児童手当の特例給付が廃止に!いつから始まる?受け取れなくなる人の年収は
LIMO / 2022年2月1日 19時35分
![児童手当の特例給付が廃止に!いつから始まる?受け取れなくなる人の年収は](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_27259_0-small.jpg)
児童手当の特例給付が廃止に!いつから始まる?受け取れなくなる人の年収は
2021年5月に児童手当が見直されました。2022年の10月から、これまでの「特例給付」が高所得者に対して廃止になることが決まっています。「うちはどんな影響を受けるのだろうか」「年収がいくらあるともらえなくなるの?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。
今後のライフプランを考えるうえでも、児童手当は大きな問題です。見直しの内容についてしっかり理解して、早めに対策を考えていきましょう。今回の記事では、児童手当の概要に加え、特例給付の廃止についてくわしく説明していきます。参考にしてください。
児童手当とは?おさらいしておこう
まずは前提として、児童手当とはどのようなものか改めて説明します。児童手当とは、子どもが健やかに成長することを目的に、子育て世帯が支給されるものです。認知度が高いので、「知らない」という人は少ないかもしれません。
少し前までは、「子ども手当」とも呼ばれていました。支給される金額は、以下のようになります。ご存知の方も多いかもしれませんが、おさらいしておきましょう。
3歳未満:一律1万5000円
3歳~小学校卒業まで:1万円(第3子以降は1万5000円)
中学校卒業まで:一律1万円
支給されるのは、6月、10月、2月の年3回です。前月までの児童手当が支給されることになりますので、たとえば6月分だと、2月~5月の4カ月分が支給されることになっています。支給日はそれぞれの自治体で変わってきますので、自治体に確認してみてください。
児童手当の所得制限
児童手当には所得制限があります。所得制限については、図表のようになっています。
【図表】児童手当・所得制限の限度額
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/c/1/-/img_c1df7b76165fc744f9b449bbd291608243761.png)
【出典】内閣府 児童手当制度のご案内
図からわかるように、所得制限の限度額は、扶養人数で変わりますので、注意が必要です。たとえば、子どもが1人で、年収が103万円以下の妻を扶養している場合ですと、所得が698万円を超える場合、児童手当は支給されなくなります。
同じ698万円を超える場合でも、年収が103万円までの妻を扶養していて、子どもが2人いるのであれば、所得が736万円までは、児童手当が支給されることになります。
このように、所得制限があるのが児童手当です。ただし、所得限度額を超える世帯には、子ども1人あたり月額5000円の「特例給付」が支給されています。特例給付については、どれだけ所得が高くても支給され、金額にも変わりありません。
児童手当の特例給付が廃止に
児童手当の所得限度額を超える世帯に対しては、特例給付が支給されていると説明しました。しかし、2021年5月21日に改正児童手当関連法が参院本会議で可決され、成立しました。
冒頭にも触れたとおり、2022年10月から、一部の人について特例給付が廃止されることになっています。具体的にどのようなケースだと特例給付がもらえなくなるのか、説明していきます。
特例給付が受け取れなくなる人の年収は
特例給付が支給されるかどうかは、年収によって決まります。実際にどのくらいの年収があると支給されなくなるのでしょうか。特例給付が支給されなくなる世帯のケースを見ておきましょう。
【もらえなくなるケース】
夫:年収1200円以上
妻:年収103万円以内
子ども:2人
特例給付は、夫婦のうち、おもに収入を得ている人の年収が1200万円以上だと支給されなくなります。なお今回の改正では、特例給付の所得限度額について、夫婦合算は見送られていますので、そのことも合わせて知っておいてください。
特例給付が支給されるかどうかの判断は、夫婦のうち収入の多い人の年収で判断されます。世帯年収で判断されるわけではありません。
収入の多い人の年収が1200万円を超えなければ、今までどおり月額5000円の特例給付が受け取れることになります。
特例給付の廃止、批判の声も
特例給付の廃止については、批判の声もあがっています。そのひとつとして、立憲民主党の意見を見ておきましょう。今回の特例給付の廃止をうけ、立憲民主党は「社会全体で子どもの育ちを支える観点から、世帯の収入にかかわらず、すべての子どもに対して児童手当を給付するべき」というコメントを発表しています。
さらに、今回支給停止となる子どもが約61万人におよぶとされていることにも触れたうえで、「税金や社会保険料の負担が重い上に、児童手当が給付されないとなると、子育て世帯間の不公平感がさらに高まることは間違いない」とも指摘しています。
特例給付がなくなる人は早めの対策を
批判の声があるとはいえ、現段階では、2022年の10月から、夫婦のうち、収入の多い人の年収が1200万円を超えると、特例給付がもらえなくなります。計算すると、5000円×12カ月×15年ですから、90万円の支給がなくなることになります。いくら高所得とはいえ、「大きな問題」と感じる人もいるでしょう。
対象になる人は、家計の見直しや、子どもの教育費の検討が必要な場合もあるかもしれません。今回の改正を知って、早めに対策を考えることをおすすめします。
参考資料
内閣府 手当制度のご案内(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/r030901/pdf/s1.pdf)
内閣府 令和3年児童手当見直しに関する 全国説明会資料(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/r030901/pdf/s1.pdf)
立憲民主党 児童手当特例給付の一部削減に反対するコメント(https://cdp-japan.jp/news/20201214_0397)
外部リンク
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