20代が結婚しようと思える世帯年収は600万円！5人に1人以上が「年収がいくら多くても結婚したくない」結果に

総務省統計局によると、2022年1月1日現在の新成人人口（平成13年生まれ）は120万人（2021年12月31日公表）。男性は61万人、女性は59万人で新成人人口は過去最低を更新しました。

人口が減少しているだけでなく、結婚したいと思う人も減少傾向にあるようです。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が2020年11月6日～9日の間、20～29歳の男女1000名を対象に行った「20代の金銭感覚についての意識調査2021」によると、年収がどんなに多くても結婚したいと思えない20代は21.8％でした（2021年1月14日公表）。

一方で、結婚しようと思える世帯年収は600万円という結果も出ています。今回は20代の結婚に対する考え方や年収などをみていきましょう。

「結婚しよう」と思える年収は？

それでは同調査より、20代の方が「結婚しよう」と思える世帯年収をながめていきます。

出典：SMBCコンシューマーファイナンス株式会社「20代の金銭感覚についての意識調査2021」

図表を見ると、結果は以下の通り。

「年収400万円あれば」までの合計：33.9%

「年収500万円あれば」までの合計：47.9%

「年収600万円あれば」までの合計：57.5%

およそ半数が結婚をイメージできるのは年収600万円のようです。

年収がどんなに多くても結婚したいと思えない人は21.8％で、前回調査に比べると7.9ポイントの上昇。一方で、年収がどんなに少なくても結婚したいと思える人は14.9％で3.6ポイントの低下でした。全体的には結婚したいと思えない人が増加傾向です。

それには金銭的な問題や時間の使い方、そもそも法律婚を選択するかなどさまざまな理由があるでしょう。

20代の平均的な年収は？

実際に20代の平均的な年収はいくらでしょうか。

国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によれば、2020年の日本の平均年収は433万円（男性532万円・女性293万円）。平均給与のみではわからない部分も多いので、正規・非正規の男女別でも確認しましょう。

正規

平均給与：496万円

男性平均：550万円

女性平均：384万円

非正規

平均給与：176万円

男性平均：228万円

女性平均：153万円

正規の方の平均給与は496万円ですが、男女で166万円の差があります。非正規になると平均給与は176万円。男女差は75万円です。

上記は1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収になりますので、年齢階層別の平均給与も確認しましょう。

出典：国税庁 「令和2年分　民間給与実態統計調査」

年齢別に20代の平均給与を確認します。

20～24歳

平均給与：260万円

男性平均：277万円

女性平均：242万円

25～29歳

平均給与：362万円

男性平均：393万円

女性平均：319万円

20代前半の平均は260万円、後半では362万円です。平均給与では、男女合わせれば20代後半で世帯年収600万円を達成できます。

ただし、年収600万円を維持し続けるには女性も仕事を続けることが前提になるでしょう。男性は年齢が上がるにつれて、30〜34歳で458万円、35〜39歳で518万円、40〜44歳で571万円と年収が上がります。とはいえ、年収600万円を超えるのは40代後半からです。

現代は子どもが生まれてもそのまま仕事を続ける女性は増えていますが、一方でさまざまな理由からパートタイムを選ぶ女性も多いです。

お子さんがほしい夫婦の場合は、育児中の働き方や家事・育児への協力、周囲の協力体制、教育費などについてもふたりで話し合っておきたいですね。

悔いのない選択を

結婚しようと思える年収が600万円という結果をみると、結婚を考える上でお金は大切な要因の一つと言えるでしょう。結婚すれば夫婦ふたりで生活し、子どもが生まれれば教育費等がかかり、住宅ローンに老後資金とまとまった資金もかかります。現実的に将来を考える20代が多いと分かりました。

ただ、他にもお互いの気持ちや家庭を築きたい、子どもがほしいなど、結婚を決める理由はさまざまです。人生は一度きり。悔いのない選択ができるといいですね。

参考資料

総務省統計局「「寅（とら）年生まれ」と「新成人」の人口-令和4年 新年にちなんで- （「人口推計」から）」（http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1300.html）

PRTIMES「SMBCコンシューマーファイナンス調べ　「貯蓄ゼロ」の20代は18.2%、貯蓄額は平均72万円で前回調査から19万円増加、既婚者では貯蓄額がコロナ禍前から大幅増加」（https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000039964.html）

国税庁 「令和2年分　民間給与実態統計調査」（https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm）