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厚生年金「一人で月に20万円以上」の女性は全体の何パーセントか

LIMO / 2021年12月18日 17時55分

厚生年金「一人で月に20万円以上」の女性は全体の何パーセントか

厚生年金「一人で月に20万円以上」の女性は全体の何パーセントか

Go To トラベルの制度変更が発表されましたが、年末年始の状況を見極めてということで、再開の時期は未定です。国内旅行どころか、気軽に海外旅行に行けるのはまだまだ先になりそうですね。

定年退職後は、自由に海外旅行に行く老後を夢見る方も多いと思います。

ただ、今後コロナが終息したとして、老後を優雅に過ごすにはどれくらいの余裕が必要なのでしょうか。最近では現役世代で仕事をしなくても手にできる不労所得というキーワードも注目を集めています(※編集部注)。

年金収入は不労所得とは性質は異なりますが、仮に厚生年金が月額20万円だとすると、生活費を月に20万円以下に抑えれば収支がトントン。年金月額が下がるほどに、生活が苦しくなり海外旅行は遠のくでしょう。

年金の額は人によって大きな差があり、特に女性の年金月額は少ない傾向があります。女性で20万円以上の年金を受給できる人は、どれくらいいるのでしょうか。

【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法(https://limo.media/articles/-/24980)

日本の年金制度は2階建て

まずは年金のしくみを理解しておきましょう。年金には国民年金(基礎年金)と厚生年金があり、2階建ての構造になっています。

働き方や立場によって、加入する年金制度は異なります

現役時代の年金加入状況によって、老後に受け取る年金は人それぞれ

1階部分が国民年金で、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。そして2階部分が、公務員や会社員が上乗せして加入する厚生年金です。

それぞれの平均受給額は厚生労働省の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」で公表されているので、くわしく見ていきましょう。

まずは国民年金の平均額をチェック

全体:5万5946円

男性:5万8866円

女性:5万3699円

国民年金の平均は、男女ともに5万円台でした。保険料が一律(※)なので、性別や現役時代の収入などは影響せず、差はほとんど開かないと考えられます。

(※)国民年金の保険料は「1万7000円×保険料改定率」で計算されており、2021年度は1万6610円です。

それでは厚生年金の月額平均と、20万円以上受け取っている人の割合を見ていきましょう。

厚生年金の平均は約14.4万円

厚生年金の平均受給額は、以下のとおりになっています。

厚生年金保険(第1号)の平均額をチェック

全体:14万4268円

男性:16万4770円

女性:10万3159円

※厚生年金保険(第1号)の年金月額は、基礎年金(国民年金)部分を含みます。

男女差・個人差に着目!厚生年金の受給額事情

平均額の男女差は約6万円

平均は約14.4万円で、20万円には届きません。男女差が6万円あるのもポイントですね。この調査は現在年金を受給している人が対象なので、共働き世帯も少なく、それが影響しているのでしょう。

【ご説明】「第1号厚生年金被保険者」とは

厚生年金は現在、下記のように分類されています。

第1号厚生年金被保険者…厚生年金保険の被保険者のうち、民間の事業所に使用される者
第2号厚生年金被保険者…旧共済年金の加入者(国家公務員共済)
第3号厚生年金被保険者…地方公務員共済の加入者
第4号厚生年金被保険者…私立学校共済の加入者

参考:企業年金連合会「第一号厚生年金被保険者」

では、月額20万円に届く人はどれくらいいるのでしょうか?次で整理していきます。

厚生年金「月20万円以上」の男性は4人に1人

まずは男性から確認しましょう。

厚生年金保険(第1号) 男子

平均年金月額:16万4770円(計1066万6981人)

【内訳】

~5万円未満:15万977人

5万~10万円未満:97万6724人

10万~15万円未満:261万3866人

15万~20万円未満:436万9884人

20万~25万円未満:224万9128人

25万~30万円未満:28万8776人

30万円以上:1万7626人

男性の平均は16万4770円で、ボリュームゾーンは15万~20万円未満。この結果によれば、男性の4人に1人は厚生年金月額20万円に届くようです。女性の場合はどうでしょう。

厚生年金「月20万円以上」の女性は全体の何パーセント?

では、厚生年金を月20万円以上受け取る人の割合を、女性についても見ていきます。

厚生年金保険(第1号)女子

平均年金月額:10万3159円(計531万9978人)

【内訳】

~5万円未満:31万5100人

5万~10万円未満:234万1321人

10万~15万円未満:218万2510人

15万~20万円未満:41万2963人

20万~25万円未満:6万3539人

25万~30万円未満:4166人

30万円以上:379人

女性の場合、平均が10万3159円で、ボリュームゾーンは5万~10万円未満。気になる「月額20万円以上」は、なんと1.3%という結果になりました。

約50%が10万円未満という結果を見ると、将来に向けてなんらかの対策が必要だと思えますね。

老後は夢をみたい!そのためにはしっかりと準備を

退職後は海外旅行も含め、いろいろな夢を見ていると思います。そのためには、老後の生活をしっかりと考える必要があります。

女性の厚生年金月額平均は10万3159円。約半数が10万円未満という現状を知った今、まずは自分の年金見込み額を把握することが大切です。

「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などで確認してみましょう。その上で、「年金額を増やす」もしくは「老後に向けた資産形成をする」ということが必要になります。

年金額を増やす方法

女性でパート勤めの場合、今後厚生年金に加入できるかもしれません。

現在は501人以上の従業員がいる事業所が対象の厚生年金も、2022年10月からは101人以上の事業所に拡大されます。さらに2024年10月には、51人以上の事業所も対象に。

「週の所定労働時間が20時間以上」などの条件がありますし、給与水準が変わらなければ厚生年金保険料の支払いで手取り金額が減るデメリットはあります。ただし、年金額が増えるのも事実。

厚生労働省の「社会保険適用拡大 特設サイト」には、年間給与ごとの年金額目安が載っています。微々たる金額だとしても、「生きている間はずっと受け取れる」という終身年金は、これからの「人生100年時代」を支えてくれるでしょう。

老後に向けた資産形成をする

さらに、老後に向けた資産形成もコツコツ始めてみましょう。資産が多いほど、老後の夢は膨らみます。

「退職後は生活水準も下がるので、そんなに資産は必要ない」という意見もありますが、医療費や介護費は今よりも増えるでしょう。

収入源が年金だけになるなら、現役時代よりも月収が大幅にダウンします。それらも加味して、コツコツ準備をしておきたいですね。早めの準備を始めてみましょう。

参考資料

厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業年報」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)

企業年金連合会「第一号厚生年金被保険者」(https://www.pfa.or.jp/yogoshu/ta/ta24.html)

厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」(https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/)

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