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車がスマホのようになる?コネクティッドカーの特徴や各メーカーのサービスも解説

LIMO / 2022年1月27日 20時35分

車がスマホのようになる?コネクティッドカーの特徴や各メーカーのサービスも解説

車がスマホのようになる?コネクティッドカーの特徴や各メーカーのサービスも解説

車がスマホのようになっていっているのをご存じでしょうか。購入後に車がネットワークに繋がり、ソフトウェアのアップデート、地図データのアップデートなどを行うことができるようになりつつあります。今回はこの繋がる車「コネクティッドカー」について紹介します。

コネクティッドカーとは

そもそもコネクティッドカーの定義は何なのでしょうか。2015年に総務省が発行した情報通信白書によると「ICT端末としての機能を有する自動車」となっています。ICT端末とは例えばパソコン、スマートフォン、タブレット、ネットワークに接続できるゲーム機などを想像してください。

つまり、コネクティッドカーとは通信できる機能を持った車ということになります。車には多くのセンサーが搭載されており、それらのセンサーから車両情報や道路状況などを取得し、ネットワークを介して収集して分析することで、新しい車の価値を生み出すことが期待されています。

アプリケーションの入っていないスマートフォンは高価な電話機に過ぎませんが、地図、決済、文書編集、乗換案内などのアプリケーションをインストールすることでスマートフォンの持ち主にとって新たな価値が生まれます。コネクティッドカーはそれを目指していると理解してください。

2014年のコネクティッドカーの世界市場は、2025年は新車のコネクティッドカーと既存車のコネクティッドカーを合わせて、2013年比6倍弱の6500万台を超えると予測されています。

【図表】コネクティッドカーの世界市場推移

【出典】富士経済「コネクテッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略2014」

一般的には、コネクティッドカーには専用の通信機器が搭載されており、車からデータを集めてクラウドに収集するということで実現されています。

コネクティッドカーの新たな価値とは?

コネクティッドカーによって生まれる車の価値とは例えばどのようなものでしょうか。いくつか紹介します。

緊急時の通報

交通事故発生時・ドライバーが体調を崩した時・運転中にあおられた時などに、警察や消防に通報する機能(もしくはオペレーターを介して通報してもらう機能)です。エアバッグなど車の機能と連動や、ドライバーがボタンを押すことで通報します。

この機能の利点は、車の持ち主の情報、車両の情報、トラブル発生時の位置情報などを同時に伝えることができる点でしょう。これにより警察や消防が事前に事故状況を予測できるでしょう。

車の盗難防止

車の盗難時などに対処するための機能です。位置情報、車の状態変化(エンジンがかかったなど)をもとに盗難を検知・通知・追跡・警備員の派遣要請などを行ってくれたり、鍵の閉め忘れなどを警告してくれたりします。車の持ち主の要請によって、車のエンジン再始動を止めてもらうことが可能なサービスもあります。

ドライバーの見守り

運転の状況などに応じてドライバーに問題が発生していないか声かけなどを行い、事故を未然に防ぐ機能です。例えば高速道路を運転中にふらついている場合などに、それを検知して音声で声かけを行ったりします。

ドライブに必要な最新情報の提供

最新の地図情報をダウンロードして最適なルート提案、目的地などの最新の住所・電話番号・天気・ニュースなどの情報提供などを行う機能です。ドライバーのサポート役といったイメージです。

車のリモート操作

ドアのロック忘れの際にリモートからロック、乗車前にエアコンのスタートなど、車にアクセスして遠隔操作する機能です。ロックしたか自信のない時にスマートフォンで状況を確認し、閉め忘れている場合にロックをかけたり、ドライバーが乗車する前にエアコンをかけておいたりする機能です。

安全運転の診断

運転時間や距離・燃費・急発進・急ブレーキなどの状況から安全運転の度合いを判定してドライバーに提供する機能です。このような診断機能は安全運転の啓蒙だけでなく、「運転挙動反映型テレマティクス保険」と呼ばれる安全運転の度合いに応じて保険料が割り引かれる保険などに利用されています。

コネクティッドカーはどうすれば使えるのか?

日本国内ではどのように提供されているのでしょうか。日本の自動車メーカーでは専用の通信機を搭載した自動車を購入し、サービスに対する追加料金を払うことで使用できることが多いようです。以下に乗用車メーカーのいくつかのサービスを紹介します。

T-Connect(トヨタ自動車)

緊急時の通報・車の盗難防止・ドライバーの見守り・車のリモート操作(エアコンのリモート操作は除く)など、ナビゲーター機能を除いた基本機能を月額330円で利用可能です。エアコンのリモート操作やナビゲーターを利用する場合は追加料金がかかるようです。

また、安全運転の診断機能を利用して、あいおいニッセイ同和損保、三井住友海上、損害保険ジャパン、東京海上日動などの運転挙動反映型テレマティクス保険に協力しています。

Honda CONNECT(本田技研工業)

Honda Total Careプレミアムとして、緊急時の通報・ドライバーの見守り(地図の自動更新)・車のリモート操作などを基本パックとして、月額550円で利用可能です。

NissanConnect(日産自動車)

緊急時の通報・車の盗難防止・ドライバーの見守り・車のリモート操作などをはじめとした多数の機能が年額6,600円(月換算550円)で用意されています。

SUZUKI connect(スズキ)

軽自動車の領域でもコネクティッドサービスが行われています。例えばスズキでは、緊急時の通報・車の盗難防止・ドライバーの見守り・車のリモート操作・安全運転の診断などが月額550円で提供されています。

コネクティッドカーへの期待と課題

国土交通省の資料によると、2025年には約60%、2035年には約90%の車がコネクティッドカーになるとのことで、追加料金を払って車に関わるサービスを追加できるスマホのような世界が実現になりそうです。

現在では各自動車メーカーが提供するサービスの内容を見るとほぼ横並びのようですが、今後は保険会社の運転挙動反映型テレマティクス保険のように、他業界が自動車のデータを利用してサービスを提供するケースも増えてくると思われ、その時に既存企業だけでなくスタートアップ企業が活躍できる場が新たに生まれることも期待されます。

一方で、パソコンやスマートフォンがネットワークに繋がることで外部からの攻撃にさらされているように、車も攻撃されることが考えられます。車の場合、走る・曲がる・止まるといった基本機能に対して攻撃されると致命的な事故に繋がります。自動車業界ではそのようなことを防ぐためセキュリティを強化する検討も行われています。

今後このような努力が実り、安全に利用できる便利なサービスが沢山登場するとよいですね。

参考資料

平成27年版 情報通信白書(総務省)(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc241210.html)

コネクティッドサービス一覧(トヨタ自動車)(https://toyota.jp/tconnectservice/service/?padid=ag504_navi_pc)

【トヨタコネクティッドカー保険】商品紹介動画(トヨタ自動車)(https://www.youtube.com/watch?v=rmEVLYZA44k)

Honda CONNECT(本田技研工業)(https://www.honda.co.jp/hondaconnect/)

NissanConnect(日産自動車)(https://www3.nissan.co.jp/connect.html)

SUZUKI connect(スズキ)(https://www.suzuki.co.jp/car/suzukiconnect/)

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