保護猫を飼い猫としてお迎えするために、必要なこと
LIMO / 2022年2月6日 19時35分
![保護猫を飼い猫としてお迎えするために、必要なこと](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_27389_0-small.png)
保護猫を飼い猫としてお迎えするために、必要なこと
最近のペット事情として、保護犬や保護猫といった言葉をよく聞くようになりました。
かつては、そのような用語はなく、広辞苑にも載っていませんでした。
急に頭角をあらわしてきた保護犬と保護猫ですが、その定義とは、飼われる家がなく、飼い主もいない猫のことです。
または劣悪な環境からレスキューされた犬や猫や、自治体や民間の施設、個人宅などで一時的に保護されて生活している犬や猫のことも「保護犬」「保護猫」と言います。
野良猫は、20年ほど前にホームレス猫とも呼ばれ、やがて地域猫と呼ばれるようになりました。
それでも飼い主のいない猫は多くおり、飼い主を求める猫と飼い主を探す人間がいるのです。
最近では小笠原諸島などの島嶼(とうしょ)から捕獲された猫達が保護猫となって譲渡されていきますが、都市や町中でも飼い主のいない猫が譲渡されています。
譲渡会が飼い主に求める条件は厳しい。その理由は
最近では、こうした動物をあえて譲渡してもらい、ペットとして飼う方が増えています。
何らかの事情で飼えなくなった猫を動物愛護センター等から民間の団体が保護し、施設などで健康状態を確認して譲渡先をみつけているのです。
各地域での譲渡会では、厳しい譲渡基本条件などが設けられています。
それは、猫の寿命を全うし、食事、安心できる居場所、眠れる場所を用意してあげられることを目的とし、その里親となることを求めているからです。
ペットではなく家族として迎え入れられるか、先住のペットがいるかだけではなく、飼い主となる方への年齢制限があったりもします。
他にも経済面や健康面に問題がないか、留守がちにならないかといった生活スタイルも確認しますし、もちろん契約書や身分証明書の提示も求められます。
これらの厳しい確認事項は、保護猫を再び野良にしてしまわないための対策でもあります。
例えば、家族との相性、先住猫との相性、高齢者施設への入居が決まった、1人暮らしの飼い主さんが亡くなった、忙しくなり世話をできない、家族に猫アレルギーがいる、転居先がペット禁止住宅、などの事情により、一緒に生活出来なくなることを予め確認しておく必要があるからです。
保護猫をお迎えするために必要な費用とは
また、譲渡される猫については、譲渡されるまでの間の管理費用や医療費が発生します。
それはワクチン接種や寄生虫駆除、諸検査などから避妊・去勢手術を済ませていれば、それが譲渡費用となって新しく飼い主となる方の負担になります。
費用は、各団体によって差はありますが、おおよそ1匹当たり「30000円~80000円位」です。
新しい試みをしている団体の例では、ふるさと納税を通じた支援や寄付で、譲渡会を開催する地域もあります。
他にも消耗品の寄付を受けつつ活動しているところもあります。
SNSに移行する保護猫の里親探し
かつて、こうした猫の里親探しは、個人でポスターを作製したり、口こみで貰われていったりしたものでした。
あるときは段ボール箱に入って「差し上げます」というときもありました。
それが最近ではSNSを利用して発信し、里親希望者もそれを見て出会えるようになって来ました。
こうした猫には幸せになって欲しいと願う人は多く、個人で里親探しをされる方達もいます。
SNSで里親希望者が見つかれば、仕事を休んで数100㎞移動して届けることもあります。
今までに数10匹を里親にもらってもらい、その費用は数100万円以上になるものの、人に知らせるまでもなく、生きがいとして行っている人達も大勢いるのです。
地域猫はどのように対応されているのか。TNR活動について
形式的には団体のグループ活動であっても、多くは個人の判断でTNR活動(捕獲して、不妊/去勢手術をして、元の場所に返す)を行っています。
捕獲からTNRまでボランティアで行っており、捕獲器の貸し出しから自ら捕獲を試みたりします。
公益財団法人どうぶつ基金の活動の特徴として「TNRチケット」というものを各ボランティアに渡して指定動物病院で避妊・去勢手術をしてもらう点です。
猫の捕獲・送迎は依頼主が行います。
生活困窮者の方が飼っていた猫に不妊手術ができず、多頭飼育崩壊になってしまったケースに介入している実例もあります。
また、獣医師が直接携わって地域周辺の避妊・去勢手術を実施しているケースもあります。
さらに島嶼から保護されてくる猫もおり、東京都小笠原諸島では、獣医師会や環境省が携わって保護猫を都内で里親を見つけるということも行われています。
参考資料
公益財団法人どうぶつ基金(https://tnr.doubutukikin.or.jp/)
ふるさとチョイス「日本一の新しい猫助け事業を飛騨から!!」(https://www.furusato-tax.jp/feature/detail/21217/10788)
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