40~50代「単身世帯の貯蓄」平均と中央値の差は約600~900万円。老後の収支は?年金は?
LIMO / 2021年12月16日 19時0分
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40~50代「単身世帯の貯蓄」平均と中央値の差は約600~900万円。老後の収支は?年金は?
2021年の世相をあらわす「今年の漢字」に、「金」が選ばれたと公益財団法人 日本漢字能力検定協会より公表されまました(2021年12月13日公表)。
開催直前まで実施可否が議論された東京オリンピック・パラリンピックでは、日本人選手がオリンピックで史上最多の27個、パラリンピックで13個の金メダルを獲得。一方で、給付金についてはさまざまな議論があが ったことなどが理由に挙げられました。
給付金については本当に困っている人のもとへ届いてほしいという声もある一方で、その実態が見えにくいという問題点もあるでしょう。
今回は40~50代の単身世帯、いわゆる「おひとりさま」に視点をあてて、その貯蓄額や老後の収支まで眺めていきます。その平均と中央値の差は数百万円以上にのぼりました。
40代・単身世帯の差は600万円以上
では金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」より、まずは40代単身世帯の方の貯蓄割合を確認しましょう。
40歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)
平均:666万円・中央値:40万円
金融資産非保有:35.5%
200万円未満:21.1%
200~400万円未満:7.9%
400~700万円未満:8.2%
700~1000万円未満:4.3%
1000~1500万円未満:5.5%
1500~2000万円未満:3.6%
2000~3000万円未満:2.5%
3000万円以上:5.7%
無回答:5.7%
40代・単身世帯の方で金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロ世帯の方は35.5%。半分以上が貯蓄0~200万円未満になります。
平均と中央値の差は約620万円。平均は一部の大きな数字に引っ張られやすく、より実態に近いといえるのは中央値になります。
この2つの差が600万円以上もひらいているということは、同じ「おひとりさま」でも格差があるということでしょう。半分以上が貯蓄200万円未満なのに対し、およそ1割は40代で貯蓄1500万円以上を保有しています。
40代といえば就職氷河期世代。非正規雇用で生活が厳しい方もいるでしょう。また、シングルマザーであれば子どもの教育費が最もかかる年代とも考えられます。
50代・単身世帯の差はおよそ900万円
次に同調査より50代単身世帯の貯蓄事情を見てみましょう。
50歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)
平均:924万円 中央値:30万円
金融資産非保有:41.0%
200万円未満:15.2%
200~400万円未満:6.8%
400~700万円未満:8.1%
700~1000万円未満:5.6%
1000~1500万円未満:5.3%
1500~2000万円未満:3.0%
2000~3000万円未満:4.3%
3000万円以上:7.6%
無回答:3.0%
50代単身世帯になると、平均と中央値の差はおよそ900万円です。40代に比べて約300万円も上がりました。
貯蓄0~200万円未満は40代とともに約56%ですが、50代のほうが貯蓄ゼロ世帯が増えています。一方で、貯蓄1500万円以上は約15%に増えています。
ちなみに、60代の単身世帯の貯蓄は「平均:1305万円・中央値:300万円」へ増加しています。中央値が50代と比べて大幅に増加しているのは、退職金の影響もあるでしょう。またお子さんがいるご家庭では、教育費の負担がなくなった影響も考えられます。
しかし60代でも、平均と中央値の差は約1000万円と格差は広がっています。
単身世帯の老後の収支は? 赤字は出るのか
単身世帯の貯蓄を確認することで、格差の広がりが見られました。
2019年には老後に年金以外に2000万円が必要という「老後2000万円問題」も話題になっています。この資産は夫婦2人のものでしたが、おひとりさまのリアルな老後の収支も確認しておきたいですね。
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」より、65歳以上単身無職世帯の1カ月の収支を確認します。
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)
実収入:13万6964円(うち社会保障給付 12万1942円)
支出合計:14万4687円
(支出内訳)
非消費支出計(税金や社会保険料):1万1541円
消費支出:13万3146円
平均で見ると1カ月の支出合計は14万円台。月7723円の赤字が出ることがわかりました。
もちろん上記には個人差があります。収入については厚生年金に加入していれば平均で14万円ですが、国民年金のみでは6万円程度となります。参考までに、厚生労働省年金局の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」からそれぞれの平均月額を確認しましょう。
国民年金の平均年金月額
平均:5万5946円
男性:5万8866円
女性:5万3699円
厚生年金保険(第1号)の平均年金月額
平均:14万4268円
男性:16万4770円
女性:10万3159円
また、上記の支出では住居費が消費支出のうち9.3%とされています。住居費が1万円台の計算となるため、持ち家の方の計算となります。単身世帯の方は賃貸の方も多いので、居住形態によっては支出も変わるでしょう。
数値を一つの参考に今後を考える
単身世帯の40~50代の貯蓄と65歳以上の収支を確認しました。実態を見れば個人差があり、数字だけでは語れないところも大きいですが、上記は一つの参考になるでしょう。
単身世帯のお財布事情を数値で見ると格差や厳しい面も感じます。老後の生活の柱は年金と貯蓄。家をどうするか、というのも生活費を左右するポイントでしょう。
数値を一つの参考にしながら、今、そして将来に向けてとれる自分に合った対策を考えていきたいですね。
参考資料
公益財団法人 日本漢字能力検定協会「2021 年「今年の漢字®」第1位は 「金」」(https://www.kanken.or.jp/kanji2021/common/data/release_kanji2021.pdf)
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/20bunruit001.html)
総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)年報」(http://www.stat.go.jp/data/kakei/2020np/gaikyo/pdf/gk02.pdf)
厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)
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