60代でもはじめられる「つみたてNISA」高齢者向けのメリットと注意点を紹介
LIMO / 2022年1月23日 18時50分
60代でもはじめられる「つみたてNISA」高齢者向けのメリットと注意点を紹介
年が明け、もうすぐ年度末です。定年退職を迎えて、退職金の一部を運用してみようと考えている方もいるでしょう。
運用でよく話題にあがる「つみたてNISA」。つみたてNISAは、一定条件のもと売却益や配当金などの運用益が非課税となる制度です。日本在住で20歳以上の場合、誰でもいつでも始めることができます。
このつみたてNISAは、60歳以上の方など仕事をリタイアした高齢者世代にとっても、実はさまざまなメリットがあります。今回は60代の方がつみたてNISAを行うメリットや資産運用での注意点をご紹介します。
60代の資産運用のポイント
60代になると、仕事をリタイアする方も多くいらっしゃいます。会社を退職する場合には、勤続年数等に応じて退職金をもらえるケースも多く、60代はまとまったお金が手に入る世代とも言えるでしょう。
退職金は、今後の老後資金に充てるのが一般的です。ただし、すぐに使う見込みがない分は、資産運用に回すことを検討してみましょう。
人生100年時代とも言われていますが、60代で仕事を引退した後も長い第二の人生が続きます。少しでも経済的に余裕がある生活を送るために、老後生活でも運用でお金を増やし、資産寿命を延ばすことが大切です。
退職金のうち、当面使わなくてよいお金に関しては、安全資産である国債やインデックス投資信託などで、賢く分散投資を行うといいでしょう。
60代の「つみたてNISA」メリット3つ
60代でも、70代であっても、投資を始めるのに遅すぎるという年齢はありません。余剰資金がある場合は、資産運用をはじめてお金を増やすことも検討しましょう。資産運用では、60代でも若い世代の人と同様に、売却益や配当金などの運用益が非課税となる「つみたてNISA」を活用できます。
60代からつみたてNISAをはじめるメリットを3つ確認しましょう。
1.比較的安全なインデックス投資信託を選びやすい
つみたてNISAの場合、予め金融庁の基準を満たした「長期・積立・分散」に向いている、約200本の投資信託などが厳選されています。この中から、「手数料(信託報酬)が低く、投資先も分かりやすい」国内外のインデックス投資信託を選べば、大きな失敗をせずにお金を増やしていける可能性が高くなります。
退職金などで手元にお金がある高齢者の方は、自分で個別株に挑戦したり、営業マンのような方のうまいセールストークにのって複雑な仕組債を買ってしまったり、高い手数料や保険料の保険に加入してしまったりしまう場合もありますが実は危険です。
つみたてNISAを使って自分でインデックス投資を行う方が、堅実なお金の運用が行えると言えるでしょう。ただ投資対象によってパフォーマンスが異なるので、長期的に成長すると思えるものを選ぶといいでしょう。
2.お金が必要になったらすぐ現金化ができる
つみたてNISAで運用している投資信託などは、いつでも売却して現金化が可能です。万が一の時に急に医療費が必要になったり、家の修繕費などでお金が足りなかったりする場合でも、2~3日あればすぐにまとまったお金が準備できるため、安心して生活を送ることができるでしょう。
たとえば保険の場合は、保険金の支払い要件が決まっているため、いつでも自由にお金を引き出すことができません。つみたてNISAでの運用資産の方が、保険よりも自由度が高いと言えるでしょう。
ただし値動きをするので、その時の市場によっては値下がりをしている可能性もあります。
3.20年間の長期投資も可能
つみたてNISAは、年間40万円まで、最長20年間非課税で運用ができる制度です(非課税投資枠は最大800万円)。60歳から始めたとしても、20年後は80歳でまだまだ元気に生活している可能性は十分あります。20年間という長期間、非課税で積立投資をすることで、複利の効果を最大限に活かしてお金を増やすことも可能でしょう。
高齢者の運用で覚えておきたい注意点2つ
一方で、60代など高齢の方がつみたてNISAを行う場合、確認しておきたい注意点が2つあります。
1.損をすることもあるので、別で老後資金の貯蓄が必要
つみたてNISAでは損をしてしまう可能性もあるので、自分の老後資金を全て投資に回すのはNGです。日本国債のように損をする可能性がほぼない資産に分散投資を行い、かつ、投資とは別にきちんと預貯金などで老後資金を準備しておく必要があります。
60代の方の場合、資産運用で損をしてしまったとしても全部で2000万円くらいのお金が確保できるようにしておきましょう。
2.健康寿命に自信がない方、すでに運用資金がある方は一般NISAを活用
持病などがあり20年間元気に生活できる健康寿命に自信がない方や、手元にまとまった運用資金がある場合は、つみたてNISAではなく、年間120万円まで5年間非課税となる「一般NISA」を活用することも検討してみましょう。
高齢者の方の中にはつみたてNISA20年間の長期投資を行うよりも、一般NISAの方が使い勝手が良いと感じる方もいるかもしれません。自分に合ったスタイルで、投資を行うことが大切です。
自分に合った運用を考えよう
60代など高齢の方の場合、新たに投資を始めることに抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、低コストのインデックス投資を行うことで、資産寿命を延ばすことができる可能性があります。今回ご紹介した内容を参考にしながら、60代から始めるつみたてNISAについて検討してみて下さいね。
参考資料
金融庁「つみたてNISAの概要」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)
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