ブラック企業を辞めた4人が語る「ブラック企業を見分けるヒント」とは
LIMO / 2022年2月26日 14時50分
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ブラック企業を辞めた4人が語る「ブラック企業を見分けるヒント」とは
もうすぐ4月。新卒や転職で入社される方も多いでしょう。
「ブラック企業」という言葉が当たり前のように使われるようになって久しいですが、ブラック企業はいまだに数多く存在しています。厚生労働省は労働基準関係法令違反を起こした企業とその内容について公表していますが、このように表沙汰にならないブラック企業も数知れず。
気付かないうちにブラック企業で働いていたなんてことにならないよう、今回はブラック企業の見分け方をご紹介します。
専門性の高い仕事なはずなのに「未経験歓迎」
「未経験大歓迎」を謳う会社には罠がある、と話すのは30代メーカーで働くAさんです。
「前職のIT企業はブラック企業そのもの。9時が業務開始時刻なのに、社長が毎日朝8時半から朝礼を実施。社長の日々の気付きみたいなものを聞かされる。残業時間は60時間ならまだマシな方。80時間や100時間を超える人も多いが、残業代はほんの数万円。30時間以上を申請してはいけないルールになっている」と話します。
その会社では採用面接時に「『希望職種は営業みたいだけど、SEとして新しいキャリアにチャレンジしたら?うちは未経験者でも大歓迎。しっかり受け入れ態勢も整っているし、現場でちゃんと経験を積める。今後SEはもっと社会でプレゼンスを発揮していくよ』と言われ、自分もそうかも?と思いキャリアチェンジしたものの、現場に入ってかなり大変な思いをした。
仕事をしながら自分で専門書を読み、同僚にイラつかれながら仕事をこなす。時間がかかるから、最初は残業100時間超えも珍しくなかった。専門性が高い仕事でも未経験者大歓迎と言うには、相当研修の体制が整っている大手か、よっぽど人手の足りないブラック企業のどちらかだと思う」と教えてくれました。
求人票の給与の幅が広すぎる
30代IT企業勤務のBさんは、求人票の給与に関する記載に注意が必要だと言います。
「求人票の給与の幅が380~720万円というようにかなり幅があった。面接を重ねるうちに、『あなたなら600~650万円くらいはいくかな』と言われるようになり、そのつもりで内定承諾。よくよく考えたらそのときにきちんと労働条件の提示が出てこなかったのがおかしかった。
しかし、実際には400万円で提示されて愕然。『初年度はこんなものだけれど、2年目以降、あなたならすぐに役職があがるから当初お話していた通りになる』と言われた」とのこと。
さらに、2年目になっても役職があがるという話は一切なかったのだそう。「当時面接をしてくれた人事の人はもう退職してしまい、当時の給与の話を知っているのは社長と役員のみ。話が違うなんて言い出せるわけもなく、人事に相談するも知らぬ存ぜぬという感じ。なんなら自分で社長に言ってみては、と言われた。
残業も多く、納期近くになると深夜残業は当たり前。日付が変わる頃に帰れたらラッキーという感じ。疲弊しすぎて転職を考えるが、そもそも転職活動する時間も気力もなかったけれど、なんとか力を振り絞って退職した」と話してくれました。
求人票の内容を見て応募するかしないかを決める人も多いと思いますが、内定承諾前にきちんと労働条件について確認する必要がありそうですね。
テレワークをかたくなに拒む
「この時代、テレワークを導入していない会社は職種にもよるがブラック企業では?というのを疑ってみてもいいと思う」と話すのは、IT企業勤務の20代Cさんです。「同業他社は営業のような出社不要の職種はテレワークが多い。それなのに、うちの会社は社長の方針でかたくなにテレワークを拒む」と嘆きます。
「テレワークを拒む理由として、コミュニケーション不足の回避とモチベーションの維持を挙げている。社員はテレワークにするとサボるものと思っているようで、テレワークを導入しないのに社員のPC起動状況の確認ツールも高い費用をかけて導入。
数字ができなければ怒声が飛び交い、『新規取るまで帰るな』というのが社長の口癖。勤務簿は鉛筆で書き、月末に部長に提出。鉛筆での提出、残業は0時間~5時間程度におさえるというのが暗黙のルールになっており、実質80時間以上の残業申請ができていない状態」とのことでした。
今はテレワークが導入されている企業に転職したCさん。「テレワークを導入している会社は風通しがよく、コミュニケーション能力に長けている人が多い」と話していました。
とにかく採用を急いでいる
40代前半で経理職に転職したDさんは、転職先でブラック企業の洗礼を受けたと言います。
「経理職なら年を取ってからも手に職があって安心だと思い、簿記の資格を取って未経験ながらも経理職に転職。若くもないし、経理の仕事なんて全く経験がないのにありがたいと思っていたけれど、やっぱりそういう会社には罠があった。
研修もなくそのまま現場に入り、たった2名の経理職の先輩に色々と教わりながら仕事を進めるのかと思いきや…1名がすでに退職予定、もう1名はあと数週間で産休に入るという状況。それは採用を急ぐわけだ…」と振り返ります。
同時期にもう1名、経理職の経験のある30代男性を雇い入れ、その人と二人で悪戦苦闘しながらなんとか2名の戦力ダウンに備えたというDさん。しかし、当然思うようには仕事は進まず、社長から激怒される日々だったと言います。
「社員20名くらいの小さい会社なので社長が毎日職場を見回りに来て、『経理が回ってないって文句が出ている』とか『こんなこともできないのか』と怒鳴りながらデスクを蹴っ飛ばす。そんなことが続くうちに、どんどん人が辞めていった。自分もその流れで即退職。今は職場に恵まれ幸せな日々だ」と話してくれました。
採用を急ぐということは、退職者が相次いでいるということでしょう。表向きはポジティブな増員であっても、裏側の事情は計り知れません。
まとめにかえて
今回はブラック企業での勤務を経験した4人から、ブラック企業の見分け方のヒントについて聞きました。ブラック企業は常に人が足りないのでたくさん求人を出していることが多く、求人票と大きく異なる内容で労働条件が提示されることもあるようです。そういうときは毅然とした態度で断る、条件について再度話し合うなどのアクションが必要でしょう。
参考資料
厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案」(https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/jirei_toukei/souken_jirei.html)
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