1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

厚生年金と国民年金「いくら払って、いくらもらえる?」老後を楽しむための年金講座

LIMO / 2021年12月23日 4時55分

厚生年金と国民年金「いくら払って、いくらもらえる?」老後を楽しむための年金講座

厚生年金と国民年金「いくら払って、いくらもらえる?」老後を楽しむための年金講座

12月も後半になり、冬季ボーナスを受け取った方もいらっしゃるでしょう。

帝国データバンクの調査によると、前年より支給額が増加した企業は18.5%。

一方で、ボーナス自体がなかった企業は12.0%。コロナ禍での経済不安はまだまだ終息されず、お財布に響いている方も多いでしょう。

そんなボーナスですが、ここからも年金保険料が引かれていることをご存知でしょうか。

月々の給料だけでなく、賞与からも天引きされる年金保険。一体いくら払い、そして将来はいくら受け取れるのか不安になりますよね(※編集部注)。

今回はそんな年金事情にせまります。

【※参考記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合は?(https://limo.media/articles/-/24659)

まずは年金制度を知ることが大切

皆さんが加入している年金は、2階建ての構造をしています。

国民年金・厚生年金「あなたはどちらに加入中?」

働き方・立場によって加入する年金制度が変わります


一階は、日本に住む20歳から60歳未満の人が全員加入する国民年金(老齢基礎年金)。そして2階にあたるのが、会社員や公務員が上乗せして加入する厚生年金です。

自営業者やフリーランスなどが払うのは国民年金保険料だけで、将来受け取れるのも国民年金だけです。

会社などに勤めている方は、国民年金を含んだ厚生年金保険料を事業主と折半して支払い、将来は国民年金に上乗せして厚生年金が受け取れます。

国民年金「いくら払っていくらもらえる?」

私たちが最初に「年金」に触れるのは、20歳になったときです。20歳になれば自動的に「国民年金」に加入し、毎月保険料を納めることになります。

保険料は毎年改正されており、2021年度は月額1万6610円。ちなみに保険料は上昇傾向にあります。

保険料をきっちり40年間納めた場合、国民年金を満額受け取れます。令和3年度の満額は月額6万5075円。学生納付特例制度を利用したり、失業などで免除・猶予を受けたりした場合は、満額から差し引かれるしくみです。

実際に、現在国民年金を受給している方の平均受給額も見てみましょう。

国民年金の受給額事情

全体平均年金月額:5万5946円

男子平均月額:5万8866円

女子平均月額:5万3699円

国民年金「みんなの受給額」

男女ともに平均月額は5万円台ですね。


厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」によると、国民年金の平均は5万5946円でした。6万円~7万円を受給している人が多く、満額との差額は約1万円です。

次は厚生年金の実情にせまりましょう。

厚生年金「いくら払って、いくらもらえる?」

厚生年金の保険料は、収入によって決められます。

正確には「標準報酬月額」や「標準賞与額」に18.3%をかけて算出します。事業主と折半するため、この半額が納める厚生年金保険料となるのです。

標準報酬月額とは、月給額を32等級に区分し、その等級に該当する金額のこと。ここでは目安として、等級が10、20、30の人の厚生年金保険料をご紹介します。

【等級(標準報酬月額):厚生年金保険料】

等級10(16万円):1万4640円

等級20(32万円):2万9280円

等級30(59万円):5万3985円

これらを納付することで、将来厚生年金が受給できるようになります。では今のシニア世代はいくらぐらいの厚生年金を受給しているのでしょうか。民間企業の会社員が受け取る、厚生年金保険(第1号)の年金月額を見ていきます。

厚生年金保険(第1号)の受給額事情

全体平均年金月額:14万4268円

男子平均月額:16万4770円

女子平均月額:10万3159円

厚生年金保険(第1号)年金月額分布

平均月額の男女差は約6万円

同じく厚生労働省の「国民年金事業年報 令和元年度」によると、厚生年金の平均受給額は月額14万4268円でした。ただし男性16万4770円、女性10万3159円と差が見られます。

※厚生年金保険(第1号)の年金月額には、国民年金(基礎年金)部分が含まれます。

これは男女差というより、収入の差が年金額に表れたといっていいでしょう。女性は男性に比べ、出産や育児で離職したりキャリアダウンしたりすることが多いです。今のシニア世代は共働きも少なかったので、自然と差が開いてしまったのでしょう。

自分が今の働き方で同じように年金保険料を納めていったとき、いくらの厚生年金を受け取れるのか。これは現在のシニア世代の平均を参考にするよりは、ねんきんネットなどで試算する方が近道になりそうです。

年金だけに頼らない!「老後対策」はしっかりと

毎月の給料やボーナスからも天引きされる厚生年金保険料。手取りが減るのは憂鬱ですが、それが将来の年金になります。

これからは「人生100年時代」ともいわれるように、私たちの老後は長いです。「何年生きるかわからないけれど、生きている限りは受け取れる」そんな年金制度は、老後を支えてくれる頼もしい収入源になるでしょう。

ただし、年金だけで生活できるのかと言えば、話は別です。

今の平均は月額約14万円ですが、今後も同じ水準とは限りません。むしろ高齢化社会が進むにつれ、減る可能性があります。年金に頼りすぎることなく、自分で資産をつくることも大切です。

毎月の家計に余裕があるなら、その分を老後の貯蓄に回してもいいでしょう。

しかし教育費や住宅ローンの返済で、あまり余裕がない家庭も多いです。

月々の家計から捻出できるのが少額なら、「その分には絶対に手をつけない!」という意思で別口座に貯めていけるといいですね。自動積立定期預金を利用してもいいですし、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)で運用する方法もあります。

資産運用でいえば、つみたてNISAも少額から始められるメリットがあります。自分に合う方法は、働き方や家族構成、今後のライフプランなどでも変わるもの。お金の情報はたくさん発信されているので、積極的に情報収集してみましょう。

参考資料

帝国データバンク「2021年冬季賞与の動向調査」(http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p211202.html)

日本年金機構「国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?」(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150331-02.html)

日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202104/202104nenkingaku.html)

厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」

日本年金機構「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください