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つみたてNISAの最適な売り時とは?年代別の出口戦略やiDeCoとの併用を考えよう

LIMO / 2022年1月6日 16時45分

つみたてNISAの最適な売り時とは?年代別の出口戦略やiDeCoとの併用を考えよう

つみたてNISAの最適な売り時とは?年代別の出口戦略やiDeCoとの併用を考えよう

投資から20年間、利益にかかる税金を非課税にできる少額投資積立制度「つみたてNISA」。通常約20%かかる税金がなくなるとあって、多くの人が積極的に活用をはじめています。

その一方で、非課税期間終了後の扱いに悩みをかかえる人も増加中。つみたてNISAは20年の非課税期間を終えた後、どうすればいいのでしょうか。今回はつみたてNISAの非課税期間終了後の行動、いわゆる出口戦略について、年代別に解説します。

【復習】つみたてNISAとは

あらためて「つみたてNISA」の制度について復習しておきましょう。

つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための制度です。つみたてNISA専用の口座を利用した投資に対しては、最長20年間が非課税期間とされ、利益に対し税金がかかりません。

つみたてNISAは2018年1月からスタートし、2042年まで投資可能期間が設けられています。非課税期間は投資した年ごとに約20年が設定されます。2018年に行った投資に対しては2037年まで非課税。2042年に行った投資は、2061年までが非課税期間とされます。

各年ごとに利用できる非課税枠は40万円が上限。2018年から積み立て始めるなら、2042年までの約25年間で合計1000万円までの非課税投資枠が利用できます。

つみたてNISA口座から投資できる金融商品は、金融庁が厳選した投資信託商品のみが対象とされています。金融商品は、全額を株式に投資しハイリターンを目指す「株式100%型」と、債券やリートなど複数の投資先を組み合わせ安定した収益を目指す「複合資産型」に分類。

商品ごとに投資先が異なりますが、2021年9月時点においてはすべての金融商品が含み益を出すといった好調ぶりを見せています。

年代別つみたてNISAの出口戦略

つみたてNISAは約20年間の非課税期間終了後には、自動的に課税口座(特定口座・一般口座)へ移し替えられます。この際、仮に2018年に投資した40万円が2037年に含み益を含め90万円となっているなら、課税口座へは取得価格90万円の投資信託とされます。

こうして非課税期間終了後に課税口座へと移し替えられた後、どのような行動を取るのがよいのでしょうか。そのまま投資を続けるか、売却して現金化するかといった選択肢がありますが、選択できる答えは年代によって異なります。

30~50代は課税口座で再投資

2022年に20才で積立した投資信託は、2041年39才で非課税期間が終了します。非課税期間終了時点で30~50代であるなら、そのまま移し替えられた課税口座で運用を続けるといいでしょう。仮に40万円を20年間、年利3%で運用できれば、最終的には約72万円まで増加。また非課税期間中に発生した約32万円の利益に税金はかかりません。

さらに、課税口座に移された後も72万円を年利3%で運用できれば、20年後には約130万円。約58万円の利益に対し約12万円が課税されても、手元には118万円が残ります。

投資信託は長期間安定した運用を行うことで、大きな利益が生まれます。つみたてNISAの非課税期間が終了した時点で十分な収入を得られる年齢なら、そのまま運用を続けるのがよいでしょう。

ライフステージごとに発生する出費に応じて売却

30~50代は、ライフステージの変遷に応じて多くのイベントが発生する年代。子どもの進学や自宅の修繕など、まとまったお金が必要になるシーンが増えてきます。そうした大きな出費への備えとして、つみたてNISAを利用する家庭も少なくありません。

つみたてNISAは一般的な投資信託と同様に、いつでも売却が可能です。また非課税期間中にどのタイミングで売却しても、もちろん課税されません。大きな出費に対する備えとしてつみたてNISAを活用し、計画的に売却するのもよい使い方です。

なお、つみたてNISAで運用していた投資信託を売却しても、非課税投資枠は回復しない点には注意しましょう。

含み損が小さいうちに早期売却も

一方、つみたてNISAは非課税期間終了後、その時点の運用成績にかかわらず自動的に課税口座へ移し替えられます。その時点で含み益があるなら、元本が増えた状態で課税口座での運用をスタートできますが、含み損がある場合には注意が必要です。

仮に初年度に投資した40万円が20年後に35万円まで減っていた場合、課税口座には取得価額35万円で移し替えられます。その後運用の結果40万円まで戻したとしても、5万円の利益は課税対象となり、約1万円の税がかかってしまいます。

もし含み損が大きい状態で非課税期間の終わりを迎えそうな場合には、含み損が大きくならないうちに早期売却し、再投資のタイミングを測りましょう。

60代以降は非課税期間終了時に売却

非課税期間が終了した時点で60歳を超えているようなら、課税口座に移し替えられたと同時に売却を検討してよいでしょう。

2013年に制定された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により、2025年4月1日以降の定年が65歳へと引き上げられました。しかし現在は経過措置期間であり、60歳定年のままである企業も少なくありません。公的年金の受給は繰り上げ制度を利用しない限り65歳から。定年から年金受給開始までの生活資金が十分に確保できていないようなら、つみたてNISAを売却した分を活用してもよいでしょう。

また、60歳以降におけるつみたてNISAの売却タイミングは、つみたてNISAを積み立てた年齢によっても異なります。仮に2022年から45歳でつみたてNISAを利用し始めた場合、つみたてNISAの積み立て最終年である2042年には65歳。この年に積み立てた分の非課税期間が終了するのは84歳になる2061年です。この年齢まで運用を続けられるだけの十分な資金力がないようなら、非課税期間中の売却を検討しましょう。

iDeCoの受け取りを優先する

つみたてNISAは収益率の高さから、老後の生活資金獲得のために活用されることが多い制度です。しかし非課税枠は2018年から毎年40万円全額を投資できたとしても、運用額は最大1000万円まで。十分な老後資金の確保には不十分と考える人も多いでしょう。

老後にもらえる年金を増やす方法のひとつにiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。iDeCoはつみたてNISAと同じく積み立てた資金を運用する制度ですが、主に自営業者向けの私的年金制度として設けられたため、受け取り方法は制限されます。

具体的には、一時金として受け取る場合には70歳まで(令和4年4月以降は75歳まで)、確定年金なら最長20年間での分割。最速でも60歳になるまでは引き出すことはできません。

iDeCoは受け取りタイミングに条件がある一方、つみたてNISAを課税口座に移した後には運用期間や売却に制限はなく、何歳までも運用をし続けられます。もしiDeCoから十分な年金を受け取れるようなら、つみたてNISAの運用分売却は先延ばしし、運用を続けてよいでしょう。

課税口座への切り替えタイミングで運用継続を検討しよう

つみたてNISAは、積み立て開始から非課税期間の終了まで、20年近く付き合うことになる制度です。課税口座での運用よりも多くの利益を得られますが、重要なのは非課税期間終了後の使い方です。出口戦略は運用期間や年齢、ライフステージによって大きく変化します。

またiDeCoや公的年金など、他の資産との兼ね合いも考える必要があるでしょう。自分にとって最適な出口戦略は何なのか、つみたてNISAの非課税期間の終了が近づく頃になったら、最適な出口戦略に意識を向けてみましょう。

参考資料

金融庁「つみたてNISAの概要(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)」

厚生労働省「確定拠出年金制度が改正されます(https://www.ms-ins.com/pdf/401k/primary/old_age_02.pdf)」

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