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ひとり親の10万円給付、今月末基準へ。「離婚前の別居」児童手当の支給はどうなるのか

LIMO / 2022年2月16日 18時50分

ひとり親の10万円給付、今月末基準へ。「離婚前の別居」児童手当の支給はどうなるのか

ひとり親の10万円給付、今月末基準へ。「離婚前の別居」児童手当の支給はどうなるのか

2021年に決まった18歳以下への10万円相当給付。2021(令和3)年9月以降に離婚をして給付を受け取れていないひとり親がいることが問題とされ、政府は2月28日を新たな基準日として、子どもを養育している親に給付すると各種メディアで報じられました。

今回の「子育て世帯への臨時特別給付」は、児童手当の仕組みを使い、2021(令和3)年9月分の児童手当支給対象となる児童の保護者のうち、生計を維持する程度の高い世帯主へ支給されています。

主に育児を担うことから、離婚前後は思うように働けない女性も多い現代。離婚前後こそ児童手当や今回のような給付を必要とする方が多いですが、今回のように受け取るまでに時間がかかることもあります。

今回は児童手当の仕組みを再確認しながら、「離婚前に別居するケース」に視点を当てて、児童手当の支給について確認していきましょう。

児童手当の仕組みをおさらい

まずは児童手当の仕組みを再確認します。

児童手当は「中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)」の児童を養育している方にむけて、以下の金額が支給される制度です。

児童手当の月額

3歳未満:一律1万5000円

3歳以上小学校終了前:1万円(第3子以降は1万5000円)

中学生:一律1万円

ただし、夫婦どちらかの所得が以下の金額以上の場合、特例給付で「児童1人当たり月額一律5000円」となります。

出典:内閣府「児童手当制度のご案内」

※2022年10月支給分から、夫婦どちらかが年収1200万円以上(子ども2人+年収103万円以内の配偶者がいる場合)で支給対象外になります。

今回の「子育て世帯への臨時特別給付」では、児童手当のモデル世帯である「夫と専業主婦、子ども2人の家庭」より、年収960万円が所得制限の対象と報道されました。

離婚前の別居ではどうなるのか

原則、世帯主へと支給される「児童手当」。今の日本では男性が世帯主であることがほとんどでしょう。

しかし離婚前には別居をする夫婦が多く、母親が子どもと一緒に住むケースも多いもの。国立社会保障・人口問題研究所の「2021年人口統計資料集 表6-14親権を行わなければならない子をもつ夫妻別離婚数」によると、2019年で離婚時に「夫が全児の親権を行う」のは11.9%、「妻が全児の親権を行う」のは84.5%。離婚後は、母親が8割以上親権をもちます。

離婚前に女性が子どもを連れて別居する場合、申請しなければ児童手当を受け取れなくなってしまう可能性もあります。育児・家事と両立するために、専業主婦や扶養内パートとして働く女性も多い現代、早めに児童手当や今回のような給付を必要とする方は多いでしょう。

内閣府によると、離婚協議中で配偶者と別居している場合、その事実を確認できる以下の書類を自治体へ提出し、児童手当の認定請求を行うことで、児童と同居している人に児童手当が支給されます。

離婚協議申し入れにかかる内容証明郵便の謄本

調停期日呼出状の写し

家庭裁判所における事件係属証明書

調定不成立証明書など

他に離婚協議中である事実を確認できる資料として、以下のような「少なくとも一方に離婚の意思があり、相手方にその意思が表明されていることが客観的に確認できる書類」が挙げられています。

公的機関から発行された書類

(例)控訴状の副本(離婚裁判に係るもの)
※ 被控訴人(申請者)又は被控訴人の代理人に対して裁判所から送達されるもの

弁護士等、第三者により作成された書類

(例)離婚協議における申請者の代理人である弁護士から申請者に宛てた離婚協議の進捗状況に係る報告書

※参考:内閣府「児童手当Q&A(配偶者と別居されている場合の取扱いについて)」

上記のように、基本的には客観的に離婚協議中であることがわかる資料が必要になるのですね。

中には調停になったり弁護士に頼んだりせず、協議で離婚する方もいるでしょう。

そのような場合には、配偶者から申請者と離婚協議中である旨の申立書を提出するなどした上で、自治体が申立書の内容を配偶者に確認できた場合、離婚協議中として取扱われます。この場合、配偶者への確認が必要になるのですね。

また、原則として、住所が別である配偶者と離婚協議中である必要があります(世帯分離をしている場合は別居とされます)。

しかし上記は原則であり、個別の状況によっては申請者が受給できる可能性もあります。まずはお住まいの自治体に相談するのが一番でしょう。

すぐに身動きが取れないからこそ、早めの対策を

離婚前の別居期間は、小さなお子さんがいる場合、すぐに働くのは難しい方も多いでしょう。一時的に実家に戻る方もいれば、自分で賃貸に住む場合はパートをかけもつ方、パートから正社員を探す方、新たな仕事をはじめる方などさまざま。同時に保育園も探す必要があるため、どうしても時間がかかります。

離婚協議中は婚姻費用を受け取ることもできますが、話し合いで受け取れない場合は 婚姻費用の分担請求調停をおこなうことになります。児童手当や今回の給付に関しても、話し合いで受け取れる方もいれば、受け取ることができない方も多いでしょう。

経済的に不安定になりがちな離婚前後。特にお子さんがいる場合には早めの支援が必要でしょう。今回は支給を受けていないひとり親への対策に時間がかかってしまいましたが、今後は早く対策されるように願います。

参考資料

内閣府「子育て世帯への臨時特別給付について」(https://www5.cao.go.jp/keizai1/kosodatesetaikyufu/index.html)

内閣府「児童手当制度のご案内」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html)

内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」(https://www.cao.go.jp/houan/pdf/204/204_2gaiyou.pdf)

国立社会保障・人口問題研究所「2021年人口統計資料集 表6-14 親権を行わなければならない子をもつ夫妻別離婚数」(https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2021.asp?fname=T06-14.htm)

内閣府「児童手当Q&A(配偶者と別居されている場合の取扱いについて)」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/ippan2.html)

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