20~30代「つみたてNISA」と「iDeco」の使い分け術!時間が最大の武器になるワケとは
LIMO / 2022年1月30日 14時50分
20~30代「つみたてNISA」と「iDeco」の使い分け術!時間が最大の武器になるワケとは
新型コロナウイルスの感染が拡大するいま、増えたおうち時間で「今年は運用を始めてみようかな」と考える方もいるでしょう。
特に20~30代の若い世代は、仕事を引退してから老後生活に入るまで30~40年近くの時間があります。この時間を最大限に活用してお金を運用すると、自分の資産を大きく増やすことができる可能性もあります。
今回は非課税で資産運用ができる「つみたてNISA」と「iDeCo」を使い分けて、20~30代の若い世代の方々がお金を上手に運用していくポイントをご紹介します。
20~30代の資産運用、最大の武器は「時間」
つみたてNISAやiDeCoは、自分で金融商品を選んで毎月一定額を積み立てる「積立投資」です。
積立投資では投資で得た利益を再度投資に回すことで、お金が雪だるま式に増えていく「複利の効果」というものがあります。複利の効果は、投資期間が長ければ長いほど効力を発揮することができます。
20~30代は仕事を引退するまでの時間が長いため、複利の効果を活かしてお金を増やすことが可能でしょう。若い世代にとって「時間」は資産運用の最大の武器となります。
さらに20~30代は第一線で働き、収入を増やすこともできる現役世代です。多少リスクをとった投資をしたとしても、新たな収入で損失をカバーすることもできるため、仕事をしていない高齢者世代よりも積極的な資産運用を行うことができるでしょう。
20~30代の若い世代の方こそ、「時間」というメリットを活かして運用をはじめるのに向いています。
まずは「つみたてNISA」と「iDeCo」からはじめてみる
はじめて資産運用にチャレンジする場合、運用益が非課税となるつみたてNISAやiDeCoを活用して運用をスタートするといいでしょう。
「つみたてNISA」は年間40万円まで、最長20年間、非課税での運用ができます(非課税投資枠は最大800万円)。たとえば30歳から投資をスタートした場合、50歳まで活用することができるのです。
「iDeCo」の場合は決められた投資金額内で、60歳まで毎月お金を拠出して運用することが可能です。運用益が非課税になる上、毎月拠出した金額は所得控除が受けられるという税制上のメリットもあります。もしも20代からiDeCoをはじめた場合、40年近くお得に資産運用ができるでしょう。
ただしiDeCoの場合、拠出したお金は60歳まで引き出すことが原則できません。iDeCoは基本的に「全て老後資金に充てる」ということを覚えておきましょう。
30代でつみたてNISAとiDeCoをはじめた場合のシミュレーション
現在30代の方が、つみたてNISAとiDeCoを活用して20年間運用を行った場合、どのくらいお金を増やすことができるのでしょうか。金融庁の資産運用シミュレーションを使って計算します。
<運用条件>
毎月の積立額:5万円(つみたてNISA3万円・iDeCo2万円)
投資期間 :20年間
年利回り :5%
<運用結果>
元本 :1200万円
運用益 :855.2万
最終積立金額:2055.2万円
この例では毎月5万円ずつ積立投資を行うと、50代には2000万円までお金を増やすことが可能です。「老後2000万円問題」では年金以外に老後資金として約2000万円の貯蓄が必要と言われましたが、つみたてNISAとiDeCoで目標を達成することができます。
iDeCoはさらに60歳までお金を拠出して運用を続けることができるので、あと約10年の運用でお金が増える可能性もあるでしょう。
また、運用益は855.2万円ですが、本来の課税口座で投資を行うとこのうち約20%の171万円は税金として課税されてしまいます。つみたてNISAとiDeCoで運用すると非課税となるため、171万円はそのまま利益となります。つみたてNISAとiDeCoがお得な制度であることが理解できますね。
もちろん資産運用なので、価格の乱高下により損をしてしまう時期もあるかもしれませんし、リスクはあります。投資対象によってもパフォーマンスが異なるので、事前にきちんと調べて、長期的に見て成長していくと考える先を選ぶことが大切でしょう。
基本的には20~30年と長期的な運用を行うと、ゆっくり右肩上がりに価格が上昇していく可能性が高いと考えられます。日々の価格変動に一喜一憂せず、長い視点で運用を続けていくといった視点も重要になります。
「つみたてNISA」と「iDeCo」どう使い分ける?
つみたてNISAとiDeCoはそれぞれ特徴があるので、まずはその違いを確認する必要があります。
特にiDeCoの拠出金は原則60歳になるまで引き出せませんが、つみたてNISAはいつでも売却して引き出せるという違いがあります。20~30代の場合、病気やリストラ、離婚など万が一のことが起こり、途中でお金を引き出す必要のある場面が出る可能性もあるでしょう。
つみたてNISAは「万が一の時のお金」or「老後資金」、iDeCOは「老後資金」として使い分けるといいでしょう。
たとえば40~50代などで病気になり医療費等が必要になった場合は、預貯金の他につみたてNISAのお金を解約して使うことも可能です。つみたてNISAの老後資金が減ったとしても、iDeCoで老後資金分をある程度準備をしているため、「将来お金が足らなくなってしまうのでは?」という不安を軽減しながら治療にも専念できるでしょう。
ただ、つみたてNISAは解約したいタイミングで市場の影響を受けて損をするリスクもあります。預貯金もあわせて準備をおこなうといいでしょう。
「老後資金用のiDeCo」と「万が一のお金のつみたてNISA」として、制度の違いを活かしながら上手に使い分けていきましょう。
若い世代ほど時間を上手く活用しよう
20~30代の若い世代は、自分の老後資金の問題までなかなか手が回らない方も多いかもしれません。しかし、資産運用は早くはじめた方が大きくお金を増やすことができる可能性が高いです。若い世代の方こそ、つみたてNISAの20年間の非課税期間と、iDeCoの60歳までの時間をフル活用して、積極的にお金を増やしていきましょう。
参考資料
金融庁 資産運用シミュレーション(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)
金融庁「つみたてNISAの概要」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)
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