年収400万円でも65歳で不労所得の投資FIRE実現して厚生年金に頼らないコツ3選
LIMO / 2021年12月17日 18時45分
年収400万円でも65歳で不労所得の投資FIRE実現して厚生年金に頼らないコツ3選
みなさん、最近、「FIRE」という言葉をよく耳にするようになったのではないでしょうか。
FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の英語の頭文字をとって、文字通り「ファイヤー」と読みます。
日本語に直すと、「経済的に独立して、早期引退」とでも言いましょうか。
まさに夢のような生活ですが、平均年収が400万円の日本で果たして実現は可能でしょうか。
リタイヤしたら毎月どれくらいの不労所得があれば、それなりの生活ができると考えていますでしょうか?
毎月20万円でしょうか?30万円でしょうか、それとも50万円でしょうか?(※編集部注)
今回は、米国発のFIREのコンセプトを振り返りながら、それを年収400万円で実現するためのポイントについて考えます。
【※参考記事】50代で「月25万円の不労所得」、投資FIREで厚生年金への依存から将来脱却する2つの方法と注意点(https://limo.media/articles/-/26439)
そもそもFIREとは何かを超簡単解説
FIREとは考え方は非常にシンプルです。
大きく3つのステップがあります。
「収入-支出」で毎月収支をプラスにできるようにする
プラスの収支分を投資に回す
投資からの収益が毎月の支出を上回るようになれば引退する
たったこれだけです。
とはいえ、数字が全然ないじゃないかという方もいるかと思うので解説していきます。
もっとも、これは世帯ごとに異なるので、自分の生活に置き換えて考えてみてください。
FIREするのに必要なポイントは各自の毎月の生活費がベース
FIREを達成する際に、多くの人が
「1億円資産ができたからFIREする」
「3億円たまったらFIREする」
「10億円ないと不安でFIREできない」
などという資産ベースの話をしがちですが、これは必ずしも正しいアプローチとは言えません。
実はFIRE出来るかどうかは、自分の生活費と運用する資産額できまります。
FIREでカギになるのは「増やす4%ルール」「使う4%ルール」
FIREで欠かせない数字があります。
それが4%という数字です。
この数字は何で使うかというと、2つのポイントがあります。
ひとつは、自分で作った資産の運用パフォーマンスの目安でもあり、もう一つは、毎年自分の資産を取り崩す割合です。
さらに、簡単に言うと、運用して増やした分を取り崩して生活にあてるという発想です。自分の資産を運用して毎年4%を増やし、それを4%取り崩して使うのであれば、自分の資産は毎年一定で減らないことになります。
仮に、1億円の資産運用をし、毎年4%のリターンがあるとすると、年間の投資からの収入はいくらあることになるでしょうか。
答えは、年間で400万円の投資による収入があることになります(ここでは有価証券を売却した際の税金についてはいったん無視をして話をすすめます。日本では売却益に関してはざっくり20%程度の課税がされます)。
これだけあれば、年収400万円とほぼ変わりがないので、今すぐFIREが可能となります。
年収400万円と生活費の組み合わせで必要な資産はいくらかを考える
もっとも、年収400万円で生活費も400万円であるとは一概に言えないので、4%ルールに基づいて考えると、いくら資産が必要となるのか、以下のような場合について考えてみましょう。
生活費が300万円の場合
300万円÷4%=7500万円
生活費が200万円の場合
200万円÷4%=5000万円
生活費が100万円の場合
100万円÷4%=2500万円
4%ルールに基づけば、生活費が少なければ当然、必要な資産も少なくて済むということになります。
これらの資産を今の自分の年齢と比較して、毎月いくらを投資にあてていけばよいかを考えていくと、いつFIRE出来るのかということが見えてきます。
FIREを実現するまでに必要な年数
では、以下、FIREを実現するために何年かかるのかをシミュレーションしてみましょう。
年収400万円で生活費が300万円の場合
先ほど見たとおり、必要な資産の額は7500万円でした。
このケースであれば毎年投資に回せる金額が100万円なので、7500万円を作るには、以下の計算式となります。
7500万円÷100万円=75年
かかることになります。
この前提では、ちょっと早期リタイヤとは言いにくいかと思います。
年収400万円で生活費が200万円の場合
先ほど見たとおり、必要な資産の額は5000万円でした。
このケースであれば毎年投資に回せる金額が200万円なので、5000万円を作るには、以下の計算式となります。
5000万円÷200万円=25年
かかることになります。
FIRE目指して投資をはじめるタイミングにもよりますが、仮に20代で始めると40代で実現可能です。
また、40代で初めてもうまくいけば定年の65歳までに実現も可能かもしれません。
65歳以降には年金収入もあるわけですから、投資収入で生活費が回っているとすると、年金の部分はさらに投資に回せることになります。
投資は早く始めるのに越したことはありません。
年収400万円で生活費が100万円の場合
先ほど見たとおり、必要な資産の額は2500万円でした。
このケースであれば毎年投資に回せる金額が300万円なので、2000万円を作るには、以下の計算式となります。
2500万円÷300万円=約8年
こうなると意外と自分もFIRE出来るのではと思う方も出てくると思います。
基本は、生活費を以下に抑えるかが大事かを理解していただけるかと思います。
なぜ4%なのか、意外な2つの理由
FIREはもともと米国発の考え方ですが、これには大きく理由が2つあります。
ひとつは、毎年4%を取り崩していけば、資産運用がうまくいかず、リターンが毎年0%でも、25年間は切り崩すことができるからです。
仮に65歳で引退しても、25年間持つのであれば、寿命は人によってそれぞれ異なりますが、90歳まで資産はもつことになります。
また、もうひとつは、米国の株式市場を振り返ってみると、計測する期間にもよりますが、S&P500といった米国を代表する株価指数の年平均リターンは4%を超えています。したがって、4%ルールというのは決して夢物語ではないということがわかります。
もちろん、資産をすべて株式で運用するということも稀でしょうが、理屈上、長期運用する上では過去の実績に基づけば4%ルールも可能だったといえます。
日本株式がメインの対象だった投資家からすれば、なんと羨ましいことでしょう。
FIREは「足るを知る」を大事にする発想
「年間の生活費が100万や200万円で済むはずがないだろ!」と指摘される方もいるかもしれませんが、例えば以下のようなケースはどうでしょうか。
両親からの引き継いだ自宅があり、家賃がかからない
地方で生活をしていて、自給自足をしながら生活をしている
以上のようなケースであれば実現は可能です。
FIREの発想は、「ゆとりがある引退」というよりかは「足るを知る」という節約して生きるという考え方が根底に流れています。
年収400万円で不労所得でFIREを達成するための3つのコツ
それではここまでFIREをざっくり理解していただいたかと思いますので、年収400万円でFIREを達セするためのコツを3つほど紹介します。
その1:生活費を切り詰め、可能な限り投資へ回す
ここまで見てすでにお分かりだと思いますが、いくらの生活費が必要かでFIREに必要な資産の額も決まります。
また、生活費が少ないことでFIREに必要な資産を準備できる期間も短くなるというのも見てきました。
生活費の水準は低いに越したことはありません。
その2:長期で成長する資産を見つけ、余剰資金でつみたて投資をする
4%ルールで考えると、毎年の生活費が資産の4%の割合であれば、インフレがなかりせば、資産運用でパフォーマンがゼロであっても25年間持たせることが可能です。
ただ、長期で資産価格が上昇するような資産を見いだせれば、FIREするための環境は圧倒的に改善します。
その3:年金受給までは可能であれば年収を増やし、生活費を下げるように努める
FIREを目指す方には、やや刺さりにくい話かもしれませんが、65歳になれば現役時代に会社員等であった人であれば、厚生年金を手にすることができます。
したがって、FIRE出来ないと思っても、何とか定年時までにFIREができるような環境づくりをする方がいいと思います。
そこまでは年収を上げる努力であったり、生活費を下げる努力であったり、65歳までにFIREができるようにしておけば、年金をあてにしない老後を迎えることができます。
まとめにかえて
いかがだったでしょうか。
「FIREなんて無理」
「少額なんかつみたてて意味あるのか?」
「資産運用なんて意味ない」
というように考えている人もいるかもしれません。
不労所得というとよくわからないという人もいるでしょうが、「意外とFIREも身近になった」と思っていただければ、幸いです。
参考資料
50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法(https://limo.media/articles/-/24980)
インデックスファンドで不労所得を手にしてFIRE(経済的自由と早期リタイヤ)は実現できるのか?(https://limo.media/articles/-/26319)
つみたてNISAは米国株式インデック投信か全世界株式インデックス投信、どっちらがおすすめ?(https://limo.media/articles/-/26202)
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