専業主婦世帯の平均年収はいくらか。今さら聞けない「老後2000万円問題」も解説
LIMO / 2022年2月25日 5時20分
専業主婦世帯の平均年収はいくらか。今さら聞けない「老後2000万円問題」も解説
年収600万円と聞くとどのような印象を持たれますか。
年収600万円あれば専業主婦でも大丈夫といった印象はありますでしょうか。
今回は、専業主婦で世帯収入年収600万円の世帯の貯蓄と負債の実態を証券会社でファイナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産運用に携わってきた私がご紹介していきたいと思います。
夫のみ有業世帯の実態
今回は総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」を参考に、「夫のみ有業世帯」の平均をみていきます。
年間収入:677万円
世帯主の年齢:49.5歳
世帯人員:3.22人(18歳未満人員1.05人)
持家率:77.1%
旦那さんだけが働いているケースでは年収600万円台が平均であることがわかりました。
では、気になる貯蓄はいくらでしょうか。
専業主婦世帯のお財布事情
平均貯蓄額:1488万円
〈内訳〉
金融機関:1444万円
通貨性預貯金:543万円
定期性預貯金:415万円
生命保険など:292万円
有価証券:194万円
金融機関外:43万円
平均負債額:898万円(うち、住宅・土地のための負債847万円)
純貯蓄額:1488万円-898万円=590万円
持ち家比率が70%超であることと比例して、負債のほとんどが住宅などによる負債のようですね。
年収600万円で専業主婦の世帯は純貯蓄として590万円あることが分かりました。平均値ではありますが、みなさんのご家庭はいかがでしょうか。
同じケースの世帯の場合、基準の一つになりますので平均より下だなと思われる方は純貯蓄約600万円を目指すのも良いかもしれませんね。
老後の生活は大丈夫か
住宅に関しては問題がなさそうですが、その後訪れる老後の生活はどうでしょう。
2019年に話題となった「老後2000万円問題」の基になった金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』を参考に見ていきましょう。
【モデルケース】夫:65歳以上妻:60歳以上
夫婦のみ無職の世帯が老後30年間にかかる生活費
20万9198円(年金)-26万3718円(生活費)=月々約5.5万円の赤字
5.5万円×12ヶ月×30年=1980万円(約2000万円)
これが、「老後2000万円問題」の基になった計算式です。
しかし、この計算には大きな落とし穴が2つあるのです。
住宅費
持ち家を前提としているので、住宅費は約1.4万円しか計上されていません。老後も賃貸で生活する方は約30年間の家賃も計上しなければいけないということです。
持ち家比率が70%超もありますので、ここの心配はない人の方が多いかもしれません。
しかし、賃貸で老後もお考えの方は30年間の家賃も考えなくてはいけませんね。
介護費
全ての方が介護になるわけではありませんが、介護費用は意外と多くの資金を必要とするので、準備するに越したことはないでしょう。
これらを加味すると2000万円では少し心もとないことがご理解いただけたのではないでしょうか。
老後に備えるための2つの方法
ここまで専業主婦世帯のお金の事情と老後生活における必要金額をみてきました。
やはり、年収600万円台の世帯でも老後のためには何かしら準備しないと不足する可能性があるということが分かりました。
この不安を払拭するには大きく分けて2つ選択肢があるように思います。
共働きになる
夫婦で働くことで世帯収入が増加し、老後の不安も減るのではないでしょうか。
しかし、今まで専業主婦をやってきた奥様がいきなり社会に出て、働いて十分な収入を得られるのは難しいかもしれませんね。
お金に働いてもらう
600万円の専業主婦世帯は約600万円の純貯蓄があります。そのお金を「資産運用」することで増やし、老後の不安を払拭する方法もあるのではないでしょうか。
おわりにかえて
資産運用と聞くと「リスクが怖い」「損失が出る」などのマイナスイメージが先行しがちです。ただ現在ではお金に関する情報がオフライン・オンライン問わず発信されています。
ご自身の老後に少しでも不安がある方は、一度ご自身のマネープランをじっくり見直す時間をとってみてはいかがでしょうか。
参考資料
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1&tclass4val=0)
金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
50代で「貯蓄ゼロ」世帯の割合は? 定年まであと10年。会社員で「年収500万円」の世帯が、老後に向けてすべきことを解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月17日 2時10分
-
現在48歳で「年収600万円」です。退職金は「1500万円」ほどもらえるのですが、定年までにいくら貯蓄があれば専業主婦の妻と2人で生涯暮らしていけますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月9日 3時0分
-
50歳、貯金1400万円。子どもは中学から私立に進学させ、老後は海沿いに移り住みたい
オールアバウト / 2024年7月5日 20時5分
-
「平均貯蓄額1904万円」の真実!60歳以上でも実態は…?
オールアバウト / 2024年6月29日 21時20分
-
定年後も質素に暮らす「年金夫婦で月20万円」の元大卒サラリーマンでも…「退職金2,000万円」「貯蓄2,000万円」を使い切ってしまうワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月18日 9時45分
ランキング
-
1大谷翔平の新居「晒すメディア」なぜ叩かれるのか スターや芸能人の個人情報への向き合い方の変遷
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時40分
-
2工学系出身者が「先進国最低レベル」日本の"暗雲" エンジニアを育てられない国が抱える大問題
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 17時0分
-
3旅客機用の燃料不足で緊急対策 輸送船を増強、運転手確保へ
共同通信 / 2024年7月16日 23時42分
-
4申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
5「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください