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働く主婦、扶養を外す時給ライン「1500円以上」が過半数。来秋パートの社会保険の適用拡大へ

LIMO / 2021年12月23日 18時15分

働く主婦、扶養を外す時給ライン「1500円以上」が過半数。来秋パートの社会保険の適用拡大へ

働く主婦、扶養を外す時給ライン「1500円以上」が過半数。来秋パートの社会保険の適用拡大へ

年が明けて2022年10月にはパートの社会保険適用が拡大されます。今までも従業員数501人以上の企業に勤め、一定要件を満たしたパートの方は社会保険に加入できました。これが来秋には、従業員数101人以上へと拡大されます。

2016年よりはじまった、パートの社会保険適用の拡大。働く主婦が気になるのが「年収の壁」でしょう。所得税や配偶者控除などを気にして、働き方をセーブしている方もいます。

『しゅふJOB総研』が2021年3月24日(水)~2021年3月31日(水)にビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』に登録している働く主婦・主夫655名に行った「扶養枠と時給」に関するアンケート調査によると、時給換算で「1500円以上」なら扶養枠を外して働こうと思える方は24.6%でした(2021年6月21日公表)。

働く主婦・主夫の収入事情についてみながら、来年の改正ポイントも確認しましょう。

働く主婦・主夫、4割が「収入制限を気にしない」

同調査より、まずは働く主婦・主夫が希望している2021年の収入上限をみてみましょう。

出典:しゅふJOB総合研究所調べ

金額別では、配偶者控除や夫の家族手当支給枠内である「年収103万円」を意識して働く方が31.0%でした。お子さんが小さくて働く時間が十分に取れない方は「年収103万円の壁」を気にして働く方も多いでしょう。

一方で、収入制限は気にしていないという意見が最も多く約4割です。「稼げるだけ稼ぎたい」と考えている方も一定数いると考えられます。

収入を増やすには、どうしても「働く時間」を増やす必要があります。しかし小さなお子さんを抱えているご家庭では、幼稚園や習い事の送迎等で働く時間を十分に取れないでしょう。「仕事と家事・育児の両立に体力が持たない」という声もあります。

家事・育児の両立と体力のためにも、「週3~4日、9~15時くらいまで」といった働き方を希望される方も多いのではないでしょうか。

扶養を外す時給ライン「1500円以上」が過半数

では、時給換算でいくら以上になれば「扶養を外して働こう」と思えるのでしょうか。

出典:しゅふJOB総合研究所調べ

最も多かったのが「1500円以上」で24.6%でした。次に多いのが「2000円以上」で12.7%です。

半数以上の方が時給換算で1500~2000円以上と答えていますね。

厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」によると、東京都の最低賃金時間額は1041円。最低賃金の地域差は大きいですが、これより500円ほど高ければ扶養を外して働こうと考えられるようです。

いくらくらいの仕事であれば扶養枠を外すかを尋ねた際、「1000円以上」の範囲で回答した人の理由を見てみましょう。

短時間で稼げないと家事や育児の時間が取れないので時給は高いほど良い(40代:パート/アルバイト:2000円)

枠を外すと家事や子供と関わる時間が大幅に減少することが考えられるが、それでもこれだけの時給で働かせてもらえば、自分は頑張っていると思うことがきっと出来ると思うから(40代:契約社員:1800円)

1500円以下の時給で扶養枠を外すにはかなりの労働時間が必要だから(50代:パート/アルバイト:1500円)

家事・育児との両立で長時間働けないため、時給が高ければ検討できると考える方が多いようですね。

また、扶養を外れれば子どもや家庭のことにかける時間が減ります。両立の大変さから、時には何もかも中途半端になり落ち込むこともあるでしょう。それでも「自分は頑張っている」と思える一つとして収入が関係しているようです。

社会保険、適用拡大のポイントは?

2022年10月から拡大される、社会保険の適用。最後にその条件なポイントを確認しましょう。

来秋からは社会保険従業員101人以上の企業で働き、以下の一定要件を満たしたパートの方は社会保険へ加入できるようになります。

週の所定労働時間が20時間以上であること

雇用期間が継続して2ヶ月を超えて見込まれること

賃金の月額が8万8000円以上であること

学生でないこと

社会保険(健康保険・厚生年金)へ加入することで保険料を支払う必要があるため、たしかに手取りは減ります。

一方で、健康保険に加入することで、傷病手当金や出産手当金といった保障も受けられます。

傷病手当金は、条件を満たせば、病気やケガの療養のために仕事を休んだ4日目以降の仕事に就けなかった日から、給与の3分の2相当を最長で1年6ヵ月間受け取れる制度。

これまで支給期間は「支給開始してから1年6カ月」でした。しかし2022年1月から支給期間が支給開始日から「通算して1年6か月」へと改正されます。

出産手当金は「出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)~出産日の翌日以降56日」まで、休業中に給与の3分の2相当が支払われます。万が一のときや出産のときに給与が支払われると安心ですね。

厚生年金に加入することで、老後の年金受給額も増えるでしょう。

実際に賃金が上がるかというと、現状では難しいところが多いです。扶養を抜けるか、社会保険に加入するかはご家庭の環境や個人の事情によるところが大きくなります。

制度の改正を機に、それぞれメリット・デメリットを出した上で今後の働き方について考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html)

日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html)

国税庁「No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1800.htm)

PRTIMES「最低賃金の理想はいくらなのか? 働く主婦・主夫層に聞く、扶養を外す時給ライン「2,000円以上」なら約9割」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000638.000003176.html)

厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/)

全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/)

全国健康保険協会「出産手当金について」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r311/)

厚生労働省「令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22308.html)

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