クリスマス商戦で4℃は苦戦もコメ兵は健闘、インバウンド消滅による業績落ち込みから急速な復活へ
LIMO / 2022年1月29日 21時0分
クリスマス商戦で4℃は苦戦もコメ兵は健闘、インバウンド消滅による業績落ち込みから急速な復活へ
昨年12月のクリスマス商戦は、4℃のアクセサリーの販売は苦戦の一方で、中古ブランド品販売のコメ兵は健闘しました。今期に入り中古ブランド品の買取販売の老舗であるコメ兵は、コロナ禍によるインバウンド需要消滅で落ち込んだ業績が急回復しています。中期経営計画の1期前倒しという早いペースで増益を続けるコメ兵の今後の行方が注目されます。
対前年同月比で増収を続けるコメ兵HD
ブランド品の中古買取及び販売店を全国展開するコメ兵(コメ兵HD:2780)が、対前年同月比で毎月増収を続けています。四半期ベースの前年比較では第1四半期181.6%、第2四半期146.3%、第3四半期139.9%であり、直近でも約4割の増収が継続中です。
同社は2021年3月期に新規14店舗を出店しました。また今期(2022年3月期)も上期に新規14店舗を出店しており、個人の買取ニーズの高まりと新規出店の相乗効果で業績を急拡大させています。
コメ兵の業績推移、インバウンド需要消滅が痛手となるも2022年3月期に完全復活の予想
過去5期のコメ兵HDの業績推移及び今期の業績予想は下記となります。
2017年3月期 売上高401億円、経常利益8.2億円、当期純利益3.6億円
2018年3月期 売上高455億円、経常利益16億円、当期純利益11億円
2019年3月期 売上高510億円、経常利益18億円、当期純利益10億円
2020年3月期 売上高575億円、経常利益0.1億円、当期純利益▲2.3億円
2021年3月期 売上高507億円、経常利益4.3億円、当期純利益▲6.0億円
2022年3月期(予想、修正後) 売上高632億円、経常利益21億円、当期純利益15億円
コメ兵の業績は、訪日外国人向けの中古ブランド品販売が堅調に推移した2018年3月期から2019年3月期にピークを迎えます。しかし新型コロナウイルスの世界的な感染拡大でインバウンド需要の消滅が同社を直撃。その結果、経常利益ベースで2020年3月期は収支均衡、2021年3月期は黒字を維持もインバウンド需要活況前の2017年3月期の約1/2の水準に留まりました。
しかし2022年3月期はインバウンド需要のあった2019年3月期の業績を上回る予想です。高齢者による生前整理や、コロナ禍で在宅時間が増え不必要なモノの整理などで中古ブランド品の買取需要が増える中で、新規出店効果もあり同社の業績は急拡大が見込まれています。
中期経営計画は1期前倒しに
同社は2024年3月期を最終期とする中期経営計画を作成し下記数字を計画しています。
2022年3月期 売上高600億円、経常利益15億円、当期純利益10億円
(2022年3月期修正後 売上高632億円、経常利益21億円、当期純利益15億円)
2023年3月期 売上高650億円、経常利益20億円、当期純利益13億円
2024年3月期 売上高700億円、経常利益27億円、当期純利益18億円
2022年3月期は8月に修正が発表され、現在は売上高632億円、経常利益21億円の予想です。2022年3月期で中期経営計画の2023年3月期の利益額の達成が見込まれており、中期経営計画は1期前倒しで進んでいます。同社としても予想を上回る利益成長が続いている状態と考えられます。
4℃は売れずともコメ兵は売れていた2021年のクリスマス商戦、コメ兵の業績拡大は続くか?
例年12月はクリスマスプレゼント需要で4℃のアクセサリーが売れます。しかし2021年の4℃のクリスマス商戦は不調であり、親会社の4℃ホールディングス<8008>は業績の下方修正を発表しました。一方で中古ブランド品中心のコメ兵は、12月の売上高も対前年同月比124.7%と好調を維持しています。
クリスマス時期に新品のアクセサリーは売れずに中古ブランド品が売れる状態は、その背景を色々と想像でき非常に面白いといえます。
気が付けば街中で中古買い取り店の店舗が増えるなど、中古品の買取ニーズは拡大を続けています。名古屋本社で中古ブランド品買い取り店の老舗といえるコメ兵は、インバウンド需要消滅で痛手を被ったものの、今期はインバウンド需要全盛期の業績を超えつつあります。中期経営計画の前倒しが見込まれるなど、業績を急回復しつつあるコメ兵の快進撃は来期以降も続くのか、今後の業績の行方が注目されます。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
中古車販売のネクステージ
不正疑惑報道の影響残るもやや強気にFinasee / 2024年12月12日 7時0分
-
アシックス【7936】が株価5年で7.3倍に、業績V字回復で見直し買い 低迷脱却のきっかけとなった「カテゴリー経営」とは
Finasee / 2024年12月12日 6時0分
-
リユース市場活況も「大黒屋」ひとり負けの謎…インバウンドの「爆買い」で急成長も今や“崖っぷち”3つのワケ
集英社オンライン / 2024年12月6日 7時0分
-
日東ベスト「冷食立て直し」「畜肉のベスト復活」目指す 新商品強化で需要喚起
食品新聞 / 2024年12月2日 13時10分
-
「不当な要求には応じない」 カシオ、ランサムウェア攻撃で身代金の要求を拒絶 販売機会の損失は約130億円
ITmedia NEWS / 2024年11月27日 17時13分
ランキング
-
1「フレッシュネス」チキンに"もも肉"使うプライド クリスマス時期の「チキン難民」を狙う戦略
東洋経済オンライン / 2024年12月22日 9時0分
-
2管理職にならない選択が「普通」に? 「責任の重圧」「年収減の可能性も」…“なりたくない”リアルな理由とは
まいどなニュース / 2024年12月21日 20時32分
-
3「ドイツ旅行のコスパ最強ホテル」実は東横INN!? 実際に泊まったら「日本人には最強仕様」…でも違いも?
乗りものニュース / 2024年12月22日 11時12分
-
4「青春18きっぷ」利用者に朗報!“豊橋ダッシュ” 解消へ 東海道線の乗り換え利便性が向上
乗りものニュース / 2024年12月22日 7時12分
-
5103万円の壁問題とともに浮上した106万円の壁撤廃は別の経済苦を生むか パート主婦「手取りも減るってことですよね」コンビニオーナー「スポットで働く人を増やすか」
NEWSポストセブン / 2024年12月22日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください