”魔の学年”って本当!?「小4の壁」を成長のきっかけにする子どもとの向き合い方
LIMO / 2021年12月26日 17時30分
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”魔の学年”って本当!?「小4の壁」を成長のきっかけにする子どもとの向き合い方
逆転の発想
学力差が出始める学年、勉強につまづきやすい学年…と、負の側面がなにかと強調されがちな小学4年生。「小4の壁」「10歳の壁」などと呼ばれ、小学生の子どもを持つ保護者なら一度は耳にする言葉です。
しかし、見方を変えれば、小学4年生は学力を伸ばし自信をつけさせることができる学年でもあります。今回は、小学4年という学年を乗り越え、それ以降の成長につなげるきっかけの年にするには具体的に何をしていけば良いのか、何が必要なのか考えていきます。
学力グループが固定されていく
小学4年生というと、地域や学校によっては学童保育が終了する学年であったり、反抗期に突入するなど、親にとっては色々と悩みが増えていく学年です。
心理面でも、他者との違いを強く意識するようになり、子どもから徐々に大人への階段を上り始める年頃。個人差はありますが、それまでの「子どもらしさ」が薄れて、親など周囲の大人とぶつかることも多くなります。
一方、学校では小数など、ぱっと見てすぐに答えを導き出せない単元を学ぶようになります。抽象的な学問に触れることに自分の心の変化も加わり、将来に対して不安を覚えたり、優秀なクラスメイトに対して劣等感を抱いたりする子も出てきます。
自信を持てない子は今まで以上に「勉強が得意ではない」と感じるようになり、やる気が出てこなくなる。その一方で、低学年の頃からコツコツ真面目に勉強してきた子には、クラスメイトの苦戦を尻目にテストで高得点を連発する子も出てくる。
小学4年生を境に学力差が目立つようになるのは、決して学習内容の難易度が上がるという理由だけで片づけられません。精神面での成長と勉強内容のレベルアップが絡み合う学年が小学4年生に当たり、伸びる子と伸び悩む子の差が目立つようになってくるのです。
飛躍の学年にするには
ただ、多くの親にとって「悩みの学年」である小学4年生も、何か特別な魔法がなければ全員脱落してしまうというほど厳しいものではありません。では、小4を飛躍の学年にするには、どうすれば良いのでしょうか。
まず、子ども自身に一つでも得意なことがあれば、それが大きな自信となり、難題に直面しても乗り越えられる原動力となります。
「得意なこと」は勉強に限定せず、図工や体育、または人前で話すのが得意など、どんなことでも構いません。何か他の人より秀でているものがあれば、物事をポジティブに考え、困難に立ち向かえる強さを伸ばすことができます。
得意なことが勉強以外だと、親から「こんなことができても…」と一蹴されることもありますが、無視したりけなしたりするような言動をせず、子どもの得意なことを認め、理解するようにしましょう。そういった親の姿勢が、小学4年の壁を乗り越えるサポートになります。
それに加えに、やはり重要となってくるのは勉強です。何時間も勉強を無理強いさせる教育虐待は論外ですが、基本的な学力は必須。日頃から、習った漢字をしっかり書けるよう、また四則計算でミスをしないように基本問題を繰り返す。こうして基礎固めをする地道な努力は小学4年生以降に実を結ぶので、軽視してはいけません。
また、既習内容があやふやな場合は、つまづいた学年や単元まで戻って復習をすることも大切です。「抜け」があると土台が強固にならず、学年が上がっていくとボロボロと壊れていきます。
自信と基礎学力の2つの柱がないと、壁にぶつかったときに乗り越えることが難しくなる。逆に、その2つがあれば着実に乗り越えて自分の能力を発揮できるようになる。分岐点となる学年を無事に過ごし、その後の飛躍につなげるには、心と学力のバランスがカギとなってきます。
高学年進級や中学進学に備えて
高学年になると算数では速さや道のり、割合といった算数嫌いの決定打になってしまう重要単元を学びます。さらに、教科化された英語や中学進学が待ち受けています。
ただし、子どもの成長や進路を考えるとき、「小4の壁」にあまりにもとらわれていると、先のことに意識が向かなくなってしまいます。また、子どもの成長は個人差があるので、全ての子に「小学4年=壁」が当てはまるとは限りません。日頃から自分の子どもがつまずき始めていないかを気にかけるほうが現実的です。
また、壁が出現した時に乗り越えられるよう日頃から地道に基礎学力をつけることはもちろんのことですが、子どもの好きなことや得意なことに理解を示すことも「つまづきやすい学年を飛躍する学年に」転じるためには不可欠な要素です。
「壁」と聞くとデメリットにしか思えませんが、違う見方をすれば子どもの成長を促すきっかけにもなります。親も身構えず、その時を心待ちにできるゆとりを持ちたいものですね。
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