年収600万円台「ふつうの子育て世帯」の貯蓄事情。専業主婦は27.6%・非正規の母は37.8%
LIMO / 2022年1月15日 15時0分
![年収600万円台「ふつうの子育て世帯」の貯蓄事情。専業主婦は27.6%・非正規の母は37.8%](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_26975_0-small.jpg)
年収600万円台「ふつうの子育て世帯」の貯蓄事情。専業主婦は27.6%・非正規の母は37.8%
日本銀行の2021年12月の「生活意識に関するアンケート調査」によると、前年比で物価が「上がった」と答えたのは77.4%でした(2022年1月11日公表)。食料品などの物価が相次ぎ、家計が苦しい子育て世帯の方も多いでしょう。
少し前の調査にはなります※が、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」によると子育て世帯の雇用者所得は651.8万円。日本の「ふつうの子育て世帯」の平均年収は600万円台と言えるでしょう。
子育て世帯の平均的な貯蓄や負債はいくらくらいでしょうか。あわせて女性の仕事事情も確認しながら、世帯年収と女性の有業率の関係もみていきます。
※編集部注:2020年の調査は新型コロナウイルスの影響で中止となっています。
子育て世帯の「ふつうの年収600万円台」その貯蓄と負債は?
同調査より、まずは子育て世帯の平均的な貯蓄と負債をながめましょう。
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/2/e/-/img_2ee15ea1003fc46ce088ea8ff6913a77337953.png)
出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」
児童のいる世帯の平均貯蓄額が723.6万円。ボリュームゾーンを見ると、多い順に「貯蓄がない」(11.6%)、「500〜700万円未満」(10.6%)、「100〜200万円未満」(10.1%)です。
子育て世帯といっても、乳幼児を抱えるご家庭から中高生がいるご家庭まで、親子の年齢や子どもの人数、生活環境などはさまざま。そのようすが貯蓄割合にもあらわれていますね。
負債はというと、平均で1119.7万円。負債がない世帯は38.9%ですが、ボリュームゾーンは「2000~3000万円未満」(15.2%)、「3000万円以上」(10.1%)、「1500~2000万円未満」(7.7)%と、1500万円以上が3割を超えます。
住宅ローンと考えられる多額の負債を抱えているご家庭が多いことが分かりました。
専業主婦は27.6%・非正規で働く母は37.8%
子育て世帯の年収や貯蓄・負債を確認してきましたが、そのお財布事情は住んでいる地域や家族の人数などのほかに、女性が働いているかによっても異なります。
いまの子育て世帯の方は、共働きが主流とはいえパートタイムで働く方も多いでしょう。乳幼児期は子どものお世話や看病をしながら、小学生になっても宿題を見たり習い事の送迎をしたりしながら働くとなると、体力的に厳しい方は多いものです。
同調査より、児童のいる世帯の母親の仕事状況を確認しましょう。
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/5/f/-/img_5f853cce45ffe6cc584db36375995708294837.png)
出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」
上記を見ると、仕事のない専業主婦と考えられる女性は27.6%。
働く母は72.4%ですが、正規の女性は26.2%、非正規の女性は37.8%です。夫婦共働き時代とはいえ、フルタイムの女性は約26%で、パートタイム等で働く女性が多い結果となりました。
上記をふまえると、平均年収は600万円台ですがその実情はさまざまと考えられます。実際に女性の仕事が世帯年収に関係するのかも確認しましょう。
女性の有業率が上がるほど、世帯年収も上がる
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、勤労世帯の年間収入別の女性の有業率を世帯年収300〜1250万円まで確認します。
【年間収入別】二人以上・勤労世帯の女性が働いている割合
300万~350万円:32.3%
350万~400万円:35.5%
400万~450万円:39.4%
450万~500万円:49.5%
500万~550万円:50.8%
550万~600万円:55.6%
600万~650万円:54.8%
650万~700万円:56.4%
700万~750万円:55.1%
750万~800万円:63.3%
800万~900万円:63.3%
900万~1000万円:68.1%
1000万~1250万円:69.6%
上記を確認すると分かる通り、世帯年収が300万円台では女性の有業率は30%台ですが、500万円台では50%を超えています。共働きと片働きがほぼ半分になるのは「500〜550万円」ですね。
1000万円を超えるとおよそ7割が共働きです。基本的には世帯年収が上がるほど、共働き率も増えていると言えるでしょう。
子育て世帯のお財布事情や、世帯年収と共働きについて確認してきましたが、ご家庭により状況はさまざまです。
子どもとの時間を楽しんだり、心身の余裕を保ったりすることを優先される方もいます。夫の多忙や周囲に協力を得られず働くのをセーブしたり、逆に家計のために働く方もいます。実際にはお金だけでは言えない部分も多いでしょう。
参考資料
日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」(https://www.boj.or.jp/research/o_survey/index.htm/)
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html)
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)
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