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贈与税の配偶者控除とはどのような制度?相続税対策の効果と注意点も合わせて解説

LIMO / 2022年2月12日 19時35分

贈与税の配偶者控除とはどのような制度?相続税対策の効果と注意点も合わせて解説

贈与税の配偶者控除とはどのような制度?相続税対策の効果と注意点も合わせて解説

「配偶者控除」という言葉を聞くと、多くの人は所得税や住民税を軽減させるための控除をイメージする人が多いと思いますが、贈与税にも配偶者控除があります。

贈与税の配偶者控除は、所得税や住民税と同じように納めるべき贈与税を軽減できる効果が得られるだけでなく、賢く活用することで、将来の相続税対策にも役立ちます。

そこで本記事では、贈与税の配偶者控除とはどのような制度なのかをはじめ、相続税対策の効果と注意点も合わせて解説していきます。

贈与税の配偶者控除とは

贈与税の配偶者控除について、国税庁では制度の概要を以下のように解説しています。

「婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。」

なお、上記解説にある「居住用不動産」について、国税庁では、「専ら居住の用に供する土地もしくは土地の上に存する権利または家屋で国内にあるもの」としておりますが、「居住用不動産」という言葉を「住宅」に置き換えると簡単にイメージしやすいでしょう。

贈与税の配偶者控除を受けるには「4つの要件」を満たす必要がある

贈与税の配偶者控除を受けるためには、後述する4つの要件をすべて満たしている必要があることから、ここでは、4つの要件とポイントを簡単に解説します。

1つ目の要件:「婚姻期間が20年以上の夫婦」でなければならない

贈与税の配偶者控除を受けるためには、「婚姻期間が20年以上の夫婦」でなければなりません。

この「婚姻期間が20年以上」というのは、「婚姻の届出をした日」から「居住用不動産などを贈与した日」までの期間が20年以上になります。

なお、国税庁では、上記の婚姻期間を計算する場合において、1年未満の端数があるときは、この端数は切り上げないものとする旨を解説しています。

たとえば、「婚姻の届出をした日」から「居住用不動産などを贈与した日」までの期間が19年11ヶ月だった場合、この11ヶ月を切り上げて20年として計算されません。

つまり、上記例の場合、適用要件を満たしていないことになるため注意が必要です。

2つ目の要件:「居住用不動産」か「居住用不動産を購入するためのお金」を贈与していること

贈与税の配偶者控除を受けるためには、贈与をした財産が「居住用不動産」か「居住用不動産を購入するためのお金」でなければなりません。

そのため、たとえば、保有している株式などの金融商品を贈与した場合や居住用不動産を購入する以外の目的で贈与した現金預金は要件を満たさないため注意が必要です。

3つ目の要件:贈与税の申告をしなければならない

贈与税の配偶者控除を受けるためには、贈与税の申告をしなければなりません。

贈与税の申告は、実際に贈与を受けた人(財産をもらった人=受贈者)が、贈与を受けた年の翌年3月15日までに行います。

たとえば、令和3年度に配偶者から居住用不動産の贈与を受けた場合で配偶者控除の適用を受けたい場合、「令和4年2月1日から令和4年3月15日までの申告期間」に贈与税の申告を行わなければならないイメージとなります。

4つ目の要件:今回の配偶者との間で、贈与税の配偶者控除の適用が初めてであること

贈与税の配偶者控除を受けるためには、今回の配偶者との間で贈与税の配偶者控除の適用が初めてであることが必要です。

これは、贈与税の配偶者控除が、何度も適用を受けられないことを意味し、同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができないため注意が必要といえます。

贈与税の配偶者控除と相続税対策の効果・注意点

相続税法では、不当に相続税の納税を回避するための措置として、相続開始前3年以内に死亡した人からの贈与による財産は、相続財産として取り扱う規定があります。(以下、生前贈与加算とします)

たとえば、1億円の財産を持っている人が余命1年の宣告を医師から受け、1年後に死亡した場合、余命宣告を受けてからすべての財産を贈与して、相続税の納税を免れるといったことはできないイメージです。

ただし、贈与税の配偶者控除を適用して贈与を受けた財産は、生前贈与加算の対象外となるため、相続財産を減らす効果が得られ、結果として、納めるべき相続税を減らすことが可能になります。

その一方で、居住用不動産の贈与を受けた人は、別途、不動産取得税や登録免許税の納税負担や登記費用がかかること、相続時に宅地の財産評価を下げる小規模宅地の特例が受けられないといった注意点もあります。

一般に相続税対策は、早い時期から計画的に取り組まれることが推奨されているものの、贈与税の配偶者控除における効果や注意点を考慮しますと、この制度を適用した方がよいのかどうか迷う人も多いかもしれません。

そのため、早期の相続税対策の1つとして、時には、税理士などの専門家を通じて財産の評価や長い目で見たときに最も有利な対策方法についてのアドバイスを聞いておくのも一策といえそうです。

参考資料

国税庁 No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4452.htm)

国税庁 第21条の6《贈与税の配偶者控除》関係(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/11.htm)

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