電気自動車のメリット・デメリットをガソリン車と比較しながら解説。注意すべきポイントとは

2030年代までにガソリンエンジン車の販売が中止になる、といったニュースが世間を騒がせました。これから車を買い替えようと思っている方は電気自動車も一つの選択肢としているかもしれません。

ですが電気自動車に触れたことのない方にとっては電気自動車は未知の領域。そこで今記事では、電気自動車の購入を検討している方もそうでない方も知っておきたいポイントを解説していきます。

電気自動車の特徴をあらためておさらいしよう

まず初めに電気自動車とはどのような車なのか、ということから確認していきたいと思います。ふんわりとイメージができているかもしれませんが、ここではっきりとその特徴を振り返りましょう。

モーター特有の気持ちいい走行性能

まず走行性能についてです。電気自動車はモーターだけだから加速性能などがあまりよくないのでは？と思われがちですが、実はガソリン車よりも瞬発力のある走りをすることができます。

ガソリン車の場合、最大トルクが出るまである程度の時間がかかるケースがありますが、電気自動車の場合は加速を始めた段階から最大トルクを発揮することができます。

その加速感はまるでゴーカートに乗っているかのようなリニアな感覚となるでしょう。

また重量物（バッテリー）を積んでいるため、それに合わせて足回りもしっかりとした作りとなっているのでキビキビとしたハンドリングを楽しむこともできます。

消耗品の交換が少ない

電気自動車はガソリンエンジンを搭載していないので、ガソリン車では必須となっている定期的なオイル交換の必要がありません。また減速時は回生ブレーキを多く使うことからブレーキパッドの摩耗がガソリン車と比べると少ないのでブレーキパッドの交換頻度も長めになります。こういった点からランニングコストが意外とかからないというのも大きなメリットです。

長距離走行には向いてない場合も

走行性能は意外と高い電気自動車には弱点があります。それは1回の充電で進める距離がガソリン車に比べると短いというところ。国産の電気自動車で知名度が高い日産のリーフの現行モデルの場合2つのバッテリー容量から選択できますが、低い容量のだと322ｋｍ、大容量モデルでも458ｋｍほどの航続可能距離となっています。

条件によって航続可能距離は変動しますが、ガソリン車と比較するとその1.5倍から3倍近い距離を走行できる車もありますので、どちらかといえば電気自動車は短距離〜中距離向けと言えるでしょう。

充電に時間がかかる

当然ですがバッテリーが無くなれば充電する必要があります。

最近は街中に急速充電器が増えてきていますが、その充電時間はそれなりにかかります。

再度リーフの場合を確認してみると、ほぼ空の状態（バッテリー残量警告灯が点灯した時点）から80％まで急速充電をする場合、温度の条件によって上下しますが、小容量モデルで40分、大容量モデルで一時間かかります。

もちろん充電中は走行することができませんので充電中は時間の使い方に困るかと思います。

食事中などに充電すれば問題ないかもしれませんが、すでに充電している先客がいた場合はそれを待たなければならないのでさらに時間がかかります。

ガソリンのようにスムーズな給油ができないのも気をつけなければならないポイントとなります。

“なんとなく”電気自動車にしないために知っておきたいこと

前段の通り、電気自動車には良い面も悪い面もあります。補助金が多額でお得感があるからという理由だけで電気自動車に変えると後々後悔してしまう可能性もあります。

またディーラーの営業マンに勧められるがまま購入したりするのも良くないので、まずは自分の行動範囲を把握して電気自動車の航続可能距離でカバーできるか、充電インフラはどうか、自宅に充電設備は取り付けられるのか、などといった点を確認しましょう。

購入後、やっぱり合わなかったからガソリン車に乗り換えるといった場合、補助金を返金する必要が出てくるので、余計な負担をしないためにも入念にチェックすることをお勧めします。

中古で電気自動車を買う場合はここをチェック

中古車情報サイトを見ていると意外と出てくる中古の電気自動車。電気自動車は中古になると一気に価格が下がるのも特徴で、手が届きやすい価格帯のものもあります。

中古の電気自動車を購入する際は、最大バッテリー容量（セル数）を必ず確認するようにしましょう。

劣化したバッテリーだと短距離しか走行できないですし、バッテリー交換をする場合は多額の費用がかかりますので、こういった点も踏まえて購入候補を絞っていきましょう。

電気自動車は静かでパワフルな走りで魅力的に感じる反面、万人受けするとはいえないのが現状です。しっかりとメリットデメリットを把握した上で購入に踏み切りましょう。

参考資料

日産自動車株式会社「NISSAN LEAF」（https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/leaf.html）