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「厚生年金と国民年金の月額受給額」はいくら?老後の理想とギャップを知る

LIMO / 2021年12月17日 4時50分

「厚生年金と国民年金の月額受給額」はいくら?老後の理想とギャップを知る

「厚生年金と国民年金の月額受給額」はいくら?老後の理想とギャップを知る

天海祐希さん主演の「老後の資金がありません!」という映画が話題ですね。平凡な主婦が主人公という設定もあり、深刻な老後資金の問題をわかりやすく問題提起してくれています。

金融の知識がある方なら、今後の年金額が下がることは予想できます。しかし、老後の暮らしについて考える機会が少ない方なら、映画の内容に衝撃を受けたかもしれません。

どれだけ節約を心がけても、老後資金の問題は誰にでも降りかかる可能性があります。とりわけ深刻なのは、収入源である年金の月額(※編集部注)。多くの人にとって、理想とはギャップがある金額になるでしょう。

今回は現在年金を受給している方の平均額を参考にしながら、老後資金の問題に向き合ってみたいと思います。

【※参考記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合は?(https://limo.media/articles/-/24659)

そもそも年金ってどんな制度なの?

日本の年金制度は、基本的に2階建ての構造をしています。

【図】年金のしくみを整理!

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公的年金は、国民年金(基礎年金)・厚生年金の2つの制度から成り立ちます

1階部分は国民年金。基礎年金ともいわれるとおり、日本に住む誰もが加入するベースとなる年金です。20歳になれば自動的に加入し、60歳になるまで毎月保険料を納めます。

学生の間や収入が著しく下がったときなどは、免除や猶予を受けることもありますよね。未納期間がある場合は、満額納めた人よりも受給額が下がります。

ただし保険料が一律なので、よほどの未納期間がない限り、そこまで大きな差が出ることはありません。

2階部分は会社員や公務員が加入する厚生年金。国民年金に上乗せしているイメージです。収入の額によって厚生年金保険料が決まり、納めた保険料に応じて年金額が決まります。ちなみに、保険料は事業主と折半して支払います。

では実際に、現在のシニア世代はいくらぐらいの年金を受給しているのでしょうか。次で見ていきましょう。

国民年金の平均月額は5万円台

厚生労働省の「令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業年報」をもとに、現在年金受給している方の平均月額を見てみましょう。

国民年金・年金月額

全体平均:5万5946円

男子平均:5万8866円・女子平均:5万3699円

国民年金「みんなの受給額」

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男女の平均月額には大きな差はありません

男女で大きな差はなく、平均で5万円台ですね。厚生年金に加入していない自営業者などは、この月額が収入になります。おひとりさま世帯も夫婦世帯も、国民年金だけで生活するのは厳しいかもしれません。

厚生年金の月額は14万円台だが、男女差がある

次に厚生年金の月額についても見ていきましょう。厚生年金の加入者のうち、民間企業の会社員が受け取る、厚生年金保険(第1号)の年金月額を確認します。

全体平均:14万4268円

男子平均:16万4770円・女子平均:10万3159円

厚生年金保険(第1号)みんなの受給額事情

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男女差・個人差にも注目

全体の平均は14.4万円。しかし男女別に見てみると、男性の16.4万円に対して女性は10.3万円です。厚生年金は収入に応じて納めた保険料で決まるため、出産育児で仕事から離れる機会の多い女性は、年金が少ない傾向にあるのです。

家族構成で受給額は変わる?

ここからは、先ほどご紹介した年金額を参考にしながら、家族構成によって月額いくらになるかの目安を見てみます。ご自身の家族構成や働き方に近いものを参考にしてみてください。

ケース1 夫が会社員・妻が専業主婦や自営業(フリーランス)

夫婦合算:21万8469円(夫16万4770円+妻5万3699円)

ケース2 夫婦ともに会社員

夫婦合算:26万7929円(夫16万4770円+妻10万3159円)

ケース3 夫が専業主夫や自営業(フリーランス)・妻は会社員

夫婦合算:16万2025円(夫5万8866円+妻10万3159円)

ケース4 夫婦共に自営業(フリーランス)など

夫婦合算:11万2565円(夫5万8866円+妻5万3699円)

ケース5 男性シングルで会社員

16万4770円

ケース6 男性シングルで自営業(フリーランス)

5万8866円

ケース7 女性シングルで会社員

10万3159円

ケース8 女性シングルで自営業(フリーランス)

5万3699円

目安は以上のとおりですが、実際には加入期間や収入で異なります。

会社勤めをしたあと、独立してフリーランスになった方もいるでしょう。自分の年金目安については、ねんきん定期便やねんきんネットなどで定期的に確認するとわかりやすいですよ。

年金では足りない!となる前に

老後のおもな収入源は年金です。今回紹介した年金月額が一つの参考になりますが、ここから介護保険料や健康保険料、税金が引かれることも忘れてはいけません。手取りベースで考えると、さらに少ない金額になるでしょう。

今後年金水準が下がったり、受給年齢が遅くなったりする可能性も考慮しないといけません。

年金では足りそうにないと感じたら、自分で老後資金を貯める必要があります。受給してから足りない!となる前に、早めに対策を始めましょう。

コツは、「老後の生活水準をしっかりシミュレーションすること」と「コツコツ資金を貯めること」です。

老後はどんな暮らしをイメージするかによって、必要な資金が変わるでしょう。巷では「老後2000万円」問題が話題ですが、全世帯で年金以外に2000万円必要というわけではありません。逆に2000万円では足りないこともあるでしょう。

賃貸暮らしなのか持家なのか、夫婦で老人ホームに入居したいのか…暮らしぶりをイメージすることで、まずは必要となる金額をつかみましょう。

目標金額がわかれば、貯金額を逆算して月ごと(年ごと)の積立額をつかみます。

今すぐは教育費や住宅ローン返済などで捻出できないかもしれません。そんなときは、少額の資産運用を検討してみてもいいですね。

貯金とは違い、「運用益が期待できる」「インフレに対応しやすい」というメリットがあります。ただし元本割れのリスクもあるため、長期・分散などでの運用が理想的です。

必要なお金のイメージがつきにくい場合や、投資に不安がある場合などは積極的に情報収集しましょう。

参考資料

厚生労働省「令和元年度 厚生年金・国民年金事業年報」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)

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