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【コメダ珈琲】喫茶店廃業が増加のなか業績が急回復!コメダが目指す喫茶店文化とは

LIMO / 2022年2月6日 19時35分

【コメダ珈琲】喫茶店廃業が増加のなか業績が急回復!コメダが目指す喫茶店文化とは

【コメダ珈琲】喫茶店廃業が増加のなか業績が急回復!コメダが目指す喫茶店文化とは

2021年は企業の倒産件数が過去50年で最低となりました。しかし喫茶店の廃業は過去最高を記録しています。コロナ禍による外出機会の減少の影響で喫茶店が苦境に陥る一方で、「コメダ珈琲」を展開するコメダHDは業績を急回復させています。

喫茶店に立ち寄るのではなく、「コメダ珈琲」自体への訪問を目的とする顧客が増えつつある同社は業績の拡大を続けることができるのか、今後の行方が注目されます。

2021年の企業倒産件数は過去50年で最低 一方で喫茶店の廃業は過去最高に

東京商工リサーチによると2021年の企業倒産件数は過去50年で最低となりました。コロナ禍で経営の苦しい企業が多い一方で、政府保証による金融支援の効果で経営が苦しい企業も資金繰り面では一息付いており、倒産件数が大幅に減少しているようです。しかしそれでも2021年は喫茶店の廃業が過去最多を記録しています。

2021年もコロナ禍の下で、人々は外出機会の減少を余儀なくされました。わざわざ喫茶店のためだけに外出するのは、喫茶店で仕事をするフリーランスやコーヒー好きを除けば元々は少数派です。また100円で買えるコンビニのコーヒーも進化しており、喫茶店業界は苦しい状態にあります。

1年で約2倍。コーヒー豆の価格上昇も痛手に

更にコーヒー豆価格の上昇も喫茶店経営の重荷になっています。2021年はコーヒー先物価格が年間を通じて上昇しました。2021年最初に120~130ドル台であったコーヒー先物価格は11月には240ドルを超えており、価格は1年で約2倍に上昇しました。

コロナ禍により外出機会が減少し喫茶店へ足を運ぶ人が少なくなる中で、コーヒー豆の価格上昇が特に個人経営の喫茶店を直撃しており、2022年も喫茶店の廃業は増加が予想されます。

喫茶店苦境の一方でコメダHDはいち早く業績を回復へ

喫茶店業界の廃業が増える一方で、喫茶店「コメダ珈琲」をFC展開するコメダHD<3543>の業績はコロナ禍の影響を受けたものの2022年2月期は急回復を続けており、下記の業績推移を見せています。

2019年2月期 売上収益303億円、営業利益76億円、親会社の所有者に帰属する当期利益51億円

2020年2月期 売上収益312億円、営業利益79億円、親会社の所有者に帰属する当期利益54億円

2021年2月期 売上収益288億円、営業利益55億円、親会社の所有者に帰属する当期利益36億円

2022年2月期(予想) 売上収益329億円、営業利益73億円、親会社の所有者に帰属する当期利益49億円

2022年2月期Q3(累計)売上収益247億円、営業利益58億円、親会社の所有者に帰属する当期利益39億円)

コメダHDもコロナ禍の影響を受け2021年2月期は減収減益を余儀なくされました。しかし2022年2月期はコロナ禍前と同程度の業績に戻る予想であり、第3四半期(Q3)まで通期予想達成に向けて順調に進捗しています。

【図表】店舗数の推移

【出典】株式会社コメダホールディングス「2022年2月期 第3四半期連結決算説明資料」

喫茶店の廃業が進んだ2021年ですがコメダHDの業績は順調そのものです。

「コメダ珈琲」は喫茶店自体への訪問が目的となる喫茶店文化を広げている

愛知県の一宮市を中心とする尾張地区では、土曜や日曜の朝食を喫茶店で取る文化があります。いわゆる格安モーニング文化が根付いています。現地では今でも土日の朝食を喫茶店で親子3代揃ってモーニングで取り、その後の午前を喫茶店内でノンビリ過ごす光景はそれ程珍しくありません(座敷のある喫茶店もあります)。

コロナ禍の中でも駐車場のある広い喫茶店は土日の午前中は混雑しています。同地区では喫茶店は立ち寄る店ではなく「訪問」が目的となる店です。その尾張地区の喫茶店文化を受け継ぐのが名古屋本社のコメダHDが展開する「コメダ珈琲」です。「コメダ珈琲」は尾張地区独特の喫茶店文化を、コロナ禍を契機に全国に広めている一面があります。

コロナ禍の中で喫茶店業界は厳しい状態にあります。しかし「コメダ珈琲」はお得なモーニングや美味しいシロノワールに加えて、ゆったりとした店の雰囲気と新聞雑誌やWiFiにより、“立ち寄る店”ではなく“訪問自体が目的となる店”の立ち位置を得つつあるのが業績復活の一因かもしれません。

また感染症対策の面から、「コメダ珈琲」の広い店内は顧客に安心感を与え成長を後押ししていると考えられます。喫茶店ながら“立ち寄る店”から“訪問自体が目的となる店”として存在感を増す「コメダ珈琲」は更に業績を伸ばすのか、今後の業績の行方が注目されます。

参考資料

東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」(https://www.tsr-net.co.jp/news/status/transition/index.html)

東京商工リサーチ「『喫茶店』の廃業、2021年は過去最多の100件」(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220123_01.html)

株式会社コメダホールディングス「2022年2月期 第3四半期連結決算説明資料」(https://ssl4.eir-parts.net/doc/3543/ir_material_for_fiscal_ym/111429/00.pdf)

株式会社コメダホールディングス「2022年2月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(https://ssl4.eir-parts.net/doc/3543/tdnet/2068692/00.pdf)

株式会社コメダホールディングス「2021年2月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(https://ssl4.eir-parts.net/doc/3543/tdnet/1954073/00.pdf)

株式会社コメダホールディングス「2020年2月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(https://ssl4.eir-parts.net/doc/3543/tdnet/1815376/00.pdf)

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