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2022年から国民健康保険料の上限引き上げに。対象となる年収と対策について解説

LIMO / 2022年2月24日 17時50分

2022年から国民健康保険料の上限引き上げに。対象となる年収と対策について解説

2022年から国民健康保険料の上限引き上げに。対象となる年収と対策について解説

2022年度より、一部の国民健康保険加入者の保険料上限が3万円引き上げとなります。自営業者やフリーランスなど、国民健康保険に加入している方にとっては不安になるニュースですね。

そこで今回は、上限引き上げの対象となる年収と対象者向けの対策について解説します。もし引き上げ対象になっていた時は参考にして下さい。

国民健康保険料の上限引き上げとなる年収の目安

国民健康保険料の上限引き上げの対象となるのは、単身で年収約1140万円以上ある方になります。医療分の上限額が82万円から85万円に引き上げられる予定です。
 
対象者は国民健康保険加入者全体のうち1.58%の割合です。内訳は基礎賦課分2万円、後期高齢者支援金等賦課分1万円で3万円の引き上げとなります。なお、介護保険料の引き上げは見送られています。

制度改正の背景として、日本全体で高齢化がさらに進むことによる医療費の保険負担が増加し、保険財政が更に悪化する懸念が挙げられます。
 
また、保険料の上限が引き上げられるのは国民健康保険だけではありません。
 
後期高齢者医療制度においても、高所得者の年間保険料の上限を2万円引き上げる案を社会保障審議会に提出し、了承されました。今後も、保険財政次第で保険料負担が増えるかもしれません。

国民健康保険のしくみをおさらい

国民健康保険は、被用者保険(健康保険など)に加入していない方が加入する医療保険制度であり、自営業者や個人事業主、フリーランスなどが加入対象です。

日本には「国民皆保険制度」があり、誰もが健康保険に加入する義務があります。病気やケガで治療を受けた時に給付を受けた経験がある方も多いでしょう。

国民健康保険に加入している方は、年齢や所得により医療費の自己負担が2〜3割に収まります。例えば総医療費が2万円で3割負担の場合だと、被保険者の負担は6000円です。残りは保険者(市区町村や国民健康保険組合)が支払います。

医療保険制度は国民健康保険以外にも存在し、勤務先や年齢によって協会けんぽ・共済組合・健康保険組合・後期高齢者医療制度等があります。

国民健康保険と他の健康保険では制度の内容も少し異なります。出産育児一時金はどちらも42万円の支給ですが、出産手当金や傷病手当金は健康保険に加入する本人にのみ支給されます。

国民健康保険料が負担ならぜひやっておきたい対策

年収が約1140万円以上の人は、国民健康保険の上限額が引き上げられることになります。年収が1100万円前後の方の中には、少しの差で保険料に負担がかかるケースも出てくるでしょう。

ここからは国民健康保険の保険料負担を軽くする方法について解説します。ぜひ参考にして下さい。

国民健康保険組合に加入する

所得の多い個人事業主は、国民健康保険組合への加入を検討するのも有効です。

市区町村の国民健康保険料は収入が多くなればその分保険料が高くなりますが、国民健康保険組合は収入に関係なく定額の負担で済みます。

国民健康保険組合の種類は下記でチェックできます。業種に当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。

一般社団法人「全国国民健康保険組合協会」(http://www.kokuhokyo.or.jp/page8-01.html)

国民健康保険料の安い地域に引っ越す

テレワークなどの住む場所を問わない仕事であれば、国民健康保険料が安い地域に引っ越す方法もあります。

厚生労働省が平成29年に調査した「市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」によると、国民健康保険料が安い地域は埼玉・神奈川県・愛知県・東京都・茨城県です。

反対に保険料が高い地域は徳島県・佐賀県・山形県・大分県・熊本県です。現在お住まいの場所から保険料の安い地域が近ければ、保険料を抑えるために引っ越すのもよいでしょう。

世帯合併する

1つの家族が2つの世帯を持っている場合(二世帯住宅など)、世帯ごとにかかる平等割は2世帯分支払うことになります。世帯合併ができれば、それによって平等割が1つになり、全体の保険料を安くできる可能性があります。

ただし、住む地域で国民健康保険料が異なるので必ず安くなるとは言えません。もし安い地域にお住まいの方が2世帯住宅の場合は、世帯合併を検討してみましょう。

法人化する

法人化すると健康保険組合や協会けんぽに加入するため、保険料の半分を負担してくれます。

健康保険組合や協会けんぽは、扶養人数にかかわらず被保険者の収入によって保険料が決まります。よって被保険者に家族が多いほど、保険料負担が抑えられるのです。

国民健康保険にはない手当が受け取れるのもメリットです。ケガや病気で働けなくなった時には傷病手当金、出産時には出産手当金や育児休業中の保険料免除も受けられます。

ただし法人化すると、法人税負担や収益にかかわらず支払う税金の負担もあります。法人化を検討する際は総合的に判断しましょう。

保険料引き上げになる前に確認を

高所得者層は累進課税や保険料などの負担が大きいため、比例して年間支出も多くなりがちです。

国民健康保険料の上限引き上げまでに、保険料に影響があるのかも確認しておきましょう。また支払った国民健康保険料は、確定申告で「社会保険料控除」として申告することで、所得税や住民税を軽減できます。

あわせて確認しておきましょう。

参考資料

厚生労働省「第146回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス) 資料 資料 2国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000847315.pdf)

厚生労働省「市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」(https://www.mhlw.go.jp/content/000590979.pdf)

一般社団法人「全国国民健康保険組合協会」(http://www.kokuhokyo.or.jp/page8-01.html)

国税庁「No.1130 社会保険料控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm)

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