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話題の「ゆる受験」が中受熱の高くない地方でもほぼ無理なワケ

LIMO / 2022年1月29日 20時15分

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話題の「ゆる受験」が中受熱の高くない地方でもほぼ無理なワケ

首都圏では年明けから中学受験が本格的にスタートし、2月1日は東京都や神奈川県の「中学受験解禁日」となりピークを迎えます。

コロナ禍による臨時休校の際、私立と公立学校での緊急時の対応やサポートの差がメディアでも取り上げられたこともあり「コロナ不況」であっても中学受験熱は冷めるどころか加熱しています。

ただ、通塾などでかかる教育費の家計への負担は大きく、「出来ることなら短期間の通塾で結果を残せれば最高」「子どもが打ち込んでいる習い事を辞めてまでは」と考えている保護者も少なくありません。そんな中、通常の受験準備のコースとは異なる「ゆる受験」の存在が注目を集めSNSで反響を呼びました。

破壊力抜群の「ゆる受験」という言葉

「短期間の通塾や準備で中学受験合格を目指す」ことを意味する「ゆる受験」は、一般的に小学3、4年生から塾に通い受験に備えることに比べればかなりの節約になります。また、習い事を整理整頓または長期間休むことなく短期間でチャレンジする、概ね小学6年生から本腰を入れて受験勉強することも指します。

言葉のあやなのでしょう。「ゆる受験」と聞くとと楽しく明るく気軽に受験するというイメージが浮かんできますが、中学受験は高校や大学での受験と同じように燦燦と輝く道を歩き進むものではなく孤独な戦いです。

まだ通塾の有無に関わらず11,12歳の子ども達が暗闇のなか合格切符を掴み取るために努力を重ねることは決して「ゆるい」ものではありません。

他の受験と同じように「サクッと短期間の勉強で合格する」とは程遠く、短期間で結果が残せるのは数年の遅れを一気に巻き返せるだけの集中力そして基礎学力を持ち合わせている子ども達だけです。

それでも現実はかなり厳しいものがあります。

根気と集中力でも乗り越えられない「時間」という壁

筆者が塾で仕事をしている時、夏休みの講習会がスタートして1週間が過ぎた頃、部活動に励んでいたという中学3年先生の生徒が入塾しました。

極めて真面目で、集中力もあり自習室に毎日のようにやってきました。入塾した頃は志望校である中堅校合格もかなり難しい成績でした。しかし、秋から急激に伸び「もしかしたら合格するかもしれない」と私も含め他の先生達も思い始めました。当の本人も手応え感じ、さらに勉強に打ち込むという好循環を生み出しました。

結論から申し上げますと、その生徒は残念な結果となってしまいました。もうあと数ヶ月早く、中学2年生から塾に来ていれば合格していただろうと先生達は口々に悔しがりました。

完全に「たられば」の世界ですし中学受験と高校受験は別物ですが、いくら生徒が努力し集中して取り組んでいても入試までの距離が短ければ短いほど合格を引き寄せることは難しくなります。

高校受験以上に中学受験は親の熱も入るため、「ゆる受験」という言葉に翻弄されず受験への道の険しさや本番に向けた準備を数年かけて積み重ねていくことの重要性は無視できません。

受験熱の低い地方でも受験組で「ゆる受験」は少数派

ところで、中学受験というと首都圏や近畿圏が中心ですが、地方でも中学受験組は存在しています。2000年代に入り各地で中高一貫校が設立され、大まかな特徴として「地域の2番手、3番手の公立高校に附属中学が新たに設置された」というものです。

このことにより、学区の中学に進学することがスタンダードであり、「私立中受験」「国立大学の附属中」する子が超少数派だった地方でも中学進学の選択肢が増えました。

選択肢が少ない地方の教育熱心な家庭にとって「中学から意識の高いクラスメイトと切磋琢磨し高校受験もなく6年間過ごせる」ことは魅力的です。そして地方における公立中高一貫校の誕生は「中学生が高校受験のために通う」という地方の塾の在り方も変わり、中学受験コースに力をいれる塾が増えていきました。

大都市圏のように選択肢が豊富ではない地方において、公立中高一貫校が「中学受験の本命」とみなされています。そのため、中学受験を検討している家庭の多くは限られている枠を勝ち取るために首都圏の子ども達と同じように小学4年生頃から通塾をして本番に備えています。

もちろん、受験する全ての子が通塾しているわけではありません。しかし、ノー塾でも親のサポート体制がなければ合格することは難しく「小学6年から思い立って受験に臨む」という子は一握りです。

「ゆる受験」を成功させるには

言葉から騙されそうですが、「ゆる受験」を成功させることは大都市でも地方でも子どもの努力は不可欠です。中学受験する子は基礎学力を備えているため、まずその水準の学力を構築していく必要があります。

さらに、志望校によって合格ラインは異なりますが、それをクリアするだけの学力を身につけなければいけません。塾ナシで合格に近づくには他の子より短い期間で仕上げる気力と家庭での勉強でも集中できる力が求められます。

志望校は子どもによって様々です。しかし、ゆる受験でも通常の受験でもゴールは同じで辿る道が違うだけ。「合格」というゴールを目指すにはお手軽な気持ちでは到着することは叶いません。

「ゆる受験」という言葉に踊らされることなく、子どもや家庭が決めた道筋で進むことが大切です。

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