000万円を超えた人はどんな運用をしている?(https://limo.media/articles/-/26048)

そもそも年金とはどんなしくみ?

まずは年金制度をおさらいしましょう。日本の年金制度は、基本的に2階建て構造になっています。

1階部分は「国民年金」・2階部分は「厚生年金」

働き方や立場でどちらに加入するかが決まります

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老後に受け取る年金は、現役時代の加入状況により人それぞれ

 

1階部分:国民年金(老齢基礎年金)

日本国内に住む20歳から60歳未満の全員が加入するのが、国民年金(老齢基礎年金)。すべての人が一律の保険料を納めるため、未納期間などがない限りは受給額に差が出ません。

2階部分:厚生年金

2階部分は、会社員や公務員が上乗せで加入する厚生年金です。収入によって保険料が決まり、事業主と折半して納めます。納めた保険料に応じた年金が受け取れるため、人によって年金額に差がでます。

次で、それぞれの受給額事情を深掘りしていきます。

今のシニア世代、国民年金(基礎年金)の男女差はいくら?

厚生労働省の「令和元年(2019年)度 厚生年金・国民年金事業年報」をもとに、国民年金(老齢基礎年金)の平均月額と受給額分布を見てみましょう。

国民年金・平均年金月額

男女全体:5万5946円
男性:5万8866円・女性:5万3699円

国民年金(基礎年金)みんなの受給額事情

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大きな男女差はありませんね

国民年金(基礎年金)の平均月額は男女ともに5万円台です。いずれも、男女全体の平均から大きくはずれることはなく、国民年金だけで見れば、ほとんど男女差はないといえます。

では、会社員が受けとる厚生年金についても見ていきましょう。

厚生年金の男女差はいくら?

次は厚生年金の平均受給額と受給額分布についても、男女差に着目しながら確認していきましょう。

※厚生年金保険の被保険者は第1号~第4号に区分されます。今回は、民間企業の被用者である「厚生年金保険の第1号被保険者」が受け取る年金額を見ていきます。

厚生年金保険(第1号)・平均年金月額

※厚生年金保険(第1号)の年金月額には、国民年金(基礎年金)部分が含まれます。

男女全体:14万4268円
男性:16万4770円・女性:10万3159円

厚生年金保険(第1号)の受給額事情

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着目したいのは「男女差・個人差」の大きさ!

なんと男女の差は約6万円。月額で6万円なので、年額にして平均約72万円の差があることになります。

差が出る理由は、厚生年金額の決め方にあります。厚生年金は勤務年数や標準報酬月額、標準賞与額によって決まるため、現役時代の給与所得が年金額に響いてしまうのです。

これらは現在年金を受給している人の平均なので、共働きの多い現役世代が受給する頃には、もう少し差が埋まるかもしれません。

しかし国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、男性の平均給与532万円に対して、女性は293万円なのが現状。女性は出産や育児でキャリアダウンすることも多く、男女差が埋まるのはまだまだ先になりそうです。

「家族形態ごと×働き方別」年金額はいくら?

現在の年金受給額を参考にして、家族のパターンごとに受け取れる年金額を試算します。平均から算出し、金額が高い順に並び替えた結果がこちらです。

夫婦ともに厚生年金

26万7929円(夫16万4770円+妻10万3159円)

夫は厚生年金・妻は国民年金

21万8469円(夫16万4770円+妻5万3699円)

男性シングルで厚生年金

16万4770円

夫は国民年金・妻は厚生年金

16万2025円(夫5万8866円+妻10万3159円)

夫婦ともに国民年金

11万2565円(夫5万8866円+妻5万3699円)

女性シングルで厚生年金

10万3159円

男性シングルで国民年金のみ

5万8866円

女性シングルで国民年金のみ

5万3699円

こうしてみると、女性の年金額の低さが一層わかりますね。妻の厚生年金と夫の国民年金を足しても、男性一人分の厚生年金に満たないようです。

年金だけで生活するのが厳しいと感じた場合、どのような対策ができるのでしょうか。次で触れていきます。

自分で老後資金を準備するために

将来受け取る年金には、男女差があるようです。老後に向けて、自分で対策をする必要があるでしょう。

年金に頼るだけでなく、コツコツと老後資金を貯めることも大事です。日々のやりくりで大変かと思いますが、できれば通常の貯金とは別で老後資金を貯めておきたいところ。老後資金には色をつけて、「手を付けないお金」として貯めていきましょう。

金利の高い銀行の自動積立定期預金を利用するのもひとつですが、高い金利は望めません。「手を付けない」という強い意志があるなら、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などを利用して、運用してみるのもいいでしょう。

iDeCoは原則60歳まで引き出しできませんが、運用成績によっては元本を増やすこともできます。税制メリットも高いので、老後まで数十年あるなら検討してみるのをおすすめします。

資産形成のノウハウは、さまざまな形で発信されています。自分なりの方法が見つかり次第、老後を見据えてしっかり対策していきましょう。

参考資料

厚生労働省「令和元年(2019年)度 厚生年金・国民年金事業年報」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)

国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査 概要」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf)

日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html)

NHK「YOASOBIとつくる未来のうた」

公益財団法人 日本ユニセフ協会「SDGs CLUB」

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