物価上昇待ったなし!生活費で何の価格が上昇しているのか、下落しているのか
LIMO / 2022年2月14日 17時50分
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物価上昇待ったなし!生活費で何の価格が上昇しているのか、下落しているのか
消費者物価・企業物価指数研究シリーズ
岸田新政権になり、賃上げの議論が盛んにおこなわれています。
長らく横ばいであった賃金に対して、「賃上げは当然だ!」という方も多いのではないでしょうか。
また、多くの人が、コロナ禍で生活の中で目に付く特定の物価がじりじりと上がっているのを感じている方も多いかと思います。そうした中、賃上げしてほしいという方が多いということもあるかと思います。
今回は、2022年1月21日に開示された総務省「消費者物価指数」の「全国 2021年(令和3年)12月分及び2021年(令和3年)平均」から、どのようなものの値段が上昇しているのか、また下落しているのかについて見ていきましょう。
電気代とガソリン代が大きく上昇、通信費は下落
総合指数の10大費目、中分類の中で前年同月比に寄与した主な内訳は以下の通りです。
上昇品目:前年同月比(寄与度)
たまねぎ:59.8%(0.05)
まぐろ:16.4%(0.04)
りんご:29.5%(0.05)
調理カレー:13.2%(0.02)
牛肉(輸入品):11.1%(0.03)
せんべい:6.7%(0.01)
火災・地震保険料:15.8%(0.11)
電気代:13.4%(0.43)
都市ガス代:13.7%(0.12)
灯油:36.0%(0.13)
ガソリン:22.4%(0.40)
宿泊料:44.0%(0.29)
寄与度を考えると、電気代、ガス代、またガソリン代などが大きく上昇しています。
このあたりは、私たちの生活に直結する内容が多いことからほとんどの方が実感されているのではないでしょうか。
また、今後のウクライナ情勢なども考えると、エネルギー価格のさらなる値上がりの可能性もあるといえます。
また、最近は天災などが多いことから、保険料も上昇傾向です。
下落品目:前年同月比(寄与度)
通信料(携帯電話):▲53.6%(▲1.48)
生活費における固定費ともいうべき通信料ですが、こちらは値下がりということで唯一の希望の光とも言えます。
格安SIMなどの登場で、価格競争がさらに展開されるのを期待する消費者も多いのではないでしょうか。
今後も気を付けておきたいエネルギー価格
電気代、ガソリン代は2021年に入り、右肩上がりのトレンドでした。
生鮮食品を除いた食料物価指数も上昇傾向です。
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/a/c/-/img_ac19609b98169b18554a38bf54c9cafb39064.png)
出所:総務省「消費者物価指数」
私たちの生活を考えると、「賃上げ待ったなし」という印象ではあります。
2021年は途中から物価上昇が目立つようになった年
2021年の消費者物価指数は4月以降じりじりと上昇をはじめました。
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/d/d/-/img_dd92b5d347b0e8897011f973d5f7c54635374.png)
出所:総務省「消費者物価指数」
総合指数を見てもらえばお分かりのように、4月以降は右肩上がりともいえる状況です。
生鮮食品を除く総合指数はまだ緩やかですが、それでも4月以降は右肩上がりです。
生鮮食品及びエネルギーを除く価格指数の動きを見るとよくわかるのですが、総合物価指数の上昇は、一言でいえばエネルギー価格が悪さをしています。
生鮮食品及びエネルギーを除く価格指数は下落トレンドです。これだけを見ると、デフレともいえる状況で、中央銀行もこの状況だけを見ると健全なインフレ状態にあるとは言いにくいのではないでしょうか。
したがって、エネルギー価格とどう折り合いをつけていくかというのが焦点になりそうです。
まとめにかえて、年間で振り返りましょう
最後に、年間ベースで消費者物価指数の動きを見ていきましょう。
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/9/4/-/img_944a3de78a8fe3898c71d297c8055dfd52849.png)
出所:総務省「消費者物価指数」
2013年以降に大きく反転した消費者物価指数。
2019年までは総合指数は、2016年を除き、ほとんど毎年上昇傾向にありました。
2021年通年では、総合、生鮮食品を除く総合、また生鮮食品及びエネルギーを除く総合はいずれもマイナスとなっており、再びデフレの兆候もあるようには見えます。
しかし、ここまで見てきたように、2021年を月次ベースで見ていくと、エネルギー関連の物価指数が大きく上昇しており、この傾向は今後も続きそうです。
物価は上昇するけれども景気は悪化するスタグフレーションは避けたいものです。
参考資料
総務省「2020年基準 消費者物価指数(2021年(令和3年)12月分)」(2022年1月21日発表分)(https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf)
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