【不動産投資】不動産購入後のキャッシュフローを見積もる際に考えるべき3つのポイント
LIMO / 2022年1月31日 5時20分
【不動産投資】不動産購入後のキャッシュフローを見積もる際に考えるべき3つのポイント
不動産投資を始めた方から「想定していたよりも手残りキャッシュフローが少ない」ということを聞くことが多くあります。不動産投資の経験が浅く、購入後にどういった収入が発生し、どういった費用が発生する可能性があるといったキャッシュフローの見積もりが正確にできていないことが要因であることが多いかと思います。
購入時にお世話になる不動産業者の中にはネガティブなことは極力伝えない業者もいる環境の中で、不動産投資経験が浅い方が購入後のキャッシュフローを正確に見積もることは難しいのかもしれません。
そこで、今回は購入後のキャッシュフローを見積もる際に考えるべき項目について、自分の実体験も交えながらご説明していきたいと思います。
家賃収入等のキャッシュイン
まずは収入の見積もりに関してですが、不動産投資で得られる収入は主に以下の通りです。
家賃収入
駐車場収入
自動販売機収入
バイクパーキング収入
トランクルーム収入
基地局収入
上記の中でまず注意していただきたいのが、不動産業者より提示された家賃金額の適正性です。
売主としては高く売りたいので、利回りを良く見せるために「敷金礼金ゼロゼロにする」「賃貸仲介業者への広告費を多くする」等の方法で、相場より高い家賃で入居者募集を行っているケースもあります。
ここで大事なことは、業者より提示された家賃水準で購入後も埋め続けられるか?という点です。
例えば、賃貸面積あたりの家賃が1万円/坪であるエリアの物件が売りに出されていたとします。しかし、売りに出されている物件のレントロールから計算した賃貸面積あたりの家賃が1.2万円/坪であった場合は、相場より家賃が高いことになります。相場より家賃が高い要因を自分が物件を購入した後も維持できるか考えるようにしましょう。
その他の収入については、購入時点で既に発生している収入の把握はもちろんですが、購入後に自分で新たに生み出せる収入がないか?という観点でも考えてみると良いかもしれません。
私の実例で言えば、周辺に高い建物がないエリアで6階建ての1棟マンションを購入後、携帯会社を誘致することができ、基地局収入を新たに創出することができました。
また、空き地をバイクパーキングや駐車場にできた経験もあります。そのような収入を見込めるかは各関連業者に確認した上で、収入を見込める可能性が高いのであれば、その収入も見込んだうえで購入を検討するのもよいでしょう。
ローン返済等のキャッシュアウト
次にローン返済等のキャッシュアウトの見積もりの際に考える項目についてですが、以下が主なものです。
ローン返済
管理費・修繕積立金(区分所有マンションの場合)
賃貸管理手数料(管理委託をする場合)
建物管理手数料(エレベーター保守点検、日常清掃、定期清掃、消防点検、貯水槽点検等)
リフォーム費用
入居者募集時の広告費
この中で漏れやすいのが「リフォーム費用」と「入居者募集時の広告費」です。
この2つの費用は不動産業者が提示するキャッシュフロー計画に織り込まれていないことが多いですが、意外と大きな出費です。
例えば、20平方メートル程度のワンルームで退去となった場合、入居者が綺麗に使ってくれていれば10万円程度のリフォーム費用で収まることが多いです。ただ、長期入居者であったり、部屋を雑に使っていた入居者である場合は20万円を超えることもあります。
リフォーム費用は部屋を確認して初めて確認できるものなので、毎回冷や冷やしているのが私の実情です。ある程度のリフォーム費用は自分で見積もりに入れておくべきだと考えます。
また、入居者募集時の広告費については、キャッシュフロー計画に織り込んでいる不動産業者を私は見たことがありません。しかし、これも意外と大きな出費です。
入居者募集時の広告費は、入居者を見つけてくれた業者に支払うお礼のようなもの。賃貸需要がなく、競合力がない物件であればあるほど広告費を積まないと空室が埋まらないという事態に陥ることが多いです。
逆に、賃貸需要があり、競合力がある物件であれば、広告費を支払うことなく空室が埋まる物件もあります。
参考までに私が所有している1棟ワンルームマンションでは、毎回広告費として家賃2か月分をお支払いしており、年間6部屋程度空室が発生するので、それなりに大きな出費になります。
礼金で広告費を回収できれば良いのですが、ワンルームは競合が激しいエリアだと敷金礼金ゼロゼロというのが当たり前になるので、広告費は持ち出しになりますので注意が必要です。
大規模修繕費用等の大きなキャッシュアウト
最後に通常の運営経費ではなく、突発的に発生するキャッシュアウトですが、以下が主な項目になります。
大規模修繕費用
エレベーター交換費用
家賃滞納等トラブルが発生している部屋の各種処理費用
これらの費用も不動産業者のキャッシュフロー計画には含まれていないことがほとんどです。
「大規模修繕費用」及び「エレベーター交換費用」については、1棟マンション所有者は特に注意が必要です。なぜなら、1棟所有の場合は、区分マンションのように毎月修繕積立金を積み立てるという形ではなく、発生時にまとめて支払うことになるためです。
ただし、この2つについてはどの程度の期間ごとに大規模修繕を行うべき、またエレベーターであればどの程度の期間でエレベーターを交換すべきという案内は出ているので、キャッシュフローを見積もる際は標準的な期間で費用が発生することを織り込むことは可能です。
3つ目の項目について、トラブルが発生している全ての部屋を購入前に特定することは難しいでしょう。ただ、外からみて明らかに玄関ドアが壊れている、ペット禁止なのに明らかにペットを飼っている等が分かる部屋があれば、購入後に対処する費用も織り込んでおいた方が無難ではあります。
私は購入後にある部屋の入居者との連絡が途絶え、多くの法的手続きを経て室内を確認した結果、ゴミ屋敷でその対処費用を負担させられた経験があります。その部屋は玄関ドアが曲がっており、郵便ポストもいつも満杯といった状況だったので、事前にトラブル対応費用が発生することはある程度想定することはできたと今は感じています。
不動産投資は「何事も疑ってかかる」のが大事
ここまで不動産購入後のキャッシュフロー見積もりについてお伝えさせていただきましたが、購入後は自己責任で運営していかなければなりません。提示された情報が全て正だと信じることなく、何事も疑ってかかるくらいの姿勢で臨んだ方が不動産投資で失敗する可能性を低くすることができるでしょう。本日記載した内容でそのために参考になった点があったのであれば幸いです。
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