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SDGsで売上が伸びた!ポジティブな取り組みが生んだビジネスの好事例とは?

LIMO / 2022年1月9日 18時45分

SDGsで売上が伸びた!ポジティブな取り組みが生んだビジネスの好事例とは?

SDGsで売上が伸びた!ポジティブな取り組みが生んだビジネスの好事例とは?

新型コロナウイルスによって引き起こされた未曾有の危機はいまだ収束の気配を見せず、多くの人々を不安に陥れています。

今、多くの経営者やビジネスパーソンが知りたいことは「ピンチを生き抜くための進化」。

この危機をいかに乗り越え、コロナ禍によってもたらされた価値観や社会の変化にどのように対応してビジネスを展開させていくか。今回の記事がみなさんのヒントになれば幸いです。

ポジティブな取り組みが生んだビジネスの好事例とは?

私は企業や自治体の経営支援や研修に携わったり、講演活動をしたりしています。関係先の企業の中には業界平均よりも売上の伸びが大きい会社があります。

このような会社には共通して、ある一つの取り組みがあることがわかりました。それは日々の仕事や企業理念に社会課題を解決しようとする姿勢や取り組みがある点です。

つまり、一見すると両立が難しい、社会課題の解決と経済的発展を同時に成功させている企業ということになります。

そして、このような企業は2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)そのものを体現しているといえるでしょう。

Mameraman/Shutterstock.com

私の著書「SDGsブランディングの教科書」(宣伝会議)の中でもお伝えしているのですが、SDGsに取り組むことは企業をブランド化させ、企業イメージを向上させる効果があります。

コロナ禍で発生したピンチを「進化のためのチャンス」とするためにも、多くの人々が抱える社会課題に取り組み、経済的発展も成し遂げる「SDGsブランディング」は企業にとってチャンスともいえるでしょう。

実際に社会課題にポジティブに取り組んだ結果、ブランディングに成功し業績を向上させている企業があります。さっそく事例を見てみましょう。

捨てるなら、染めよう~大量消費社会の課題に向き合う「株式会社きぬのいえ」~

埼玉県北部に位置する人口3万人のまち、寄居町に古来より伝承されてきた染物業界に革新を起こす企業「株式会社きぬのいえ」があります。

きぬのいえは、染色の高い技術を活かし染め直しをおこなう「SOMA Re:」(ソマリ)というサービスを開始しました。

「捨てるなら、染めよう」のコンセプトで、古くなったり、色焼けやシミで着られなくなったシャツやパンツ、ブルゾンなどを染め直し、ファッションアイテムの持続性を高めています。

ラグジュアリーブランド、一流ブランドと呼ばれる服はもちろん、50年前の手作りドレスを染め直した人も。

服を買い替えるのではなく、愛着ある服を染め直し再生させるこの活動は、服を大切にし、地球の資源を大切にする、まさにSDGsにつながる取り組みです。

衣服も大量消費を見直す時代(triocean/Shutterstock.com)

きぬのいえの活動は、SDGsにも通じるポジティブな取り組みとしてメディアに取り上げられ、企業イメージが向上し、多くの人々の共感を得ることができました。

このことは、環境や社会への貢献につながる取り組みをしている企業が享受できるメリットであると言えます。

実際、テレビや新聞、ファッション誌など、これまでに取り上げられたパブリシティ効果を広告宣伝費に換算するなら、ざっと数億円単位に相当するはずです。

さらに言うと、社会課題の解決に取り組む企業は様々な評価やお墨付きを得ることが少なくありません。きぬのいえのケースはSDGsのモデル企業として、中小企業庁が出した「2021年版小規模企業白書」で取り上げられています。

企業が社会課題を解決する取り組みをおこなった結果、その斬新な取り組みが話題を呼び、結果として企業が売上を伸ばすという好循環は、社会課題解決型ビジネスが持続して展開するための重要な要因のひとつともいえるでしょう。

「おむすびで日本の農業に貢献」~食料自給の課題に挑む「おむすび権米衛」~

輸入大国の日本は今回のコロナ禍でさまざまな物品の供給が滞る事態に直面しました。マスクやその原料である不織布などが一時入手困難になり、混乱が起こったのは記憶に新しいところです。

これがもし「食」で起きてしまったらどうなってしまうのでしょうか。人口減少社会の日本とは反対に、世界の人口は増加傾向。地球温暖化の問題も加わり、各国で食料事情の悪化が懸念されています。

じつは、この食料自給の課題に取り組み、日本の食を守ることを理念としているおむすび専門店があります。国内で48店舗、海外3店舗を展開するおむすび専門店の「おむすび権米衛(株式会社イワイ)」です。

民間企業のレベルで、国内の食料自給率を上げることは容易なことではありません。それでも、少なくとも生産者を守るための取り組みを始めることはできる、その考えがおむすび権米衛のビジネスの根本にあります。

生産者を守るとは、具体的には生産者の収入を保証し、安心して食の生産に専念できるようにすること。米農家の悩みのひとつは「米価が安いこと」以上に、「価格が変動すること」なのです。

おむすび権米衛は、市場価格の変動に左右されることなく、農家がお米を再生産できる一定価格(再生産可能価格)で米を買い続けています。農薬と化学肥料を一切使わない有機栽培米の場合は、さらに高値で買い取っています。

市場価格以上での買取は、米農家の経済成長を実現させているといえるでしょう。

美しい田園風景(Jet Rockkkk/Shutterstock.com)

このように、おむすび権米衛が継続しておこなっている「働きがいと経済成長」を共に実現できる仕組みは、日本の食料自給率向上にもポジティブな影響を与えています。

日本の食料自給率向上、食の面から見た国防は、米農家が安心して米を生産し、利益がでるようになって初めて実現するものです。

おむすび権米衛は海外への出店も加速中。実際にアメリカとフランスに3店舗を出店をしており、驚くべきことに、このコロナ禍において最高益を更新し続けています。

これらの一連の取り組みは農林水産省からも評価されています。その表れのひとつが農林水産省内への出店(農林水産省店)です。

創業当初から地道に積み重ねてきた、おむすびを通じての日本農業と米農家への貢献。これらの取り組みが農林水産省からも認められている好事例といえるでしょう。

売上増加と社会課題解決は両立が可能

新型コロナウイルスが再び感染拡大しており、回復しかけた景気やメンタルの悪化が懸念されています。

社会のリスクをさらに増大させかねない事態は、多くの経営者やビジネスパーソンにさらなる不安をもたらしているかもしれません。

StreetVJ/Shutterstock.com

このピンチを進化のためのチャンスとするためにも、社会課題の解決と経済的発展を両立させる「SDGsブランディング」は有効なビジネスモデルです。

今回紹介した2社の取り組みはその好例といえるでしょう。社会的な課題を解決するための取り組みは、以前にも増して企業に求められています。

アフターコロナを見据え、SDGsブランディングのアクションをスタートしてみてはいかがでしょうか。

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