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離婚で気になる養育費の相場はいくらか。年収や子どもの数で変わる?弁護士が解説

LIMO / 2022年1月1日 15時45分

離婚で気になる養育費の相場はいくらか。年収や子どもの数で変わる?弁護士が解説

離婚で気になる養育費の相場はいくらか。年収や子どもの数で変わる?弁護士が解説

子どもがいる夫婦が離婚をする際には、どちらか一方の親を親権者に定める必要があります。そして、養育費は、父母の協議により定めることになります。

さて、養育費には相場はあるのでしょうか。自分が離婚した場合、養育費はいくらもらえるのか、あるいは、いくら支払わなければならないのかが気になっている方は多いのではないでしょうか。

そこで、今回は、養育費の相場や一度決めた養育費の変更が可能かどうかについてご説明したいと思います。

養育費の相場

裁判所は、「養育費算定表」に基づき、双方の親の年収、子の数及び子の年齢を基準に、養育費を決めています。養育費算定表は、裁判所のサイトでも公開されていますので、気になる方はご覧になってください。

調停や審判の場合だけではなく、父母の協議による場合にも、養育費算定表を参考に養育費の金額を決める場合が多いです。

たとえば、下記のケースを例にしてみましょう。

夫婦:ともにサラリーマンで給与収入

親権者になり子の養育監護を行う親の年収:300万円

親権者ではない親の年収:600万円

子ども:3歳の子が1人

この場合、毎月の養育費は約5万円となります。

また、父親が自営業者で年収1000万円、母親が無職、12歳と16歳の子が二人という夫婦が離婚し、母親が親権者となる場合の毎月の養育費は、約25万円となります。

なお、「養育費算定表」は簡易な算定表(2万円ごとの幅のある金額)であり、あくまでも目安に過ぎません。審判になった場合には、権利者と義務者の基礎収入割合などを基準に、別の計算式で1000円単位で養育費が算定されることになります(紙面の関係上、詳しい計算式の説明は、省略します。)。

一度決めた養育費の変更

次に、一度決めた養育費の金額を変更することが可能かどうかについてご説明します。

一度、協議や調停で金額が決まった養育費であっても、その後に「事情の変更」が生じた場合には、養育費の増額や減額が認められます(民法880条)。

事情の変更が認められるためには、以下の条件が必要であるとされています。

合意等の前提となっていた客観的事情に変更が生じたこと

その事情変更を当事者が予見できなかったこと

事情変更が当事者の責に帰すべからざる事由によって生じたこと

合意どおりの履行を強制することが著しく公平に反する場合であること

参考:松本哲泓「改訂版 婚姻費用・養育費の算定」(新日本法規)・194頁)

ここからは、養育費の増減が認められる代表的な事例をご紹介します。

養育費を支払う側の年収が大幅に落ちた場合

まず、養育費を支払う側の年収が大幅に減少した場合には、養育費の減額が認められる可能性があります。

具体的には、収入が2割程度減少した場合には、養育費の減額が認められる可能性が高いです。

ただし、養育費の合意をしたときに予想できるものについては考慮されません。合意時に、養育費を支払う側で転職することがすでに決まっていて、給与が減少することが予想できたような場合には、合意後に実際に減収したとしても、養育費の減額は認められないでしょう。

養育費をもらう側の年収が増加した場合

次に、養育費をもらう側の収入が増加した場合には、養育費の減額が認められる場合があります。

子を監護する権利者の収入が合意当時よりも増加すれば、分担額算定の前提事実に変更が生じているので、その変更の程度によっては、事情変更として、分担額減額の理由となると先述の参考文献にあります。

具体的には、合意時には無職であったが、その後、正社員になった場合等です。ただし、アルバイトや非正規労働者など、収入の増加が一時的なものにとどまる場合には、直ちに、養育費の減額が認められるわけでないとされています。

そして、養育費を支払う側が再婚して扶養家族が増えた場合にも、養育費の減額が認められる可能性があります。

また、養育費をもらう側が再婚して、子どもが再婚相手と養子縁組をした場合にも、養親が第一次的な扶養義務者となるので、通常、養育費を支払う側が負担する養育費の減額事由になるとされています。

逆に、養育費を支払う側の年収が合意時よりも大幅に増加した場合や、養育費をもらう側の年収が大幅に減少した場合には、養育費の増額が認められる可能性があります。

毎月の養育費以外にもらえる費用

算定表では、子の監護に必要な費用については考慮されていますが、特別な費用(私立学校の学費、子の入院費用、大学の進学費用、留学費用等)については考慮されていません。
 
特別費用については、「双方の年収に応じて負担する」との約束がされることが多いです。

ただし、算定表では公立学校の学費はすでに考慮されていますので、私立学校の学費から公立学校の学費を控除した金額について、双方の年収に応じて負担することになります。

参考資料

裁判所「養育費・婚姻費用算定表」(https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html)

松本哲泓「〔改訂版〕婚姻費用・養育費の算定」(http://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/5100131/)

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